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積木君は詰んでいる3  作者: とある農村の村人
3章 集う七人女神
16/55

☆15話 歯磨きとおやすみ

※2024/7/7文末に満欠月ライラのイラストを追加しました!

※イラストが苦手な方はスルーで!

 あびるさんの歯磨きご褒美で、正面から丁寧にゆっくり磨かれ、磨き残しがないか顔を触れながら確認されてる。


「歯並び良し、色も白くて綺麗、そして虫歯知らず。洋クンは歯も完璧やな」

「あ、ありがとう」

「ウチは八重歯やから、ちょこっと不恰好なんや。ほりゃ、見てぇゃ」

「猫みたいで可愛いと思うけど」

「にゃ、にゃふぅ……」


 赤くなる顔をスマホで隠すあびるさんは、実際にSNS界隈で『あび猫様』と呼ばれる程で、つっけんどんな塩対応目当てのM気質な人が多いそうだ。


「さぁ、皆も見てないで歯磨きしなさい」


 歯磨き光景を全員に視聴されてたから、ようやく解放されて一安心だ。

 皆が洗面所に列を作る中、空がもじもじと歯ブラシと歯磨き粉を持ってやって来た。


「お、お兄ちゃんに磨いて欲しいんだけど……ダメ?」

「今日は特別だからね」

「ふぁーい♪」


 ソファーで優しく磨き上げ、ニッコニコで洗面所に向かった空。

 いつまでも甘えん坊な妹は、いつまでも可愛いんだ。


「なぁなぁ洋クン。ウチのも磨いてくれん?」

「ダメ」

「ウチの歯ブラシ舐ってもいいから! むしろ舐ってや!」

「余計にダメだよ」


 シュンと項垂れ、渋々歯磨きをするあびるさん。

 隙あれば私欲行動をとる七人女神は、我が家でも気を付けないと。


 ♢♢♢♢


 歯磨きも終わり、今度はアリアさんのご褒美で、おやすみ前の1分ハグだ。


「さぁ、来てくれ」

「う、うん」


 真正面からのハグで、豊満な胸が押し潰れ、とびっきりの美人顔も真横だ。


「私の方が少しばかり背が高いから、君の顔をより近くで感じられるな」

「そ、そうだね」

「オレだって洋よりデカいぜ! なんなら、こんな中で1番だ!」

「ワタシも洋さんより大きいです。抱き心地も抜群です。さぁ、次はワタシにハグを」

「あー♪ 便乗なんて、いーけないんだいけないんだー♪」


 茶々入れに一切動じずに1分が過ぎ、緩むように離れたアリアさんは、色気たっぷりで火照っていた。


「ふぅ……半年振りに洋君を感じられて、幸せ一杯だ。身体も正直に反応してる」


 やけに柔さが際立ってた胸のそれを見て、下着を着けてなかったんだと今更気付いた。


「今夜はいい夢が見られそうだ。おやすみ、チュ」


 おでこにキスをしたアリスさんを、他の七人女神が僕の部屋へ連れ込み、やいのやいの激しく語り合ってた。

 ポツンと残された僕と愛実さん。

 やっと訪れた2人きりの時間に、愛実さんは顔を近付けて、優しく静かに口を重ねて来た。


「ここだけは上書きさせないから……お、おやすみ!」

「え、あ、お、おやすみ」


 アリアさん達の部屋に飛び込み、語り合いに激しさが増す中、僕は数分間その場で立ち尽くしてた。


 ♢♢♢♢


 浮き足立った心が落ち着き、姉さん達の待つ寝室に静かに入った。


「ん、遅かったわね」

「ちょ、ちょっとね。僕の寝るところは……」

「お姉ちゃんと私の間だよ! 早く早く!」


 仰せのままに間に収まり、2人して僕の方へ身体を向けて来た。


「愛実ちゃんと付き合う事になったのね」

「うん」

「おめでとう。大切に大事にね」

「ありがとう姉さん」

「でも、お兄ちゃんが誰かと付き合うなんて、全然想像出来なかったよ」

「そうね。義妹になる日も近いわね」

「ね、姉さん? 流石に気が早す……ね、寝てる」

「もう寝てる時間だもんね。ふぁ……お兄ちゃん……おめでとぅ……くぴぃ……」

「寝ちゃった……ありがとう空、姉さん。おやすみ」


 静かに目を閉じ、忙しなくも忘れられない一日を終えた。


 そして目を覚ました時、僕の部屋で七人女神に囲まれていた。


挿絵(By みてみん)

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