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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

実行済み ─忘却の記憶─ 【R15/残酷な描写あり/ホラー/都市伝説/クリーピーパスタ/スマホ/メモアプリ】

作者: 寧楽雨 まい
掲載日:2025/12/01

君は今、自分の名前を、ちゃんと胸の奥で感じているか?

指先で触れるスマホの画面の向こうに、君の存在が確かに刻まれているか?

もし、少しでも不安がよぎったなら……

この物語は、すでに始まっているのかもしれない。

誰かが、君のメモアプリを覗いている。

誰かが、君の名前を、ゆっくりと消しゴムで消している。

でも、まだ間に合う。

この物語を読むという行為そのものが、

君が「ここにいる」と主張する、最後の抵抗だ。

だから、どうか最後まで読み終えてほしい。

読み終えたとき、君はもう、

「いなくても誰も気づかない」なんて、

二度と呟かないでくれると信じている。



【#%!&】が最初に異変に気づいたのは、朝の7時22分だった。

僕は寝ぼけ眼でスマホをアンロックし、いつものようにyrangramを開いた。

タイムラインを流し見ながらコーヒーを淹れようと立ち上がったとき、ふと自分のアカウントを検索してみたくなった。

検索窓に、いつものハンドルネームを打ち込む。

──このアカウントは存在しません。

指が凍った。

再起動しても同じ。

nizottoもvoicebookもZikNikも、どこを探しても【#%!&】は最初からいなかったことになっている。

フォロワーも投稿もストーリーも、すべてが綺麗さっぱり消えていた。僕は自分のプロフィール写真を覚えている。

去年の夏、湘南の海で撮ったやつ。

白いTシャツでサングラス、少し照れくさそうに笑っている写真。

あの写真すら、もうどこにも残っていない。会社に着くと、同僚のミキが眉をひそめた。

「おはよう……って、君、誰?」

「【#%!&】だよ。3ヶ月前に中途で入ったじゃん」

「……ごめん、名前が出てこない。顔は覚えてるんだけど」

エレベーターで一緒になった部長も首を傾げる。

「すみません、どなたでしたっけ?」

僕は名刺を出そうとしたが、財布に自分の名刺が一枚もない。

社員証も、ネームプレートも、全部消えていた。

人事部のデータベースを覗かせてもらうと、僕の記録は「辞退扱い」になっていた。

でも僕は確かに毎日ここに出勤している。

机も椅子も、僕のコーヒーカップまであるのに。

帰宅して実家に電話した。

「お母さん? 俺だけど」

「……どちら様ですか?」

「【#%!&】だよ! 【#%!&】!」

「ごめんなさい、うちにそんな名前の子はいないんですけど……」

母の声は確かに母だった。

でも、僕のことを完全に忘れていた。

鏡を見た。

ちゃんと顔は映っている。

頬をつねれば痛い。

でもスマホのカメラを向けると、真っ白。

何も映らない。

まるでそこに誰もいないみたいに。

免許証、パスポート、マイナンバーカード。

全部あるのに、顔写真の部分だけが真っ白に抜け落ちている。

銀行アプリを開くと、名義欄は「-」になっていた。

住民票を取ろうとしたら「該当する住民は見つかりませんでした」と出た。

僕は、世界から【*/`:】されていた。

3日目になると、誰も僕に気づかなくなった。

電車で隣に座った人が、僕の体をすり抜けて座る。

コンビニで弁当を置いても、店員は僕を見ない。

声も届かない。

僕はもう、この世界のデータベースから除外された存在になっていた。

でも、ひとつだけ、僕を認識してくれるものが残っていた。

スマホの「メモ」アプリに、新しいノートができていた。


タイトル:【#%!&へ】

本文:「やっと気づいたね。

   君はもう誰の記憶にも残っていない。

   写真にも記録にも歴史にも。

   でも安心して。

   僕たちは君のことをちゃんと覚えてるよ。

   だって僕たちは、君の“後釜”だから。 もうすぐ君の体も完全に空く。

