8話
「リッカのこと?お前はリッカの身内の人なのか?」
「いえ違います。そうですね……私はリッカ様の上司という立場ですね。リッカ様についてお話しいたしますので、その代わりにリッカ様をあなたの下においておいてほしいのです。」
「ああ、わかった。」
この人ーケシルさんによると、リッカとケシルさんはヤマト和国も運営に関わっている組織に所属していて、いろいろあってリッカは組織に消されようとしていたところをケシルさんが裏でなんとかしていたようだ。
何かいろいろあってリッカを乗せた馬車が盗賊たちに襲われてしまい、どうしようかと悩んでいたときに俺が登場しリッカを取り返した。
いつまでもケシルさんもリッカの面倒をみることはできない。
盗賊たちを一瞬で戦闘不能に追い込んだ、俺ならリッカのことをお願いしても組織にも気づかれにくい上にある程度の戦闘力も持っている。
ということだった。
「そういえば、リッカが俺のことをマスターと呼ぶのは爺さん、お前が原因だったりするのか?」
「いえ違います。彼女は狼の一族の遺伝子を継いでいるので、おそらくは彼女の本能だと思われます。」
そ、そうか本能だったか。
「リッカ様はとても優秀です。それ故に組織に消されかけた訳ですが……」
少しうつむき悲しそうに話を続ける。
「あなたにはリッカ様のマスターとして彼女の力をコントロールしてほしいのです。
それから今お話した内容は誰にも話さないでほしいのです。もちろんリッカ様にも。
それを約束してくださるのであれば銀貨を5枚差し上げましょう。」
「お任せください。」
即答だ。誰にも今の話をしゃべらなくていいのだ。簡単である。
「ではお願いしますよ。」
ケシルさんはニッコリとどこか安心したような笑顔を浮かべ、部屋から出てしまった。
日本人として玄関間で送ろうとしたが、体が動かなかった。
そういえば、組織ってどんな組織何だ?でもリッカを消そうとした時点でやばそうだが……
ポケットで寝ていたリリーを起こしケシルさんにもらった銀貨をリリーに自慢げに見せる。
「ご主人様すごいのです。さすがなのです。ところでこれは何ですか?」
え?知らないの?今までどうやって生きてきたの?
「こ、これはお金だよ。これでたくさんのものを買うんだ。」
「そうなのですか。リリーはまた一つ賢くなったのです。」
「只今お戻りいたしました。」
リッカが帰ってきた。
新しく連載始めました。行事の時しか更新しませんが、読んでいただけるとうれしいです。
今はクリスマスを投稿しました。え?まだクリスマスまである?すんません。操作ミスで投稿しちゃいました。URL張っときます。是非読んで下さい。
https://ncode.syosetu.com/n1323el/