国の借金の仕組みと、それに絡む話を簡単に説明してみました
随分前に、仕事場の飲み会で、財政赤字の話題が出て僕は驚きました。そこにいるほとんどの人が、日本が隠し借金を含めて、1000兆円規模の借金を抱えている事を知らなかったからです。ニュースなんかで何度となく話題に上っているのに。
それで僕は思った訳です。もしかしたら、この問題が改善に向かわないのは、ただ単に皆がよく知らないだけなんじゃ?と。数字くらいは聞いたことがあっても、実際に仕組みを知らないと実感し難いってこともあるかもしれないし。
なら、簡単に説明するよう工夫してやる必要があるはずです。
問題は悪化し続けていますし、この問題を解決できるのは国民だけですから。
それで、これを投稿しようと思い立ちました(一助になれば、と思ったのですが)。
それでは説明をし始めます。
まず、国は”国債”ってものを発行して、借金をしています。この国債を、誰かに買ってもらう事で、国は資金を手に入れるのですね。じゃ、この国債は誰が買っているのでしょう? 実はほとんどが、国内の金融機関と日本銀行だったりします(どうして国内だけなのかというと、危険に対して日本の国債金利が安すぎるからなんですが、この説明はもう少し後でします)。
金融機関っていうのは、銀行とか郵便局とか保険会社なのですが、そこにお金を預けているのは、国民ですから、大元を辿るなら、日本国民が国にお金を貸している事になります。つまり、
国民→金融機関→国
と、お金が流れいる訳ですね。
ですから、もしも国家破産したら、その借金の重みはほぼ全て国民にかかる事になります。時々、「日本は外国に借金をしていないだけマシだ」ってな意見を聞きますが、僕はだから、むしろ心配なんです。国が国民の財産を没収するのじゃないか?ってな予想をしている人もいるくらいなんですよ。
因みに、もし国家破産したら円が暴落して、金利が上昇、まではほぼ確実です。物価も上昇しますが、どの程度上がるかは分かりません。更に、経済が麻痺すれば、信用収縮ってな現象が起きて、大量に会社が潰れるはずですが、状況の悲惨さはパニックがどれくらいの規模で起きるかに大きく左右されるはずですから、なんとも言えません(IMFがどう動くかにもよりますし)。
ただ、いずれにしろ、かなりの数の人死にが出るのは覚悟しておくべきでしょう(もちろん、その犠牲者はあなたかもしれないし、あなたの知り合いかもしれない)。
さて。ここで、もう少し別の観点から話を考えてみましょうか。
そもそも、どうして国は借金をしているのでしょう? 簡単な話なんですが、早い話が景気回復です。国民がお金を使わなくて不景気になっている。なら、国がお金を使おう。でも、お金がない。なら、借金してしまえ、という感じですね。
しかし、これは半分以上は、名目上の理由と言った方が良さそうです。実際は、官僚やら政治家、それらと癒着している民間企業。そんな所が利益を得たいが為に借金をしているのです(後は、人件費が高くなり過ぎた公務員も見逃せないのですが)。
そして、ここに大きな問題点があります。国がお金を使えば、
国→国民
と、普通に考えれば、還元されるはずですが、ここで官僚やらに掠め取られていたら、それは国民には返って来ません。そして、国の借金を返すのは、税金を払っている国民です。つまり、この流れがある限り、国民はどんどん官僚やらに金を奪われ、貧乏になり続けます。
当たり前の話ですが、やめさせなくちゃいけません。
官僚は、税金を上げる方向に話を持っていきたがっているのですが、その理由が、これを見るとよく分かりますね。
先の税金を上げたがっている話にも関係あるのですが、数年前まで、国家破産危機はもっと早くにやって来ると僕は考えていました。ネット上でも、そう予想している人がたくさんいたように思います。何しろ、収入が50兆円に対して、借金が隠しも含めて1000兆円以上ですよ? 国家破産していない方が不思議な数字です。しかし、今は正直、どの程度直近の危機なのか分からなくなっています。
何故なら、隠し借金が膨大にある代わりに、隠し財産も膨大にある事が徐々に分かってきたからです。特別会計…… まぁ、”埋蔵金”というヤツですが。
実際、2008年度は小渕総理の時にやった国の借金の償還期限を迎えるので、国家破産するのじゃないか?と言われていました。しかし、その危機は回避されました。先に述べた”埋蔵金”から、お金が出て借金の穴埋めをしたのですね。
大ニュースだと思うのですが、何故か、あまり発表されていません。まるで税金を上げる為に、財産の存在を隠したがっているように思えますよね…… 杞憂ならば良いのですが、実際、大手マスコミには、官僚が天下っているらしいです。それくらいの圧力はかけられそう。
まだ、怪しい話があります。
国債の話に戻りますが。
国債は、債券なので、もちろん金利がつきます。でもって、ここで注意点なのですが、普通、危険の高い債券は金利が高くなります。メリットが高くないと、危険な債券なんて誰も買ってくれないからです。ハイリスク・ローリターンなんて馬鹿な投資は、誰もしない。ハイリスク・ハイリターンならば、投資する意義はありますが。
しかし、日本の国債はハイリスク・ローリターンなんです。だから、外国には売れていない。ほとんど、日本国内でしか売れてないのです。では、どうして日本国内では売れているのでしょう?