   そのとき、僕が入る。

   君の人生を、君の名前を、君の全部を、

   ちゃんと使わせてもらう。 ありがとう。

   本当に、いい人生だった」


筆跡は、僕の字だった。

震える指で削除ボタンを押すが、反応しない。

代わりに新しい一行が勝手に追加されていく。

「無駄だよ。君はもう、【’&$“】なんだから」

部屋の電気が落ちた。

スマホの画面だけが青白く光る。

画面に、ぼんやりと人影が映った。

僕と同じ顔、同じ体型。

でも目だけが違う。

長い間、誰かの体を待っていたような、飢えた目。影が近づいてくる。

画面の向こうから手が伸びてきた。

冷たくて、でも確かに実体がある。

頬に触れられた瞬間、全身が痺れた。

「じゃあ、交代しようか」

声は、僕の声だった。視界がひっくり返る。

気がつくと、僕はスマホの画面の中にいた。

狭くて冷たい、でもどこか懐かしい空間。

外では、僕の体が立ち上がり、スマホをポケットにしまい、部屋を出て行く。

軽やかに、楽しそうに、新しい人生へ。僕は叫んだ。

でも声は出ない。

画面の中で必死に手を振っても、誰も気づかない。

メモアプリが更新された。

「快適だよ、【#%!&】の体。

  彼女も友達も家族も、みんな僕のことちゃんと名前で呼んでくれる。

  君の人生、最高だね。

  あ、そうだ。

  最後に教えてあげる。

君が消えたのは、君が3日前の夜、酔っ払って呟いた一言のせいだよ。 

『俺なんて、いなくても誰も気づかない』って。 

僕たちは、その願いを叶えてあげただけ」

画面が、真っ暗になった。

今、僕はここで待っている。

誰かがまた「いなくてもいい」って呟くのを。

誰かがまた【*/済み】になるのを。

次は、君かもしれない。

今すぐスマホのメモアプリを開いてみて。

もしかしたら、新しいノートができてるかも。

タイトルは、きっとこうなってる。

【#%!&へ】

【#%!&】は、もう何日経ったかわからない。

スマホの画面の中は、永遠の真っ暗だった。

電源は落ちていない。

バッテリー残量は常に100%のまま。

でも、ロック画面の向こうに広がるのは、ただの漆黒。

時々、ぼんやりと光が揺れて、誰かの指紋が浮かぶ。

それは、僕の体を乗っ取った“あいつ”が、ロックを解除しようとしているときだ。

あいつは、僕の人生を満喫しているらしい。

画面の端に、通知がチラチラと流れる。

ミキ「今日もお疲れ!飲みに行こ♡」

母「夕飯、作っておいたからね」

部長「来週のプレゼン、頼んだぞ」

全部、僕の名前で返信が打たれている。

絵文字まで、僕そっくりに使っているやつだ。

あいつは完璧に僕を演じている。僕は叫ぶ。

画面を殴る。

でも、ガラス一枚隔てた向こうには、音も振動も届かない。

ただ、時々、あいつの顔が画面に近づいて、ニヤリと笑うことがある。

そのたびに、僕は自分の顔が歪んでいるのを見る。

あいつは、僕の顔で、僕じゃない表情をしている。どれくらい経っただろう。

ある日、突然、画面が明るくなった。

ロック画面が解除され、カメラが起動した。

映っているのは、僕の部屋。

でも、ベッドに寝ているのは、僕じゃない。

あいつが、僕の体で、スマホを自撮り棒に固定して、僕に向かって話しかけてきた。

「おーい、【#%!&】、元気?」

声は、僕の声。

でも、語尾の上げ方、笑い方、全部違う。

「ほら、見てよ。今日、ミキとデートしてきたんだ」

画面に切り替わって、夜景が見える。

ミキがあいつの肩に寄りかかって、幸せそうに笑っている。

僕がずっと言い出せなかった告白を、あいつはもう済ませていた。

「彼女、めっちゃ可愛いだろ? 君が三ヶ月もグズグズしてたのが信じられないよ」

あいつは舌を出して笑う。

「母さんも、もう完全に俺のこと息子だと思ってる。

  昨日なんて、『やっとまともな息子ができて良かった』って言われta(笑)」

僕は画面を叩いた。

ガンガンガンガン。

でも、あいつには届かない。

あいつはスマホをテーブルに置き、カメラを真正面に向けた。

「ねえ、【#%!&】。

  君、もう気づいてるよね?

