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REMINISCOR CANTUS  作者: HARUT&NOCKT
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プロローグ

FTフィーツェ5021(年号)

とある山中にある遺跡の内部にて


「目覚めろオルティアの守人よ…」


男は左手に持つ金の石版を、地面のくぼみにはめ込んだ。

その時背後の石扉を破壊して、大剣を持った黒髪の男が、人型の怪物を吹き飛ばしつつ入ってきた


「ここに居たか相棒」

「…やはりお前が来たかレシスト」


その言葉と共に、俺が相棒と呼び掛けた男に歩み始めると、男は振り返らず言葉を返してきた。


「…よくここが分かったな」

「お前の真似をして読書していたらここが分かったんだ」


フォルトゥーナ帝国ラプソディア領ノーラ村内にある、ウルデウス山内部の洞窟探索に来た俺の目の前には、古代に滅んだ超文明の残骸と、その一部である石の城の天守から城下を見下ろす親友ウルトルの姿があり、その表情は悲しげだった。


「…見ろレシストこれが世界中の既得権益共が隠す闇の一部だ。奴らは自分のことしか考えていない。故に臣民の誰もがこの歴史の真実を知るに至らない」


滅び去ってもなお、形を残す超古代文明の都市を指すウルトルの声音は何処か儚げに、そしてなによりも怒りを孕んでいた。


「まぁ…おれも上の人間にはほとほと呆れてはいるがな」


こいつの言わんとしてることは、国の闇をいくつも見てきた今のおれには痛い程伝わった。

利益しか求めなかった前王マンチェスター。この男の存在がおれらの道を違えてしまったとも言える。


「そこまで分かっているのであればオレとともに来いレシスト。オレとお前が協力すれば一国…いや、この宇宙すべての闇を断ち切れるうえに愚かな人間共の精神のレベルを上げることもできるだろう。」


天守の壁に置かれた蝋燭が風に揺れると、その光は俺に手を差し伸べるウルトルの表情を映し出した。

蝋燭が照らしたその表情は、昔とは違いとても冷たいものだった。

こいつはやはりあの事件から狂気に飲まれてしまったままだ。


「それは…お前自身が悪神になっても構わないと…そういうことか?」


俺の言葉に間を置き口を開いたウルトルは己の野望を語り始める。

それは狂気に飲まれた残虐非道な目的だった。


「オレはいにしえの破戒の女神のように醜い人類をこの星の力によって、一度全て滅ぼすことで、神々が支配していた頃の美しい星に戻す。それがオレを救ってくれた妹への償いであり、オレの今の…生きる理由だ」


変わり果てた親友に対して、思わず俺は剣を抜き斬りかかったが、奴の周りにまとわりついている 何か に弾き返された。


「無駄だ…今オレは星と一体化しようとしてる お前の剣でも届かない」

「…今のお前はその歪んだ思いを盾にして現実を受け入れられない子供にしか見えない…だからおれが親友としてその考えを正してやるんだよ」


おれは、半身とも言える抜き身の長剣イニティウムを背から抜き、ウルトルへ刃を向けると、刀身に彫られた古代文字が目の前の親友を敵と見なし、オレンジ色に光を発し始めた。


「やはりお前とは袂を分かつか…そうだよなお前は昔から頭が固かったもんな…」

「…そろそろ決着をつけようウルトル」

「決着か…オレを止められるものなら止めてみろレシスト」


会話を終えるやウルトルの腰の細剣もおれを敵と認識しイニティウムとは違い、どす黒く光り出し始めた。


数年前から温めてきた作品です。

ストーリー構築がHARUT氏であり

シナリオ、世界観の構築をNOCKT氏が担当する共同作品です。

シナリオやキャラクター、世界感等オリジナルで作り上げており、ストーリーの方がまだ未完の為、投稿が現在まで完成してる原稿に近づいてしまった場合 最新話の投稿が遅くなる事がございます。

それまではストーリーは1ヶ月に1回投稿させて頂きます。


初作品ということもあり、暖かい目で見守って頂けると幸いです。

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