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ジョー・メハラ伝説  作者: 加藤源次
高校生ジョー
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ジョー

三原譲治。15才。この4月、高校生になった。

人生の目標は…ない。何をしたいか。ない。


入学式の後、学校紹介のオリエンテーション。部活は、2つしかなかった。野球部と、家庭科部。料理には興味があった。ああ~腹が減った。


翌日、授業は午前だけで、午後は体験入部。といっても、2つしかないじゃん。大抵の生徒は、終礼のチャイムと共に、家路についた。ジョーは、学校に残っていた。午前中にもうあだ名がついていた。人気者でもなく、目立たないはずなのに…。

それにしても、腹が減った。何だかいい匂いがする。食堂は、今日は午後の授業がないのでお休みだった。家庭科室からの匂いだった。卵焼きだっ。ジョーの大好物だ。ふらふらと家庭科室の前へ。扉を開けようとしたとき。

「おい、ジョー!」

悪友のケンだった。

「なんだ?メリケン」

ケンは大阪人でもないのに、粉もんが大好物だった。ジョーは、そんなケンを小麦粉に引っ掛けてそう呼んでいた。そういうジョーも、ボージョレー・ヌーボーという二つ名を持っていた。年がら年中ボーとしているからだった。ジョー本人は、知らない。


「来いよ、ジョー」

え?どこへと考える暇もなく、ケンに引っ張られた。ああ…卵焼き…。こういう場合、ジョーは流されるキャラだった。

気がつくと、目の前に野球部の看板。小さな薪割り小屋のような部室。

「ジョー、おまえ、ここに入れ」

なぜ?とジョーは考えない。メリケンは悪友だが、奴の言うとおりにして今まで悪い思いをしたことは一度もなかった。何か魂胆があるように思えたが、まあいい、と、入部届を書いて部室にいた顧問の先公にぽいと提出した。顧問の先公には、見覚えがあった。あ、校長。長々と話をしやがったから、覚えていた。校長が顧問だから、ろくな野球部じゃないな。まあ、暇潰しになるなら、いい。

練習がきついといやだな、と少し後悔したが、見ると、先輩たちがグランドに寝そべってグーグー寝ていた。なーんだ。安心。


先輩は、2年生5人だけ。辛うじて存続している状態だった。当然、試合もできない。9人いないから、大会参加資格もない。

今年は、何と20人も入った。実は今年から規則が変わり、入試の成績、下から数えて20位以内全員部活に入らされるのだ。家庭科部に入りたかったよう~。でも、こっちのほうがのんびりできるぞ。

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