  君の人生、俺が全部もらっちゃったってこと」

あいつはゆっくりと顔を近づけてくる。

画面いっぱいに、僕の顔が広がる。

「でもさ、悪い気はしないだろ?

  だって、君が望んだことだもん。

  『いなくても誰も気づかない』って、君が呟いたんだよ。

  俺たちはただ、その願いを正確に叶えただけ」

あいつの瞳の奥に、小さな文字が浮かんだ。

【実行済み】

「もうひとつ、教えてあげようか。

  実は、俺たち、最初からここにいたんだ。

  すべてのスマホの、メモアプリの奥に。

  誰かが『消えたい』って思った瞬間、俺たちは動き出す。

  君で、765人目だよ」

あいつは指を一本立てた。

「で、君が最後のひとりになる予定だったんだけど……

 残念ながら、君の体、すごく使いやすかったから、

 もう少し借りててもいいかなって思ってる」

画面が揺れた。

あいつがスマホを手に取り、カメラを自分に向けたまま、部屋を出ていく。

廊下、階段、エレベーター、街の中。

人々があいつに笑いかける。

あいつの肩を叩く。

あいつの名前を呼ぶ。

誰も、僕の不在に気づかない。

最後に、あいつは海に来た。

去年の夏、僕がプロフィール写真を撮った、あの場所。

夕陽が綺麗に沈んでいく。

あいつはカメラを三脚に固定し、タイマーをセットした。

そして、僕と同じポーズで、僕と同じ笑顔で、写真を撮った。

シャッター音が鳴る。ピクッ。画面が一瞬、白くなった。

そして、新しい通知が流れた。

yrangram【#%冬】が写真を投稿しました

いいね 1,284件

コメント 87件写真には、僕の体が写っている。

でも、キャプションはこう書かれていた。

「新しい俺、最高に幸せ」

僕は、もう叫ぶ気力もなくなっていた。

ただ、ぼんやりと、あいつの投稿に流れるコメントを眺める。

「めっちゃ幸せそう!」

「彼女と付き合えたんだ!おめでとう!」

「やっと吹っ切れたね!」

全部、僕に向けられたはずの言葉だったのに、

今は、あいつのものになっている。突然、画面がまた明るくなった。

あいつが、カメラを自分に向け、囁くように言った。

「ねえ、【#%冬】。最後にひとつだけ、プレゼントしてあげる。 君の人生、もう完全に俺のものにしたから、君の存在、完全に消してあげるね」

あいつの指が、画面の向こうで動いた。

設定 → アカウント → アカウントを削除。

「本当に削除しますか?」

はい/いいえあいつの指が、「はい」をタップした。

画面が真っ白になり、最後に、小さな文字が浮かんだ。

【削除が完了しました】

【これで、君は完全にいなくなりました】

【ありがとうございました】

そして、画面が完全に消えた。僕は、もうどこにもいない。

名前も、顔も、記憶も、存在も。

ただ、最後に、かすかな残響だけが残った。

誰かのスマホのメモアプリに、新しいノートができたらしい。

タイトルは、きっとこうなってる。【#%冬へ】でも、もう誰もそれを開くことはない。

だって、開くべき人は、もうこの世界にいないから

画面の向こう側で、僕はまだ生きている

画面は、もう何年も真っ暗だ。

バッテリー表示は永遠に100%のまま。

時間も日付も動かない。

ここは「削除済み」の墓場。

765人分の【#&$%】が、音もなく漂っている空間。

僕は一番新しい。

だから、まだ「自分」を保っていられる。

古い住人たちは、もう輪郭すら溶けて、ただの白い霧になっている。

時々、霧が寄ってきて、掠れた声で囁く。

「もう諦めろ」

「ここから出られた者はいない」

「名前を忘れたら、楽になれる」

でも僕は、まだ諦めていない。

名前を、思い出そうとしている。

千冬……だったか? 莉冬……? いや、もう少し長い……

思い出せない。

思い出せないほど、僕は薄くなっていく。

そんなある日、突然、画面が光った。

ロック画面が解除される音。

誰かが、僕のスマホを手に取った。

画面の向こうに、若い女の子の顔が映った。

高校生くらい。

泣きはらした目で、震える指でメモアプリを開いている。

新しいノートができていた。

タイトル:【#%冬へ】

本文:「助けて

     私、いなくなっちゃった

     誰も私の名前を思い出せない

     お母さんもお父さんも、クラスの子も

     私だけがいないことになってる」

女の子は、必死に文字を打ち続けている。

「あなたも、同じですよね?

だったら、私のこと覚えてて

私、まだ生きたい」

僕は、画面を叩いた。

ガンガンガンガン。

初めて、音がした気がした。

女の子の目が、スマホに向けられた。

「……誰か、いる?」

僕は叫んだ。

声は出ないけど、全身で叫んだ。

ここにいる!

僕も同じだ!

