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積木君は詰んでいる3  作者: とある農村の村人
3章 集う七人女神
14/55

☆13話 夕食と布団決め

※2024/6/16文末に木林森イヴのイラストを追加しました!

※イラストが苦手な方はスルーで!

 夕飯は大人数に適した豪勢な焼肉だ。

 くららさんの差し入れ食材で、高級肉やらデザートの高級アイスもあり、気分はまるでお高いお店の焼肉だ。


「さて、問題は誰がどこに座るかだな」


 アリアさんの発言で、七人女神と愛実さんの視線が、一気に突き刺さってきた。

 僕としては彼女の愛実さん一択だ。

 ただし状況が状況なだけあって、そう簡単にはいかない。


「なんや、誰もなんも言わんのなら、ウチは洋クンの隣がいいわ」

「勝手に話を進めないで下さい、 あびるさん。まずは皆で討論すべきです」

「後出しジャンケンとか、1番ダサいんよ。って事で、洋クン。隣座らせてや」

「おいおいおいおい! 5分交代で譲るんだろうな!?」

「それじゃあ、もう片側は梨紅が頂きまぁす♪」

「えぇー? ようくんにアーンしたかったのにぃ、みんなずるいよぉ」

「正面貰い。洋を見ながら焼肉、飯が進む」

「なら私は洋君の懐に座らせて頂くか」

「「「「「「ズルぃ!」」」」」」


 僕を巻き添えに言い合いする七人女神の、柔らかな揉みくちゃに意識を持ってかれそうになる。

 愛実さんも割って入ろうと、決死に動く声と手が見えてる。

 愛実さんに手を伸ばそうにも、必ず誰かしらの身体に触れてしまう以上、僕からは手出しができない。


「決まらないのなら、こうするしかないわね」


 姉さんと空に挟まる形で、座り場所は事なきを得た。

 とは言え、愛実さんと1番離れた場所になり、なんともやるせなかった。


「さぁ、どんどん焼いて食べましょう」

「「「「「「いただきます」」」」」」

「ふふ、息ぴったりね」


 ホットプレート2台で肉と野菜が焼かれ始め、匂い移り防止で軽装になる女性陣。

 梨紅さんに至っては、ど迫力の大人な水着姿で、視線を向けられない。


「まずは野菜からだ。サラダを盛ったから食べて欲しい」

「あ、ありがとうアリアさん」


「飲みもん何がいいんや? お茶? カルピソ?」

「お、お茶で」


「ベストな状態のお肉を確保したので、今すぐ食べて下さい」

「う、うん。ら、ライラさんもちゃんと食べてね」


「白飯がねぇじゃねぇか! 今モリモリによそってきてやるから待ってろ!」

「ふ、普通盛りぐらいでいいからね! イヴさん!」


「ようくん、このタレ美味しいからぁ、食べてみてぇ」

「どれどれ……あ、サッパリしてて、箸休めにいいかも」


「洋、あーん」

「え、越子さん? ちゃんと食べてる?」

「自分のは面倒臭いからいい。今は洋に食べさせたい、あーん」


「洋ちゃん♪ お腹いっぱいになったら、梨紅が添い寝してあげるね♪」

「だ、大丈夫だよ」


 常時七人女神のご奉仕を受け、愛実さんの付け入る隙もないまま、焼肉のシメになった。


「冷麺一択だな」

「ビビンバだろうが!」

「うどんやろ。肉焼いたとこで作るうどんはめちゃ美味い。これ常識や」

「うどんより焼そば派、目玉焼きもあれば尚良し」

「チャーハン作ろうよ ♪絶対に美味しいから♪」

「アイスだよぉ、甘味こそ食後の至高なんだよぉ」

「クッパしかあり得ません」

「皆、落ち着きなさい」


 積木家の焼肉シメに則り、ミニソフトクリームをペロッと完食。

 食後の運動も兼ねてか、総出で後片付けが始まり、あっという間に終わった。


「それじゃあ洋、皆と銭湯に行って来るわね」

「うん。あ、姉さん。ちゃんとアヒル軍曹持った?」

「えぇ。軍曹、洋に挨拶」

《ポケォー》


 オモチャのアヒル軍曹を鳴らし、ニマッと笑う姉さんを先導に、女性陣が銭湯へと行った。

 そして家風呂で男1人、束の間の安堵に浸り、疲れを癒した。


 ♢♢♢♢


 女性陣が銭湯に行って1時間強、血色のいい湯上がり姿で帰って来た。

 ラフな寝巻きの相乗効果もあってか、ふとした身近の魅力が増してた。


「皆、聞いて頂戴。今日の寝る場所についてだけど、お泊まり布団が2組しかないの」

「あぁーこんな大人数で泊まることないもんね」


 話題が話題なだけあってか、七人女神と愛実さんの視線が一気に突き刺さって来た。

 恐らく誰かしらと一緒のベッドで寝る前提で、話は進む筈だ。

 誰かが妙案を口走る前に、僕の口から案を言わせて貰った。


「じ、じゃあさ? 僕と姉さんと空とで、父さん達の寝室で寝ればいいんじゃない? そうすれば、僕らの部屋は空くでしょ?」


 各部屋のベッドに2人寝て貰えば、丁度布団が足りる計算だ。


「そうね。皆は、私達の部屋で寝て頂戴。シングルベッドで狭いけれども」

「分かりました。では、私は洋君の部屋で寝させて貰おう」

「アウトアウトアウトぉおおおお! 彼氏の部屋は彼女の特権でしょうが!」

「やだー♪ 愛実ちゃんったら、洋ちゃんの部屋でナニかするつもりだったの?」

「し、しないし?!」

「わかりやすい動揺だねぇ」

「コソコソせずに、堂々としてればいいのに、目論見がダサいわ」

「な、なにをぉおおお!?」

「では、この場で清廉潔白で過ごす事を、誓約書に書き留めましょうか」

「面倒臭い……全部洋が決めればいい……そしたら万事解決……」

「だな! って事で洋! オレらの中から選べ! ドキドキ!」


 期待の眼差しの中、僕が真っ先に選ぶのは勿論、彼女しかいない。


「1人目は愛実さんで。もう1人は公平にじゃんけんで」

「洋!」

「分かった。皆、恨みっ子無しの一発勝負だ。いくぞ」

「「「「「「「せーの! ジャンケンポン!」」」」」」


 あいこ無しでたった1人勝利をもぎ取ったのは、乙夜街道アリアさんその人だった。


挿絵(By みてみん)

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