何らかの圧力がある。また、投資先がないって原因もあるのでしょうが、「日本銀行」が、国債を買っているってのも大きな原因の一つになります。
「日本銀行」は、政府の銀行です。紙幣を発行するのもこの機関ですね。
この日本銀行の国債買取額は半端じゃありません。リーマンショック前で月に1.2兆円(すいません、現在はどうなのか軽く調べてみたのですが、見つけられませんでした)。年で、14.4兆円。新たな国債の発行額30兆円だとするのなら、半分近くを日銀が引き受けているのですね(実際には、借換債なんてのもあるので半分じゃないですが)。
これは、経済政策の名目で行われています。ちょっと前まで「量的緩和政策」や「ゼロ金利政策」なんて言葉がよくニュースに登場していましたが、その一環として国債の買取額が引き上げられ続けたのです。
これらの政策は、金融機関にお金を大量に注ぎ込んで、景気を刺激するってな目的で行われています。つまり、金融機関から債券を買い取って、金融機関にお金を与え続けているのですね。
今現在は「量的緩和政策」「ゼロ金利政策」は解除されています。なら、国債の買取額も減らさなくちゃいけないはずです。しかし、減りませんでした(多分、今も減っていません)。
そして、この時期に、日銀から逮捕者が出ました。更に言うのなら、日銀総裁、福井俊彦のあの例のスキャンダルもこの時期です。まるで、誰かが圧力をかけているように、思えてしまえますよね。考え過ぎかもしれませんが。
何にせよ、この事実は国債の買取が、景気刺激とは別の目的で行われている事を示しています。つまり、国に借金し易くさせているのです。日銀が国債を買えば、金利も下がります。金を借りる側からすれば、金利は低い方が良いのは当然の話で…。
因みに、長期国債金利は日本全体の金利の基準になっています。銀行の金利が驚くほど低いのは、この為です。
ちょっと怖い話をすると、国債買取額が多ければ金利は下がる、という事は逆を言えば、国債買取額が少なければ、金利は上がる、のです。そして、金利が上がれば借金増加速度は増します。すると、借金を返せない可能性が高くなります。そうなれば、更に国債は買い手がいなくなります。そして、更に金利が高くなる。もちろん、金利は急上昇する事になります。
こうなれば、実質、借金は返せない状態になります。早い話が、国家破産状態ですね。
余談ですが、今銀行からお金を借りると、かなりしつこく変動金利を勧められます。もしかしたら、銀行はこの危機を想定しているのかもしれませんよ。固定金利で借りられたら、金利が上昇した時に、銀行は大損する事になりますから。
最後に希望的な話を。
確かに日本の借金は膨大ですが、返済は恐らく不可能ではありません(悲観論もよく耳にしますが)。今のレベルの金利を維持できるとして、借金が増えもしなければ減りもしない状態にするのに必要な額は、12~15兆円ほどだと言われているのです。そして、実は特別会計を節約すれば、これくらいは捻出できるのじゃないか、とも言われている。
つまり、国民が無駄遣いを止めろ、と叫び続ければ、何とかなるのかもしれないのです。
民主主義の大原則は国民主権。これは、国民に最大の権利がある事を意味しています。そして、権利があるという事は、その裏に責任があるのです。だから、この問題は、あなたの問題でもある。もし、国家破産をしたら、国内だけじゃなく、海外にも迷惑をかけます。
多分、一般の人が、年に1~2回くらいこういう事を話題にするだけで(日記で取り上げるとか)、かなり違うはずです。
与えられた責任を投げ出すのも、全うするのもその人次第ですが、未来を選ぶのは、自分自身だという事をどうか忘れないでください。
以上は、2010年五月現在に、記述しました。
できるだけ分かり易く説明したつもりですが、正直、そんなに自信はありません。特に、中盤以降は難しくなってしまったかな?と。もし、何か質問があったら、極力答えます。もちろん、僕の知っている範囲じゃないと無理ですが。
2011年2月14日
すいません。
「借金が増えもしなければ減りもしない状態にするのに必要な額は、12~15兆円ほどだと言われている」というのは、少し情報が古かったです(小泉政権時代の話)。今はとてもじゃないが足りない。