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神様が過保護すぎて…    作者: シュカ
8/30

7話

「いらっしゃい。泊まりかな?」


宿の女将が出迎えてくれた。


「はい。どのくらいになるかは、まだ決まってないのですが、後払いってできますか?」


「ああ、もちろんだよ。」


その後は簡単な手続きをすませ、部屋に入る。

そして気付く。


「アパートじゃん!!!」


見た目も今までにみたアパートのようだったが、中までもアパートだとは………

部屋の作りは2DKだった。この部屋に似た部屋がいくつもあるのだろう。


「マスター、あぱーととは何でしょうか?」


「それはな、この宿みたいなところを俺の故郷でアパートと言ってたんだ。」


「なるほど。では、この街の宿屋は全てアパートですね。」


「何だと!!!」


台無しである。異世界に来てしばらくは、アパートで寝泊まりするとか。


「とりあえず、中に入ろう。」


玄関で靴を脱ぎ奥に進んでいくと、和室とベッドが置いてある部屋があった。

勇者はどれだけ、アパートにこだわってるんだ。


「そういえば、お金どうしよう。外で食べるなら、お金ないぞ。」


そうなのである。俺達は一文無しなのだ。


「マスターはとても強いので、魔物狩りなんていかがですか?冒険者協会で売れば、結構なお金が稼げますよ。」


「お!いいねそれ。採用!!」


「あ、ありがとうございます。」


うん。これを天使の笑顔と言うんだね。


「それよりも、今日のご飯だな。俺はもう限界が近いな。」


「それなら私にお任せください。必ずマスターがご飯にありつけるように頑張ります。」


あ、リリーはまた寝てる。忘れてた。

リッカは、部屋をでようとしていた。


「あ、ちょっと待ってくれ。もう暗いし一緒に行くよ。」


「あ、ありがとうございます。」





リッカは宿の正面の居酒屋に入っていく。

俺もリッカに続き、中に入っていく。


「らっしゃい!」


元気な声が帰ってきた。


「何かおいしいものをください。」


「あいよ。とりあえず、どっか座りな。」


適当に座って待っていると、店主がチャーハンを持ってきた。


「あいよ。チャーハンだ。食べ終わったら、お皿を持ってきてくれ。そこでお金も貰うからな。」


「わかりました。」


と笑顔で返すが、俺達は一文無しなのだ。

どうしよう……


「リッカは何か作戦があるのか?」


「もちろんです。お任せください。」


リッカは余裕のようだった。

とりあえず、チャーハンを食べてしまおう。

うまい。美味しい。手が止まらない。

すぐに食べ終わってしまったので、店内を見回していると


「先に宿の方に戻って下さい。すぐに戻りますので。」


「ああ、わかった。」


リッカには作戦があるようなので、任せてみよう。

席を立ち、店主に軽く挨拶してから店を出る。




「今日は何か色々ありすぎて疲れたな……」


部屋に戻り、今日一日を振り返っているとドアが開いて誰かが入ってきた。


「リッカお帰りー」


「あなたがユーリ様ですか。」


リッカじゃない人が入ってきた。入ってきたのはお爺さんで、

どこにでもいるようなありきたりな格好をしていた。

俺は思わず、力を使って右手に剣を出現させる。


「ご安心下さい。私は敵ではありません。」


「じゃあ何だ?」


敵ではないと言われて、はいそうですかとなるはずがない。


「ご安心下さい。リッカ様のことでお伝えすることがございますので、

それをお伝えすれば私はすぐに去ります。」

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