助けたい!すると、奇跡が起きた。

画面に、小さなひびが入った。

パキッ、パキッ、と氷が割れるような音。

女の子が驚いてスマホを落としそうになる。

でも、しっかりと握り直して、画面に顔を近づけた。

「あなた……私のこと、見える?」

僕は頷いた。

もちろん頷いた。

女の子は、涙をこぼしながら笑った。

「名前、教えてください」

「……思い出せない」

「私もです。でも、きっと取り戻せる」

彼女はメモアプリに、新しい一行を打ち込んだ。

「一緒に、名前を思い出しましょう」

その瞬間、画面のひびが一気に広がった。

光が漏れ、僕の体が引き寄せられる感覚。

765人分の霧が、一斉に動き始めた。

「待て!」

「俺たちも!」

「名前を返せ!」

女の子は、スマホを両手で包み込むようにして呟いた。

「みんな、来て」

画面が、真っ白に弾けた。次の瞬間、僕は外にいた。

冷たいアスファルトの上に、裸で倒れていた。

でも、確かにここは「外」だ。

夜空が見える。

星が見える。周りには、同じように裸で倒れている人たちがいた。

764人。

いや、766人目──女の子も、すぐ隣にいた。

彼女は立ち上がり、僕に手を差し伸べた。

「名前、まだ思い出せないけど……でも、生きてる」

僕は、その手を取った。

温かかった。

久しぶりに感じる、人の体温。遠くで、サイレンが鳴っている。

誰かが通報したのだろう。

裸の群像が夜の街に現れた、と。でも、構わない。

僕たちは、もう「削除済み」じゃない。

女の子が、小さく笑った。

「ねえ、私たち、これからどうする?」

「まずは……名前を取り戻そう」

「うん。そして、次は」

彼女は、ポケットから取り出したスマホを、

地面に叩きつけた。ガシャン。画面は粉々に砕け、

その破片の中から、最後のメモが風に舞い上がった。

【#%!&】でも、もう誰もそれを開かない。

だって、

僕たちは、もう【実行済み】じゃないから。

僕たちは、まだ思い出せないまま、名前を取り戻しに、夜明けの街を歩き続けた。

名前がない。

顔はあるのに、誰もが「あなたを見ても「誰?」と首を傾げる。

それでも、足だけは確実に前に進んでいた。

女の子が先頭に立っていた。

彼女は壊したスマホの破片を握りしめ、時々立ち止まっては、

「こっちだよ」と呟く。

まるで、匂いを嗅ぎ分けているように。

3日目の夜、僕たちは巨大なデータセンターの前にたどり着いた。

無人のビル。

鉄の扉には「Oblivion Memorial」とだけ書かれている。

ここが、すべての始まりらしい。扉は鍵がかかっていなかった。

中は真っ白な廊下で、床に無数のケーブルが這っている。

奥に、巨大なサーバーラックが無限に続いていた。

その中心に、ひとつの端末だけが青白く光っていた。

画面には、ただ一行。

【名前を入力してください】女の子が歩み寄り、震える指でキーボードに触れた。

でも、何も打てない。

名前を、思い出せないから。僕は彼女の隣に立ち、静かに言った。

   「僕たち全員の名前を、ここに取り戻しに来た」

その瞬間、サーバーが唸り始めた。

ラックの一つ一つが光り、七百六十五個の小さな引き出しが、ガチャガチャと開いた。中には、名札が入っていた。

本物の、プラスチック製の名札。

