終曲〝フィナーレ〟
俺は国の軍人だ
国のために国民のために
銃を持ち敵を打つ
そんな使命を胸に秘め
軍に入ったつもりなんだ
だけれど今の俺はなんなんだ
無駄に年を取っていて
うまい飯を食っていて
そして寝るとこにも困らない
そんな生活を送ってる
昔の心はどこいった
俺の心はどこいった
遠い彼方に飛んでった
こんなことになっていた
もう俺は俺じゃない
もう誰も止められない
もう誰も助けられないこの俺は
それでも生きたいと願ってる
厚かましくて汚いこの俺は
あと何ができるのか
あの兵器を使ったら
もう全てが塵になる
なのに俺には止められない
心のなかが煮えたぎる
胸から頭に血が昇る
唇に歯が突き刺さる
だけれど俺には止められない
あぁ無力で無駄なこの俺は
あと何が出来るのか
届かない天に願うのか
いない神に願うのか
あぁほんとに何ができるのか
聞いても聞いても分からない
何のために入ったか
今頃になって思い出す
あのときの自分を思い出す
年を取り老いぼれた私には
何ができるか考える
そして最後に答えは出た
母と妻と子供に 思い馳せ
子供の笑顔に 想い馳せ
そして私は決断す
〝これはあなたの終曲〟
〝これは私の終曲〟