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積木君は詰んでいる3  作者: とある農村の村人
4章 新生徒会
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19話生徒会親交会

 放課後、約束通り生徒会室に寄ったが運の尽き。

 待ち受けてた正装に着替えさせられ、親交会の場所までバス移動してる。


「久し振りの夏洋(かよ)ちゃんは格別ですなぁ♪ はぁはぁ♪」

「夏洋お姉ちゃんも今日で見納めだから、沢山撮ってあげるね!」

「萌乃ちゃん、撮ったヤツ共有してね」

「土台が女性寄りですが、ここまで変われるとは興味深いです」

「積木夏洋ちゃんに、今の感想を聞いてみましょう♪」

「もうどうとにでもなれ、だよ」


 生徒会の皆さんに囲まれてる積木(つみき)夏洋(かよ)は、女装時の積木洋の名前だ。

 呉橋さん経由で知ったのか、ライラさんたっての希望だそうだ。

 愛実さんもカメラ女子になって、ホクホク顔だ。


「くはぁー! やっぱ洋の女装、最高に最強だわ!」

「愛実さん……」

「その顔もイイ! もっと撮らせてくれ!」


 恋人の興奮も止められず数十分、親交会が開かれる『古民家カフェ•小鳥の宿木(やどりぎ)』に着いた。


「時間通りですね、呉橋会長」

「まね! ん? ほよ? なぁ、ライラちゃんよ。他の子達が見当たらんが?」

「本日はワタシだけです」

「親交会なのに? ま、いいけど! てか、立って出迎えないでさ、座敷部屋で待ってれば良かったのにぃ〜」

「ワタシが好きでやってるので。さぁ、行きましょう」

「うぃー!」


 僕と愛実さんに視線を合わさず、淡々としてるライラさんの略奪は、既に始まっていた。


「ほほー! ここが座敷部屋かい! いいところじゃなのぉー!」

「木のいい匂いがする! スンスン! ふわぁ……」

「ほんなら、好きな場所に座っ……ら、ライラちゃん? な、何故に洋君……じゃなくて、夏洋ちゃんの腕に絡みついとるんだい?」

「ここが1番好きな場所なので。ワタシの事は気にせず、座って下さい」

「いや! 彼女舐めんな!?」

「両手に花っすね! 夏洋後輩は人気者っす!」

「沙良先輩、訳ありですよ、きっと」

「そうなんっすか?」

「隣狙ってたのに……むぅ」

「さぁさぁ♪ 座りましょうか♪」


 上座に新生徒会、反対側に僕らが座るも、僕の両サイドは一色触発も同然だった。


「夏洋さん好みの甘味は、ここからここのメニューになります。ので、好きなだけ頼んで下さい。ワタシの奢りなので」

「い、いやいや! ちゃんと出すよ!」

「勝手に決めるなよな。んじゃ、夏洋! 一緒に決めような!」

「いい度胸です。推定Bカップ未満のくせに」

「し、C未満だし?! 無駄乳で頭までお堅いんじゃねぇのか!」

「均整のとれた身体が羨ましいのですね。まぁ、貴方には成れないでしょうがね。ふっ」

「な、何ぉおお!?」

「愛実さん落ち着いて!」


 一歩も引くどころか、臆せず直進してくるライラさんは、重装甲戦車そのものだ。

 このままだとライラさんの優勢は覆らない。

 敗走が頭を過ぎる中、瑠衣さんの言葉で状況が変わった。


「ねぇねぇライラちゃん♪ いつも甘いお菓子とジュースばっかり飲み食いしてるって本当?」

「はい? 誰がそんなデマを流したんですか」

「デマじゃないよ♪ 昔のライラちゃん♪ が自分で言ってたんだよ? 忘れちゃったの?」

「……竹塔瑠衣さん……貴方は何者ですか」

「これ見たら思い出してくれる?」


 見せてくれたスマホ画面には、小学生5年生夏合宿の集合写真。

 幼さが勝るも大人びたライラさんの姿もあった。


「どう? 私もいるんだけど思い出せるかな?」

「竹つん……竹つん……んー? どこにもいなくないか?」

「ライラちゃんはみっけたけど、確かにおらんなー」

「あ! もしかしてこの子かな!」


 萌乃ちゃん先輩の指差す先は、仲睦まじい10人のギャルの1人だった。

 ロングの茶髪、耳や舌にピアス、バッチリ決まったメイク、

 気崩されたド派手なファッション。

 清純派の瑠衣さんとは遠い、真逆の姿に、ライラさんは顔を青ざめていた。


「ま、まさか……る、るちょぱ……」

「あー♪ 思い出してくれたんだね♪ ライライ♪」


 ライラさんと瑠衣さん、2人のリアクションで、小学生ギャル・るちょぱが同一人物だと確定した瞬間だった。


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