新しい関係
「おはようございます。レイ様。」
「おはようござます、アーニャさん。」
「今日もよくお眠りになられましたか?」
「はい。今日もしっかりと。」
「それは良かったです!・・・あら?」
アーニャさんは何かを感じたように周囲を見渡す。
一体なんだろう?
そう思いながらアーニャさんを見ていると、だんだんアーニャさんの顔が険しくなっていく。
そんなアーニャさんに思わず声を掛けるとアーニャさんは笑顔に戻って何でもないと言って、食事の準備をしてくれました。
「今日はサーリナ様が来られるそうです。」
「師匠が!一週間ぶりですね!」
「そうですね!報告は毎日させていただいてますが、実際に見ていただくのは久しぶりですね。」
「えぇ、この一週間でさらに強くなったと思うのですが。」
「大丈夫です!!なってます!!もうレイ様の力は普通の兵達では勝てないぐらいです!!」
一週間ぶりの師匠に少し緊張して弱気にもなったが、そんな私をアーニャさんが一生懸命励ましてくれる。
常に見守ってくれているアーニャさんにそう言われると少し自信になります。
「ありがとうございます。アーニャさん。」
「いえ、事実を言ったまでです。」
「よし、師匠がくるなら早く準備して行かないと!」
「そうですね!」
食事を早く済まして準備する。
師匠を待たせるわけにはいかないので、鍛錬所に急ごうと部屋のドアを開けるが、何故か目の前が壁。
「おはよう!!レイ!!」
壁の正体はリュウ様。
それにいち早く気付いた私は、いつもならリュウ様に抱きしめれるが、今日はそうはいきません。
さっと避けて抱きしめられないように。
そしてそのまま横をすり抜けて鍛錬所へと向かおうとする。
「おはようございます。リュウ様。それでは。」
「・・・はっ!!」
避けられたことに固まっていたリュウ様は私が一応返した挨拶に気付いて後ろを付いてくる。
「レイ、俺を避けられるようになるなんて!」
「一応これでも強くなるように修行してますので。あれぐらいなら避けられます。」
「なんとなんと!流石は俺の運命だ。」
「リュウ様のではありませんが。っというか何故付いてくるんですか!?」
「今日は少し余裕があるからな!それについて行くことはいつものことだが?」
「そういえばそうでした。でも、今日は師匠が来ますのでお引き取りください。」
「なんだと!俺がレイと過ごせる日に限って母上が!」
「はい、なのでお引き取りを。」
「いやだ!俺は母上にも負けない。っというか、俺がレイの師匠となって修行をつければ良いのでは?」
「確実に修行にならないということが予想されますので、師匠はサーリナ様が良いです。」
歩くスピードを早くしても余裕で付いてくるリュウ様。
寧ろ走る勢いなのに、なんでそんなに涼しい顔で付いてくるんでしょうか?
やっぱりハイスペック王子だからか・・・。
腹立たしさを感じます・・・。
私は必死に修行してのこれなのに・・・。
っというか、この光景にアーニャさんが驚いているのが視界の端に見えます。
そりゃそうですよね。
だってつい先日までは、リュウ様が何か言っても、何かしても困ったように笑うだけであまり反応せずそのまま受け止めていた私が急にこんな対応なのだから。
遠慮なんて皆無な対応をしているのだから。
こんなの他の人から見たら不敬罪とかかもしれない・・・。
いや、アーニャさんなら大丈夫かな?
あ、大丈夫そう。
驚いた表情をしていたアーニャさんがとっても良い笑顔になったのがまた見えました。
この笑顔、知ってます。
リュウ様を言い負かしたときの顔と同じ清々したっていう笑顔ですもん。
寧ろ嬉しそう。
そう言えばそうですよね。
だって以前から、リュウ様の私へのベタベタな対応はアーニャさんにとって怒りだったようですし。
何度も突き飛ばしてしまってくださいやら無視してもかまいませんやら言ってましたもんね。
それを困った笑顔で返せば、レイ様は優しすぎますってため息付かれたのもついこの間の記憶ですもん。
そりゃあ、大丈夫ですよね。
ッと考えてる間にもう鍛錬所なんですが!?
どこまでついてくるんですか!?
「お帰りください!!」
「嫌だ!!」




