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ジョー・メハラ伝説  作者: 加藤源次
大学生ジョー
7/13

ジョーのキャラ特性

さてここで、われらが主人公、ジョーこと三原譲治とはどんな人間なのか、整理しておこう。


まず、精神。


頭脳は、ふつう。

学校の成績は、中くらい。自宅で勉強したことはほとんどなく、学校の授業だけで内容を全理解する基礎的な学力は、ある。


性向は、省エネ体質。

あくせく忙しくするよりも、ゆったりと自分ペースで進め、できれば要らん労力は使いたくない。楽なほうへ、楽なほうへと流れる。面倒くさいのが嫌い。他人から指示されるのは好きじゃないが、他人が親切にアドバイスしてくれたりすると受け入れてしまうことが多い。もちろんそれが、楽なほうへ自分を導いてくれると判断したときだけであるが。


性格は、ふつう。

快活明朗というわけではないが、陰湿ネクラというわけでもない。感情の起伏が、ほとんどない。しかしそれは理性というよりも、ただぼうっとしているだけなのだ。つまりは、間抜けでトンマである。


人当たりは、よい。

良いというか、お人よしの傾向がある。自分については面倒くさがり屋だが、他人が困っていたりすると面倒見がいい。他人からの親切なアドバイスを受け入れたりするのも、そういうことだ。ただ親切な他人の言葉をうのみにして、どんどん深みにはまっていってしまう向きもある。他人を信じすぎかもしれない。しかしこういう人間は、人の上に立ったとき意外とリーダーにふさわしいのかもしれない。


趣味嗜好は、没頭的。

いちど興味を引かれた事柄には、とことん自分で工夫し、独自研究して追求していく。ただし前述の性向が災いして、それは高みをめざすようなものではなく、楽なほうへ流れていく。


次に、肉体。


全身は、一般的な普通の人間。

18歳時点での身長は、175センチ。一般普通人としては背が高いほうだが、野球選手としては小柄なほう。

体重は、60キログラム。痩せてはいないが、ふとってもいない。中肉。

筋肉は、高1時点ではほとんどなかったが、さすがこの3年間、部活(といえるのかどうかだが)をしてきただけあって、筋肉はある程度は付いてきている。

ただ、この人間の最大の欠陥というか、個性というか、カラダがとにかく、ぐにゃぐにゃである。体の軸というものが、存在しない。左右の動きに驚異的な反応を見せるが、正面からの動きには対応できないというのも、そんなぐにゃぐにゃ体質が原因。バットも、振っているというよりは、バットの重さに振り回されている感がある。グラブの扱いにもちっとも慣れず、この18歳時点でもグラブはボールの勢いを殺すための便利な道具という感じでしか使ってない。


風貌は、ふつう。

イケメンでもなければ、ブサイクでもない。つまりは、個性がない。部活のため、というか散髪が面倒くさいため、年がら年じゅうほとんど坊主に近い短髪である。


視力は、2にかぎりなく近い。ただ、ボールを打つ時、本当にボールが見えているのかどうか、怪しい。本人も、

「ボールが飛んできた、バットを振った、当たった」

みたいな感覚らしい。

ちなみに、この18歳時点でこの野球経験3年間の人間は、実は、投手が投げてくるボールに、ストレート、カーブ、スライダーといった種類があることを知らない。また、投手が投げてくるコースについても、高め、腰付近、低めとか、内角、外角とかがあるのだが、この人間はそういうことも無頓着である。


そしてこの人間の最大の特徴である、超感覚。

カラダがぐにゃぐにゃなのも、この超感覚に起因しているよう。

とにかく、敏感。神経過敏というか、とくに物に触れた時にその超感覚が起こる。

「物が、手に吸いついてくる」

本人の言葉によると、こんなふうだ。

だからバットを握ると、この人間は必ずグリップの一番下のところを握ってしまう。ただでさえ体が軟体動物なのに加え、バットに振り回されてる状態なのが、この握り方によってさらにバットが不安定になる。(それでもバットにボールが当たるから、ふしぎなのだが)

そして、バットでボールを打つ時にも、似たような感覚になる。ボールがバットに吸いついてくるという、例の感覚だ。

さらに、グラブでボールを捕るときも、同じ感覚がある。そう、この人間は、ボールを捕るのがうまいのではなくて、ボールのほうからグラブの中に飛び込んでくる、ボールがグラブに吸い込まれるような感覚なのだ。

そして、ボールを投げるときも、同じ感覚を覚える。

「ボールが、なかなか手から離れてくれない。指先が引っかかってしかたがない」

というのが、本人の言。見た目には、普通に投げているように見えるのだが。投球が、手首のスナップだけで矢のように飛んでいくのは、どうやらこの指の引っかかりが原因らしかった。


以上が、このジョーの特性である。


そう、ジョーは、野球選手、とくにプロ野球選手になるために生まれてきたような天性の素質の持ち主であった。

もちろんジョー本人は、そんなことはまったく知らない。

そして、ジョーの素質を見抜いたと言われる加藤源次氏も、実は、ジョーのそういった素質のうちのたった1つ、バットにボールを巧みに当てる素質、それだけしか見抜いていない。

(加藤氏の場合は、別の重要な問題のため、目が曇っていた、目が節穴だったと言わざるを得ないのだが)


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