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第46話 紹介


 ローゼルは俺の指導役のため応接室に残し、クラウディアとギーゼラの二人を連れて、三人への挨拶に向かった。

 というか……クラウディアは『インドラファンタジー』にいなかったから大丈夫だろうが、ギーゼラはここにいていいんだろうか。


 一緒にいられる嬉しさもあるが、それと同時に『インドラファンタジー』の主人公のことも気になってくる。

 本来ならばエリアスのような悪役貴族ではなく、勇者である主人公と共に行動をする訳だからな。


 まぁ主人公は勇者であり、幼馴染に聖女という生まれながらのチート持ち。

 適当にプレイしていてもクリアできるくらいには強い訳だし、数ある仲間の内の一人であるギーゼラがいなくとも、特に問題ないとは思うけど。


「本当に広い家だな。私もそれなりの裕福な家だと思っていたが次元が違う。家の中とは思えないほどの人とすれ違うしな」

「使用人は確かに多すぎると俺も思う。戦闘要員の使用人まで雇ってるくらいだからな」

「戦闘要員って凄いですよね! 今から会うのがその方達なんですよね?」

「ああ。まずは書斎に行って、デイゼンって人を紹介する。魔法のスペシャリストだから、二人とも色々と教えてもらった方がいい」


 今魔法の練習に取り組んでいるギーゼラは当たり前として、クラウディアも魔法を習得してもらいたいからな。

 弓を重点的に行ってもらっているが、魔法も使った戦い方をいずれは覚えてもらいたい。


「ここが書斎だ。読みたい本とかがあったら勝手に読んでいいからな」

「あまり本は読まないのだが、寝る前とかに読むのはいいかもしれない」

「凄い数の本ですね! エリアス様のお家には何度かお邪魔しておりますが、書斎に入ったのは初めてです」


 大量の本を見て、二人が感嘆の声を漏らしている。

 俺も読書はそれなりに好きで読んでいるのだが、一生かけても読み切れないくらいの量があるからな。


 そんな大量の本に囲まれ、椅子に座って何やらを作業を行っているデイゼンの姿が目に入った。

 いつにも増して本が積み上がっており、長い事この書斎に籠っているのが一目で分かる。


「デイゼン、ちょっといいか?」

「おー、エリアス様。ようやく姿を見せてくれたのか」

「今は俺のことはよくて、今日は紹介したい人を連れてきた。クラウディアとギーゼラだ」

「初めまして。私がギーゼラだ」

「私は一度お会いしたことがあるのですが……クラウディアです」

「おぉー、こりゃ随分と美人さんじゃ。エリアス様も中々やるのう」

「そういうのはいいから。デイゼンには俺だけじゃなく、この二人にも指導してほしいんだが……大丈夫か?」

「もちろんじゃよ。エリアス様の指示なら喜んで指導させてもらうわい」


 俺の頼みを二つ返事で引き受けてくれたデイゼン。

 やはり本当に頼りになる。


「何だか優しそうな方ですね。見た目も雰囲気もThe魔法使いって感じがします!」

「指導も優しいし分かりやすい。何より教えるのが本当に上手い。俺がギーゼラに教えたのは、基本的にデイゼンから教わったものをそのまま伝えただけだからな」

「そうだったのか。それなら本当に期待できるが……そんな人物に無償で指導してもらっていいのか? 何か指導料を払った方が……」

「そんなものはいらんよ。エリアス様の友達ならいくらでも教えるわい。……ふぉっふぉ。本当に“友達”なのかどうかは分からんがのう」


 今日は本当にいらないことを付け加えてくるな。

 こういうタイプではないと思っていたが、口角もピクピクしているし意外とエロ爺なのかもしれない。


「とりあえず今日のところは紹介だけだ。明日から、早速指導の方をお願いしたいんだが大丈夫か? 通っている学校が休校になったから、しばらくは前のように指導してもらいたい」

「それは本当かのう!? エリアス様にも指導できるとなったら、こりゃ腕が鳴るわい。ワシらが勝手に推し進めたせいで、エリアス様は変な学校に行ってしまったからのう。またみっちり鍛え上げられるが楽しみじゃ」

「気合いを入れてくれるのはありがたいが、お手柔らかに頼むぞ」


 こうしてデイゼンとの挨拶を済ませ、次はコルネリアがいるであろう離れへと向かう。

 基本的に二人がコルネリアから教わることはないと思うのだが、何か怪我した時とかはお世話になるだろうからな。


「次はどこに向かわれるのですか?」

「次は使用人たちが住む離れだ。そこに回復術師がいるから、何か怪我した時とかはその回復術師を頼ってほしい」

「回復術師さんってことは、ローゼルさんのお知り合いの方ですか?」

「ああ。よくは知らないけど、元々ローゼルが教えていたらしい」


 そんな会話をしつつ離れへと向かい、一直線でコルネリアの自室へと向かう。

 日頃の行いもあって、最近は離れであっても使用人たちの視線が優しくなって歩きやすい。


「ここに回復術師がいる。基本的に自室にいるからここを尋ねてほしい」

「分かりました。私は一度お会いしているはずなのですが、あの時は必死だったのであまり覚えて…………えっ! こ、こんなにえ、えっちな人でした――い、いえ、すみません! なんでもありません!」


 部屋の扉を開け、中にいるコルネリアと対面したのだが、クラウディアがとんでもないことを口走っている。

 誤魔化しているが、俺にもコルネリアにもしっかりとエッチな人と言ったのが聞こえた。


 クラウディアの言葉を受け、コルネリアは自分の胸を見て恥ずかしそうに押さえようとしているが……その行為のせいで胸がとんでもないことになっており、余計にエロい状態になってしまっている。

 ゆったりとしたはずのシスター服なのに、大きすぎて強調されてしまっているからな。


「なんというか……色々と凄い人だな。今まで会った人の中で……いや、これ以上はよしておこう」

「コルネリア、いきなり押しかけてすまない。今日は紹介したい人を連れてきたんだが大丈夫か?」

「は、はい。も、もちろん大丈夫です!」


 恥ずかしさを誤魔化すように、顔を赤くさせてもじもじとしているのもエロく映ってしまい、もはやどんな仕草でもエロく見えてしまうゾーンに入ってしまっている。

 これはもう全てクラウディアが悪い。


「あ、あの私はクラウディアと申します」

「私はギーゼラと言う。よろしくお願いする」

「この二人は今日からこの家で泊まり、俺と一緒に指導することになった友達だ。回復魔法は覚えないのだが、何かあった時は助けてあげてほしい」

「もちろんです! エリアス様のご友人様なら喜んでお助け致します!」

「そう言ってくれて良かった。そ、それじゃ……俺達はもう行く。俺は指導をお願いするから、ま、また明日よろしく頼む」

「は、はい! ローゼル様と一緒にお待ちしておりますね」


 二人して顔を赤くさせながら、逃げるようにコルネリアの部屋を後にした。

 やはり慣れたと思っていても、改めて意識するとドがつくほどエロいな。


 おしとやかな雰囲気であの体型っていうのもエロいし、ちゃんとしたシスター服のはずなのにコスプレに見えてくる。

 とりあえず切り替えて――最後はティファニーへの挨拶。

 二人と絡んだ時にどうなるのか予想が一番つかないため、ちょっと怖さもあるのだが……まぁきっと大丈夫なはずだ。


ここまで読んでいただき本当にありがとうございます!!

『ブックマーク』と、広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけますと嬉しいです<(_ _)>ペコ

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