表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
積木君は詰んでいる3  作者: とある農村の村人
4章 新生徒会
19/55

18話 同伴とアイディア

 北高と黶学(あざがく)の生徒会親交会は、きっとライラさんが関わってる筈だ。


「なんか黶学の会長さんがさー? 洋君と同中(おなちゅう)みたいで、是非とも同伴して来て下さいって、朝一で連絡が来たんよ」

「会長って、満欠月ライラさんですか」

「そのライラちゃんです! てか、洋君って生徒会長の知り合い多くない?」

「呉橋さんもその1人ですよ」

「そうでした♪ あーこりゃ一本取られましたわぁ!」


 本来生徒会でもない僕の同伴許可は、そういう事なんだ。

 乗り越えるべき七人女神の1人は、僕1人で乗り越えるつもりはない。


「呉橋さん。愛実さんも一緒でもいいですか?」

「ほ? あ、そーいえば付き合い始めたんだっけ? おめっとさん! 幸せにすんだぞ! ぐしぐし!」

「星さん、積木さんは真面目に言ってるんですよ」

「ちょっとしたお茶目よ、お・茶・目♪ 芽白♪ ま、1人2人増えても大丈夫っしょ!」

「もう……責任は私か星さんが取るから、心配しないでいいよ」

「って事で、よろぴーなっつ♪ ぽりぽり、うまし」


 お裾分けのピーナッツ数粒貰い、感謝しつつ口に運んだ。


「あ、そだそだ。北高出る前に、洋君には正装に着替えて貰うから」

「正装?」

「とりま放課後なったら、生徒会室に来てちょ♪」


 無邪気で可愛らしい微笑みに、嫌な予感が過った。


 ♢♢♢♢


 生徒会室を後に、1-Bの扉を開いた。


「お! 来たな積木! 早くこっち来い!」

「わ?!」


 クラスメイトの赤鳥(あかとり)大地(だいち)君に、教壇まで背を押された。

 愛実さんが隣に並び、神流崎さんと緑岡君も並んでた。


「ほんじゃ改めて! 我が1-Bに、2組のカップルが爆誕したぜ! ヒューヒュー!」


 クラッカーに拍手と、祝福の嵐に包まれた。


「そんじゃ神流崎さんから一言ずつ、どぞ!」

「気持ちは嬉しいですが、頼んでません」

「あ……す、スンマヘン……」

「だ、大地君。ゆ、夕季さんと僕の事は、今後静かに見守って貰えると嬉しいかな?」

「犬次郎君の言う通りですよ。分かりましたか赤鳥君。それに皆さんも」


 静かに頷くクラスメイトは、テンションもシュンとなった。


「ま、夕ちゃんの照れ隠しもそこそこにさ、赤鳥も皆もサンキューな? そんで、私達をよろしくな!」

「よ、よろしくね」


 祝福してくれた1-Bの皆は、今年いっぱい七人女神関係で巻き込むかもしれない。

 だからこそ、七人女神との関係を、皆に向かって手短に語った。


 ♢♢♢♢


 昼休み、誰も教室から動かず、教壇に立つ僕と赤鳥君に視線を向けてる。


「えぇーつまりだ。積木と同中だった、乙夜街道アリアをはじめとした超有名人女子達7人が、結婚前提に瓦子から略奪にし来ると……」

「うん。黶学の生徒会長でもあるライラさんが、今日動く筈なんだ」

「今日ってマジ急過ぎんだろ。てか、あの満欠月ライラだろ? 偏差値75の黶学を首席入学した、マジもんの才女……その上、美人でスタイル抜群、生徒にも先生にも人望が厚くて、巷じゃ『学問の若女神(にゃくにょしん)』って崇拝されてるって話だろ?」

「みたいだね」


 お泊まり会でライラさん本人からそう聞いてる。

 親交会でも若女神パワーを遺憾無く発揮する筈だ。


「正直、気持ちだけじゃ勝ち目はねぇよ」

「かと言って逃げる気もないよ」

「でもよ……な、なぁ。皆も積木達が乗り越えられそうなアイディアとかないか?」

「じゃあ、弱点を見つけるとかは、どう?」

「それだぜ! 大米(おおまい)さん!」


 球技大会でサブリーダーを務めてくれた大米(おおまい)桐子(きりこ)さんの言う通り、弱点があれば勝てる見込みはある。

 ただ七人女神の弱点は、3年間一緒に過ごしててもなかった。


「愛実とラブラブチュッチュ見せつけてやれよ」

「く、来亥(くるい)さん……相手を余計に焚き付けるだけですって」


 漫画家の卵の来亥(くるい)六華(りっか)さんのアイディアは、流石にやる勇気が出ない。


「体力勝負なら白黒ハッキリ分かるぜ!」

「脳筋の風渡(かぜわたり)さんは、発言をご遠慮してくださいませ」

「お、おぅ! 悪かった!」


 水泳部風渡(かぜわたり)ありすさんのアイディアが通っても、ライラさんは運動神経も抜群だ。

 部活の助っ人として全国大会出場を勝ち取る実績持ちだ。


 時間の許す限り、続々とアイディア出してくれるも、勝算は無かった。


「しょ、初っ端から負け確なのか?!」

「ごめん赤鳥君、皆。でも、ありがとう」

「お、おい。ど、どうすんだ積木? 無謀な特攻だけは絶対止めとけ?!」

「いざって時はそうすると思う」

「だな。皆! ありがとな!」

「ふっふっふ……楽しく見学してたけど、大丈夫だよ積木君、愛実ちゃん♪ ライラちゃんは私に任せて♪」

「る、瑠衣さん?」

「竹つん?」


 自信満々で胸を張る瑠衣さんを、今は信じるしかない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