第二十二話
「殿、そろそろ高嶺の山頂付近でございます。
この付近から先は大内の一派が支配しておりますので十分注意が必要でございます。」
家臣の一人が籠から降りた経好に報告をしている。籠から顔を出している鶴姫がスマホで何か聞いている。
「しばらくここで休憩して装備を整えよ。」
「はっ。装備はお任せください。
徳山の湊で、宗也という知り合いの京の商人に会いましたので、武器の補給や装備を追加購入しました。
大蛇がまたやってくるかもしれませんので武器を強化しております。」
経好は鶴姫に声をかけている。
「何か聞こえるのか。」
「大内の声が聞こえます。近くにいるようです。
古文書には、
『赤龍の証、剣は高嶺の山頂にクラウソラスの祠に秘す。』と書いておりましたから高嶺の山頂の祠を見つける手がかりがあるかと思い、大内の声を聴いております。
いっしょに聴いてください。大内が何か言っています。」
『市川のバカ殿がこの辺りにあるらしいお宝を奪おうともうすぐやってくるはず。
赤竜の宝がある剣がある山頂付近の祠はどこにあるのだろうか。
この山頂あたりに今、城を築城し始めているがこの城が完成したら鉄壁の城になりそうだな。
完成したら高嶺城と名付けよう。』
大内が家来と言いたい放題しゃべっているようね。
大内も赤龍の剣がある祠を見つけられていないようだわ。
『大内様、この城に若い女性が訪ねてきました。何でも赤龍の勾玉の在り処を知っていると言っています。』
大内の家来が報告しているようだ。
『大内様、お久しぶりです。市川の殿様の屋敷でお目にかかりました。』
大蛇女なのか。人間の女に化けているようね。海に沈んだわけではなさそうね。
『赤竜の勾玉を持っているとか。』
『赤竜の勾玉の在り処を知っています。
大内様はあの屋敷であった市川の殿の婚約者と結婚したいのでございましょう。私の言う通りにすれば、それを叶えて差し上げられます。』
『勾玉を持っているのか。
それならば何でも言うとおりにする。』
『私のここに有ったのです。
この胸に。
手を入れて触ってくださいませ。
私もお返しに大内様のその屹立した物を舌で可愛がって差し上げます。
こんなに元気になられて。』
そのあとも、大内と人間に化けた大蛇女の淫蕩な唾液と粘膜の音と淫靡な嬌声が続いた。
『大内様、遠慮なく私の中に大内様の精を注入してくださいませ。
勾玉はここにいれば向こうからやってまいります。
それまでは何度も私の体を大内様の精で満たしてくださいませ。』
男の野獣のような声が何度もして、行為は終わった。
『疲れた。貴方に気力がすいとられてしまったようだ。
赤竜の剣がある高嶺山のクラウソラスの祠がどこかわからないのだ。』
『勾玉を水につけて冷やすと勾玉の裏に桂の印が小さく書いてありました。
桂は、シナモンという香料を出すクスノキ。高嶺山の頂上付にクスノキがありませんか。クスノキの近くに祠があればそこにクラウソラスの剣があるかもしれません。」
『クスノキならこの城の中に林がある。そこはクスノキの林なのだ。』
「それではもう一回楽しみましょう。そうであればそこのクスノキの林で待っていればいいのです。あの者たちは必ずここに来ます。』
再び大内と大蛇女の淫蕩な音が聞こえてきた。
「あの城の中に赤竜の紋が入ったクラウソラスという剣があるのか。」
経好は家臣と家来たちを呼んだ。