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はじめまして、顔も知らない旦那さま「顔も知らない旦那さま改定版」  作者: 井波裕子


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エピソード4

お父様のお話しを聞いて、私が結婚を受ける事に決まったので、早速お母様とお兄様を呼んで報告をしました。


二人は驚き、お兄様は

「お前が領地の為に犠牲になることはないんだよ」

と言い狼狽え、

「リディにだけ、我慢を強いるのはよくないです。

資金繰りは僕も頑張ってあちこち声を掛けていますから…

」とお父様にも懇願し始めます。


私は慌ててお兄様を宥めて言います。


「お兄様、私はこの結婚前向きにお受けしたのです。

どのみち何処かへ嫁ぐ事にはなるのだし、こんな条件の良い申し出を断るなんてもったいないですよ。

それにあのロエベ商会ですよ?

勉強になりそうでしょ?」


「お前はまたそんな…」


「リディはそれで幸せになれるの?」とお母様も心配して聞いてきます。

「お母様心配しないで、2年後相手が気に入らなければ離婚もできる約束よ」


「私としてはあなたを大切にしてくれる人と結婚して欲しいのよ。

いくら嫌なら離婚出来ると言っても、あなたに不名誉な事になるでしょう?」

まだ渋るお母様。


お父様とお母様も親同士が決めた結婚でしたが、お互いに初めて会った時に運命を感じたと言います。

要はお互い一目惚れらしいです。

なんてったって、昔からお母様は社交界では美しさとお洒落で有名な存在です。

お父様も若い時は騎士団に所属していて、とてもカッコ良かったとか。


まあ今もですけどね。


そんな二人だから運命と言う程お互いに舞い上がったのでしょう。


そんな話を聞いて育った割には私は現実的というか、クールというか、自分の恋愛や結婚にはそれほど夢を持ってはいませんでした。

回りにお父様の様なカッコ良い方もいなかったしね。


お兄様もお二人から生まれただけあって、見た目はカッコ良いのですよ。

そんな二人をずっと見て育ったからか、知らず知らずの内に結構な面食いになっているのかも…


だからあえて私の理想は顔は関係なく、頭が良く仕事が出来て尊敬出来る人。


相手の方がそんな人だといいのだけれど…



次の日に結婚を了承する返事を送るとロエベ子爵から直ぐに私へ面会を求める書簡が届きました。

さすがは国でも有数な大商会を率いる方です。

行動が早いですね。


私も負けずに、早速返事を送り、翌日の午後にお時間を取って貰えるように伝えました。



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