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Parallel(パラレル)  作者: 神山 備
第一部Parallel
12/71

 武田は決まった任地が浜松であることを理由に、小夜子に別れを告げた。少しずつ会う 回数を減らしていたこともあったかどうかは確かはないが、『泣かれたけど、最後は解かってくれましたから』という報告を夏海は受けた。

 だが、そうなっても夏海の状況が変わることはない。彼女に関係を隠さねばならないのは変わらないのだ。そのためには、任地が遠方だったのは却って良かったのかもしれない。東京都内で鉢合わせすることに怯えることなく、自分が浜松に行って会うことができる。

 今度は小夜子の誘いをかわすために、夏海は偽の恋人をでっちあげた。

知人の紹介で知り合った四歳年上のサラリーマン……夏海たちは紹介されたわけではないが、小夜子なしでは知り合っていないのだし、新年度からは武田も社会人。実のところ、夏海との歳の差を上下入れ替えただけのことだ。

 名前も、もっともらしいものを付けることなく、クマさんとニックネームでぼかした。「クマのぬいぐるみみたいなのよ」

とテンションを上げて話す。以前はそんな演技など出来ないと思っていたのに、それを軽々とこなしている自分がいた。傷心の彼女にはそんな話を聞く耳などなかったのだろう、小夜子は次第に仕事の事以外の事を夏海と話さなくなっていった。


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