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冬【詩or短文】

冬の隣人

作者: ふみわ

 寒くて寒くてどうしようもない日。真冬の事。

 春を待ち焦がれながら、冬を生きるのは辛い。


 私は思う。

 寒さに震えるのと、恐怖に震えるの。

 果たしてどちらがまし(・・)だろう。


 私は恐怖だと思う。

 恐怖は、その時を堪え忍べば大抵去っていくものだから。

 寒さもまた、いずれ去るものだろう。

 しかし、寒さは──冬はまた廻ってくるのだ。


 春が過ぎて──夏が過ぎて──秋が過ぎて──

 冬は来る。


 春を知り、夏を知る身にとって、冬は馴れるものではない。


 冷たい手を頬に当てては、とうに忘れた春の温もりを探している。


 冬と春が隣人同士というのは、大層不思議だ。

 これほど寒いのに、何故暖かくなるのか。

 いっそずっと寒ければ、この冬にも諦めがつくのに。


 なんの罪もない春──もちろん、冬にも罪はない──を恨みつつ、やっぱり待ち焦がれて、待ち続ける。


 隣人の訪れを──。


春が待ち遠しいです。

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