魔獣と善
私の本来の力を使って何も無い。
それは、その者が本当の善だから。
「えっえっ?」
「驚かせてごめんなさい。あなた達を試させてもらったの。」
「試した?」
「ええ、魔獣を簡単には、信じられないの。だから試させてもらったの。私の力は、平等。善だったら、私力では傷を付けること一切できないの。あなたは私の力では一切傷つけることがなかった。それはあなたが善だから。」
「善?」
「本当にあなたはこの子を守ってきたのね。」
魔獣、ジュディと少女が言っていたわよね。
ジュディを見れば、こちらを警戒しながらも、頷いている。
「えぇ、そうよ。私はこの子、ルーミアを守ってきた。ルーミアはあの村で迫害されていたのよ。私はたまたまこの森に生まれ、初めて出会ったのが傷をおったルーミアだった。ボロボロになりながら必死に生きているこの子を見て、見捨てる訳にはいけないと思って、ルーミアを私の住処に匿い、なんとか生きてきたの。」
「何故!?何故、ルーミアちゃんは?」
「双子だったから。双子は縁起が悪いから。」
「双子だからだと!?」
「リュウ様?」
「そんなのただの迷信でしかないだろうって皆、知っているはずだろうに。なぜ、そんな馬鹿な事を。」
リュウ様がいうには双子を忌み嫌っていたの相当昔のことで、どうやら魔王が元々、双子で生まれたことから言われていたそうだ。
双子の下の子が魔王になったそう。
なので、双子が生まれた場合、魔王にならないよう下の子をっとなっていた時もあったそうだ。
しかし、魔王が双子だろうと、次に生まれた子達には何にも関係ないと言われて、今ではそんな迷信であるということで、双子だろうと関係なくなっているそうだ。
「この村が魔王を産んだ、始まりの村だって言われたいから。」
「えっ?」
「はっ?魔王が生まれた村はどこか分からなくなっていると言われているだろう。魔王となった際に消滅したとかで。なのに何故、この村ではそういうことになっているんだ!?」
「わからない。でも、事実、その迷信を今も信じている馬鹿な奴らのせいで、ルーミアは虐待されていたんだ。苦しんでいたんだ!!」
ジュディは、吠えるように、叫んだ。
その声は怒りを含んでいた。
「あなたは本当にルーミアちゃんを大切にしているのね。」
「はっ?」
「うん、ジュディはとっても優しくしてくれてる。私を守ってくれてるの。村の人たちは怖くて仕方がないけど、ジュディがいてくれたから、私、今、生きていけるの。だから、だから、ジュディを傷つけないで!!お願い!」
「ルーミアちゃん。」