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封印

「えっ?」


「ん?どうした?」


「いや、あの、なんで手に取って!?」


「ん?だって、手に取らなきゃ先に行けないだろう?」


「いや、そうですけども。」



なんで、リュウ様は平気で持ってるの?

リュウ様の先程の話を聞いていたら、持てないはずじゃ。



「嗚呼、一応選ばれた勇者だからな。大丈夫なんだ。」


「そうなんですか?」


「なんでかは分からないけども。でも、次のを封印出来るのはちゃんと馴染ませたあとだけど。」



そう言いながらもブンっと剣を回して鞘に収めるリュウ様。

その姿は平気そうで、なんらかの影響も無さそう。

影響がないならいいけど。



「さて、前に進もう。」


「はい。」



その後、聖剣に魔素が馴染むまではゆっくりと過ごし、馴染んだら次の神殿へと向かい封印をするっというのを繰り返していきました。

魔素の量も様々で、最初の所のように少ない時もあれば多い時もあって、その時は1週間馴染むのにかかる時もありました。

けど、順調に進み、2ヶ月がたった時には、10を超える神殿を封印することが出来ました。



「リュウ様、これで11個目ですね。」


「嗚呼、まさかこんなに早いペースで進むとは誰も思っていないだろうな。」


「そうなんですか?」


「嗚呼。俺1人の場合、きっともっと時間がかかったはずだから。」


「えっ?」



聞けば、戦闘も自分一人でするつもりだったリュウ様ですが、宝玉の乙女として目覚めた私は、日々の戦闘を積んでいくことでさらに強くなり、それほどリュウ様の力を借りなくても大丈夫になっていきました。

それに伴って、リュウ様の魔力は温存されていき、どうやら持ち主の状態も聖剣の能力に関わるようで、それほど疲れていないリュウ様なので、聖剣の能力も落ちず、馴染んでいくのもそれほど時間が掛からず次へと行けているそうです。

それを聞いて、私は本当に着いてきて良かったと思った。

時間が掛かればかかるほど魔素の量は増え、厄介な魔獣も生まれていき、そして、それに手間取ったリュウ様が精神も疲労し、また時間が必要になるっていう悪のループに陥るかもしれなかったのが、私が着いてきたことで少しでも改善されているようだから。

しかし、聖剣ってそんなに持ち主によって、能力が落ちるってことは、あの世界の聖剣は相当能力が落ちていたのでは?

いや、関係ないか。

この世界の聖剣とあの世界の聖剣が一緒かどうかも分からないし。

それに、今となっては私には一切関係ないもの。



「さて、封印も出来ているし、レイ。次の街でデートをしよう!」


「何言ってるんですか?そんな時間ないでしょう?」


「ある!聖剣に魔素が馴染むまで、そうだな今回は1週間はかかるだろうし、その間はどうしようもないんだ。だからその間にゆっくりと休むのも大事だろう?」



はぁ。

リュウ様のこれには困ったものだ。


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