五月五日の空を
(五月五日)
さらさらと
流れる小川の片隅に
咲く白い花をなんと云ったか
青空を
泳ぐ大きな鯉の口
飛行機雲を食べてるみたいだ
みあげてる
君の細くて白い咽喉
あの甘え声が嘘に想える
缶蹴りを
して遊んでた境内が
いまではこんなに狭いと感じる
新緑の
かおりの中に微かだが
唇の香が漂う白昼
そよ風に
かるく悪戯されている
五月五日の君の黒髪
十字路に
知らない白い花が咲き
そっとちいさな泣き声を聴く
光る鳥
翼を風にゆだねつつ
自由な心で鯉を追い越す