宝玉の乙女と宝同石
「そういえば、レイ。宝玉の乙女達については聞いた?」
リュウ様の妄想の未来については聞きたくないようで、サーリナ様はリュウ様を無視して話掛けてくださいました。
正直助かりました。
聞いているのは耐えられなかったので…。
「あっはい。宝石が埋め込まれていて、特殊な力が使える女性戦士のことだと聞きましたが…。」
「まぁ、大方はあってるわ。」
大方は?
あれ、なにか違ったのでしょうか?
「宝玉の乙女はこの世界で最強の力を持ちます。」
「はっはい。」
「宝玉の乙女の宝石には神力が宿っており、基本その力を使って武器を出して戦うわ。」
「武器を?」
「えぇ、その武器には神力が宿っており、普通の武器ではなしえないことができるの。」
「炎を出したり、雷を纏ったりだな。」
「…魔術とは違ってですか?」
魔術があればそれはできそうな気がするのですが…。
そういえばサーリナ様は楽しそうに笑う。
「そうよね、魔術でもできそうね。でも、それなら魔術で倒せば良いでしょ?」
「あっはい。」
「でもね、宝玉の乙女達の武器は魔術じゃなくて神力を宿ってるの。魔術とは違ってね、それ以上の力があるの。」
「魔術で同じ事をやっても、その力は全然違うんだ。」
「…神力って凄いんですね。」
魔術だけでも私からしたら信じられない力ですけど…。
神力はそれ以上なんて…想像できません。
「そりゃね、神様からもらってる力ですからね。」
やっぱり神様ってすごいんですね。
…以前の世界で神様さえも恨んだのだけど…大丈夫かしら…。
…違う世界だから大丈夫だよね…?
なにかこう天罰的なことないよね…。
心配になってきた…。
「でも、彼女たちだけでは宝玉の力をうまく使えないの。」
「え?」
「宝玉に司る神力が少なくてね。宝玉の乙女達の魔力を使って神力にして使ってもまだ足りないの。」
「え、でも…?」
天罰を心配してるとサーリナ様から驚くことを聞いた。
うまく使えないと…?
でも、さっき見た宝玉の乙女様達は多分、あれが武器だと思うのですが、それを出して訓練されてましたが?
あれって違うのですか?
そう思ってサーリナ様を見ればサーリナ様は気づいてくれたようで、頷いてくれた。
「そうね、宝玉の乙女達は一応力を使っているわ。でもそれは半減された力よ。本来の力にはとうてい及ばないわ。」
…そいえば先ほどの訓練では炎やら雷などは見られなかった。
普通に訓練されていたような…。
「だからね、宝玉の乙女達はパートナーに力をもらって本来の力を手にすることにしたの。」
パートナー?
また聞き慣れない言葉に疑問が浮かぶ。
「宝玉の乙女達には宝玉と同じもの、宝同石を生み出し、自分の信じられるもの、パートナーに渡して魔力を注いでもらうことにより、本来の力を使うことができるようになったの。」
「えっと…。パートナーって?」
「基本は宝同石を持つものことを言うわ。」
でもそれだけじゃないわとサーリナ様が笑う。
「えっと…それはもしかして宝玉の乙女様達の旦那様とかがなられるんですか?」
「そうね、宝同石をもつものは大体生涯のパートナーね。」
あれ?
大体は?
「でもね、宝玉をもつのはただパートナーだけではないわ。」
んんん??
ちょっと頭の処理が追いつかないぞ?
宝玉の乙女様達は神力を使って戦うが、その力が少ないのでそれを補うために宝同石を作ってパートナーに渡して魔力で補ってもらい真の力を使うってことですよね?
「主従の契約で宝同石を渡す宝玉の乙女もいるわ。」
「えっと、それって相手が主でですか?」
「そうね。でもまぁ、主従の契約で御主人と言ってもそれはただの名称でしかないわ。立場は対等よ。」
…うーん。
なんだろう、いまいち分からないぞ…。
私の頭がお粗末なせいだろうか…?
「あのね、レイ。宝同石はね、宝玉の片割れと言っても可笑しくないの。それに力を注げるのはね、宝玉の乙女か、宝玉の乙女と信頼し愛したものしかできないの。」
「えっ?」
「誰でもいいならいいのだけど…ね。でもそういうわけにもいかないのよ。これはね、宝玉の乙女の初代様が何故、宝玉を手にしたかって言うところから始まるの。」
サーリナ様が語ってくれた初代様のお話はとても悲しく、でも美しいお話でした。




