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積木君は詰んでいる3  作者: とある農村の村人
3章 集う七人女神
15/55

☆14話 人生ゲーム

※2024/7/6文末に八百万神あびるのイラストを追加しました!

※イラストが苦手な方はスルーで!


 就寝前の自由時間、越子さんの持ち寄った人生ゲームをすることになった。

 姉さんと空は見学兼銀行係で、人数的に3人3チームに別れ、僕はライラさんと越子さんとチームで、早速始まった。


「9ですね。……おや、弁護士に就職です。資金面は困らないですね。ふふふ、養い甲斐があります」

「ライラのお金で1番大きい家も買お……愛の巣ってやつ」

「そ、空。お給料頂戴」


 順調なスタートを切る僕らだけど、ライラさんと越子さんはゲームとリアルをリンクさせて、物凄く期待の眼差しを送って来てる。


「やったー♪ アイドルになっちゃった♪ ゲームでも現実でもアイドル街道まっしぐら♪」

「お、オレがアイドルとか似合わねぇよ!? 想像しただけで体が痒くなっちまう!?」

「デカパイ2人とグループなんて、私だけ絶対浮くヤツじゃん!? ゲームだけでも公平にして欲しいんだけど!?」


 愛実さんの思いの丈とは逆に、梨紅さんとイヴさんの胸に挟まれて、追い討ちを掛けてる。


「ほぉ、新米役者か。下積みをコツコツ積み重ねるの大事だな」

「アリアが言うと皮肉やな。ま、ウチも下積みした事無いけどな」

「わたしも初めて描いた漫画が、そのまま連載してるからぁ、下積みは分からないかなぁ」


 リアルが最初から順風満帆過ぎて、人生ゲームが見劣りしてるアリアさんチーム。


 ゲームは中盤に差し掛かり、それぞれヒートアップしてた。


「ふふふふ、今度は男の子ですね。これで5人目ですが、まだまだ欲しいです。チラチラ」

「5人目もアタシの子供……ライラの子供は最初だけ。だよね、洋」

「誤解を生んじゃうから!?」


 お腹を摩るジェスチャーで、ポッと頬を赤らめる2人。

 何故か他の皆も、軽く上を見上げて頬を染めてた。


「やったー♪ 女の子生まれたよ♪ 親子アイドルユニット組んじゃおうかな♪」

「コウノトリさんが運んでくれたんだな! ありがとう!」

「つ、突っ込んでいいのか? す、スルーでいいのか!?」


 マスに止まる度に振り回される愛実さんは、もう頭がパンクしそうな感じだ。


「戦友の俳優と結婚か……ふむぅ……該当者が一切思い浮かばんな」

「所詮、数や知名度を首からぶら下げる男なんて、下半身を主軸に思考する獣や。いなくて当たり前や」

「いくら善人ぶって近付いても、一目でバレバレだもんねぇ」

「あぁ。それに比べて、洋君ほど理想な異性はいないな」

「「「「「「「同意!」」」」」」」


 七人女神の息ぴったりな同意に、愛実さんの声も混じってた。


 そして終盤に差し掛かり、アリアさんチームが1位を独走中だ。


「海外旅行で結婚指輪を無くす、一回休み。何ですかこのふざけたマスは。腹の底から怒りが込み上げてきます」

「制作元にクレーム入れるべき……アタシ達に喧嘩売ったこと後悔させる」

「げ、ゲームだから!?」


 本気でやりかねない2人の頭を撫でたら、コテンと頭を肩に乗せて落ち着いてくれた。


「新人アイドルのプロデュースに5000万投資♪ いつの日か巣立っちゃうなんて悲しいよぉ♪ うっうっう♪」

「お金が勿体ねぇ! オレが一から鍛え上げてやんよ!」

「でも、ゲームだから5000万払うからな。……滅茶苦茶痛い出費過ぎんだろ」


 アイドル街道を進んできた愛実さんチームも、なんだかんだでゲームを楽しんでる。


「埋蔵金を掘り当てる10億獲得。乙夜街道家の総資産と比べれば、かなり見劣りするな」

「ウチの数十件分の経済効果やな。んな現実味ない埋蔵金は、どっかに寄付すりゃいいんや」

「消え物に還元するのいいんじゃなぃ? 美味しい食べ物食べ放題だよぉ?」


 夢のある人生ゲームを、余裕で上回る現実のアリアさんチームは、そのまま1位でゴールイン。


「一位のアリアチームには、ちょっとしたご褒美ね。何がいいかしら?」

「では、就寝前に洋君のギュッと1分ハグを」

「なんならウチは、洋クンの歯磨きしたいわ」

「明日のモーニンコールかなぁ?」

「だそうよ、洋」

「あ、う、うん」


 ご褒美を今か今かと待ち遠しそうな眼で見つめるアリアさん達を、愛実さん達は羨ましそうに眉を顰めていた。


挿絵(By みてみん)

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