6話
「つ、着きましたね。マスター。」
「ああ。後はここを抜ければ寝れるな。」
今、俺たちがいるのは街に繋がっている門の一つでここでは簡単な検査が行われている。ちなみにこの国ーヤマト和国は大昔の勇者が建国したそうだ。おそらく俺と同じように転生してチート能力でも貰ったのかな?
「凄いな。リッカは物知りだな。」
「い、いえ。この国出身なので知っていて当然な一般的な知識しか持っていません。」
「そ、そうだったのか。」
さっきから何かリッカに違和感を感じるが気のせいだろう。
「それにしても列長いな。あとどのくらいだろう?」
「リリーはもう疲れちゃたのです。」
「しー。リリー静かに。見つかったらどうするんだ。」
「ごめんなさいなのです。」
リリーが俺の胸ポケットの中で少し小さくなる。
その後はリッカにこの街について知っている事について質問する。
「次の者。」
警備兵に呼ばれて俺たちは前に進む。
「よし。じゃあ、さっき言ったように頼む。」
「了解です。マスター。」
俺たちは小屋の中に入っていく。
「ではまずここに来た目的は何だ?」
まずは左側にいる警備兵が質問した。
右側の警備兵は紙と俺たちの顔と、羊皮紙を見比べている。おそらく指名手配犯かどうかチェックしているのだろう。
「はい。この街にいる昔の友人がけがをしたと聞きましたので見舞いにきたのです。」
「そうか。名前は?」
「ユーリです。こちらがリッカです。」
「ユーリか……珍しい名前だな。」
「はは、よく言われます。」
「よし。通っていいぞ。ようこそミナミの街へ。」
「ありがとうございます。」
よし。高校入試に使った面接スキルが、こんなところで役に立つとは………
「そういえば、リッカはこの国のどこに住んでいたんだ?なるべくなら両親にも会わせてあげたいんだけどな…」
「私が住んでいたのは王都です。でも両親とは住んでいなかったのでたぶん会えません。」
「え?」
「どうしましたか?マスター。」
「いや何でもない。気にしないでくれ。」
不思議そうにこちらを見てくる。
これはあまり触れちゃいけない話題かな。
気にしててもしょうがないか。
切り替えていこう!
「その前に宿屋をとってしまおう。こうして話している間にも、宿屋は逃げていく。」
「わかりました。ですが、私に泊まれる宿屋に心当たりがあります。案内します。ついてきてください。」
「わかった。」
短い返事を返し、どんどん先に行くリッカを追いかける。
「着きました。ここです。」
10分くらいかな、リッカの後ろを歩いていくとアパートのような建物に着いた。
「さあ、中に入りますよ。」