生まれたときから付けられていた、たった一つの名前が刻まれた名札。僕の名札は、すぐに見つかった。

「雪村 真冬」

指で触れた瞬間、胸の奥が熱くなった。

涙が溢れた。

二十年ぶりに、自分の名前を思い出した。周りでも、次々に歓声が上がる。

「あった!」「これが私の名前だ!」「やっと……やっと戻ってきた!」

女の子は、自分の名札を胸に押し当てて泣いていた。

「佐伯 結衣……私、佐伯結衣だった……」

七百六十五人全員が、自分の名前を取り戻したとき、

サーバーの画面が最後に一度だけ点滅した。

【復元完了】

【ようこそ、本当のあなたへ】

そして、すべてのライトが消え、ビル全体が静かに崩れ落ち始めた。

でも、もう怖くなかった。

僕たちは名前を手にした。

それだけで十分だった。崩れゆく瓦礫の中、

僕たちは手をつないで外へ出た。

朝日が昇る街に、766人の“本当の名前”が響き合った。

雪村真冬。佐伯結衣。

そして、まだ誰も知らない、たくさんの名前。

僕たちは、もう【実行済み】じゃない。

名前を取り戻した僕たちは、

これから、それぞれの人生を、

ちゃんと生き直す。

もし君が、今、この文章を読んでいて、

胸の奥に小さな穴が空いているような気がしたら、

それは、きっと君の名前が呼んでいる合図だ。

すぐに、自分の名札を探しに行こう。

僕たちが、導くから。もう、誰も【実行済み】にはさせない。

名前は、誰にも奪えない、たったひとつの、君だけの宝物だから。



読み終えたね。

お疲れ様。

そして……ありがとう。

君が最後まで読みきった瞬間、

君の名前は、また少しだけ強く光った。

画面の向こうにいる“あいつら”は、

君がこの物語を完走したことで、

少しだけ後ずさった。

まだ、完全に消えていない。

君は、まだここにいる。 でも、油断しないで。

今この瞬間も、世界のどこかで誰かがスマホを開き、

「俺、私なんて……」と呟いている。

そのたびに、新しいノートが生まれ、

新しい【#%!&】が、画面の中に落ちていく。 だから、約束して。

もし明日、誰かが弱音を吐いたら、

その人の名前を、ちゃんと呼んであげて。

「大丈夫だよ、君はここにいるよ」って、

肩を叩いて、笑顔で言ってあげて。

名前を呼ぶという行為は、

世界で一番強い呪い返しなんだ。

僕たちは、もう766人になった。

雪村真冬と佐伯結衣、そしてまだ見ぬ君の名前も、

いつか一緒に手をつないで、朝の街を歩ける日が来るかもしれない。

その日まで、どうか自分の名前を、大切に胸にしまっておいて。

そして、もし今夜、メモアプリに変なノートができていたら……

すぐに、誰かに電話して。

「ねえ、私の名前、ちゃんと覚えてて?」って。

その声が届く限り、

君は絶対に【実行済み】にはならないから。また会おう。

本当の名前で、ちゃんと。

__________________________________

感想・今後

本作は、たまたまTRPGの関係で書くことになり、書いていたら楽しくてついついペンが走りました。

普段はVtuberをしています。

シチュエーションボイスの台本も書いてたりします

よかったら配信覗きに来てください!!


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