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積木君は詰んでいる3  作者: とある農村の村人
3章 集う七人女神
17/55

☆16話 夫婦と覚悟

※2024/9/9文末に夢現越子のイラストを追加しました!

※イラストが苦手な方はスルーで!


 目が覚めると姉さんのいた場所に、嬉しそうなくららさんが横になってた。


「あ、ようくん、おはよぉ。えへへ、モーニングコールっていいねぇ」

「く、くららさん? ここって僕の部屋だよね? どうなってるの?」

「オレが教えてやるよ。洋達が寝静まった時に、運んできたんだぜ」


 狭いシングルベッドで、イヴさんとくららさんに挟まれてる状態を、あびるさん達が見下ろしてきてる。


「しかも、イヴのお姫様抱っこや。今度、ウチにそれやってや、洋クン」

「勝手な言動は許しませんよ。ですよね、洋さん」

「そ、それより愛実さんは?」

「君の布団に包まって、私達を睨みつけてる」

「え? あ!」


 壁際で布団包まれ+梨紅さんの胸埋め拘束されてる。

 僕に近付けさせないと実力行使したんだ。


「洋君。皆と話し合ったんだが、結論から言うと、私達は君と夫婦(めおと)になる為、本気で動く事になった」

「でも、皆集まるのは無理……だから、個人個人で動く……」

「うだうだやるつもりはないぜ! 今年中にケリつける!」

「ワタシ達7人を乗り越えた暁には、今度こそ洋さんと愛実さんを認め、心からの祝福を約束します」

「略奪婚ってヤツや。あれ? ちょっと違うか?」

「合ってると思うよ♪ なんだか燃えちゃうなぁ♪」

「ようくんとめぐみちゃんが今拒んでもぉ、わたし達は止まらないからぁ」


 逃げられない略奪戦を勝手に決められて、納得は出来ない。

 それでも、僕は愛実さんと一緒に乗り越えないと、ダメなんだ。


「……愛実さんと2人っきりで話がしたいから、ちょっと出て欲しいんだ」

「分かった」


 素直に聞き入れて、部屋を出てくれた七人女神。

 まずは真っ先に愛実さんの布団拘束を解いた。


「大丈夫、愛実さん」

「洋の匂いに包まれてたから平気」

「ホッ……愛実さん。アリアさん達は今後、本気で略奪しに来るつもりだ」

「だろうな。洋の事、私に負けないぐらい本気で愛してるみたいだしな」

「うん。それでも、僕は愛実さんと一緒にいたいんだ」

「えへへ……だったら、乗り切るしか道はないよな!」


 七人女神は詰み人生史上、最強の詰み要素だ。

 乗り越えた先にこそ、詰みを克服出来るんだ。


「ありがとう愛実さん」

「大事なパートナーだろ?」


 重ねる手の平から勇気を沢山貰える。

 一つ一つの言葉が背中を押し、支えてくれる。

 そんな大事な大切な愛実さんの為、七人女神と立ち向かうんだ。


 話が終わったと扉越しに言い、アリアさん達が入室した。


「どうやら覚悟が出来たみたいだな」

「うん」

「いつでも掛かって来い!」

「立派な威勢が虚勢で終わらないといいですね」

「ウチに掛かればチョチョイのチョイや。ま、足掻くだけ足掻いてくれや」

「どんな結末になるか見ものだねぇ。期待を裏切らないでねぇ」

「オレは勝負事で略奪してやるぜ! 余裕の宣戦布告ってヤツだ!」

「誘惑が手っ取り早くていいよ♪ 未来の旦那様を満足させるのも大事でしょ♪」

「性格の相性ならアタシが一番……それに一生養える……ふっふーん」

「君達の覚悟、しかと試させて貰う」


 一切の妥協はしない、遠慮もしない、略奪したもん勝ち。

 個人個人の本気が垣間見える中、アリアさんが小さくパチンと手を鳴らした。


「さて、洋君。まだ朝まで少し時間がある。私達と一緒に二度寝と洒落込もうじゃないか。えてぃ」

「させねぇから!?」


 アリアさんに脳天チョップを食らわせた愛実さんは、僕の手を握り、リビングへとダッシュ。

 後を追って来る七人女神と、リビングで僕の取り合いが勃発。

 異音を聞き取った姉さんの登場で、場は静まり、それからお泊まり会は水面下で火花を散らすだけで、平和そのものだった。

挿絵(By みてみん)

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