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第十三話 葛の葉

「鶴姫、古文書の文の通りだとすると、高嶺の山に向かって宝剣を手に入れるか、浮島に行って宝の勾玉を手に入れるかどちらに行くべきだろう。」

鶴姫は先ほど戻ってきた銀色の四角の物体を手に取ってあちらこちらを調べてみた。

スマホのような物体は表面がガラスのような物質で覆われている。

どこかに起動ボタンがあるのかも。スマホ見たいよね。

裏返ししてみると裏の下のほうに『葛の葉より』と書いた筆跡が残っていた。


葛の葉という言葉は聞いたことあるわ。

日本史の雑学で何か書いてあったような気がする。

鶴姫は必死で学生時代の記憶をたどっていった。

確か、葛の葉というのは陰陽師の安倍晴明の母の名前。または白狐の姿をした稲荷神社の神の使いだったような。

指でスマホのような物のあちらこちらを触っていると、表面が光り輝きだした。

葛の葉という筆跡のすぐ下に小さなボタンがあったようだ。

これが起動ボタンね。


スマホのような物の表面が光り輝き、画面一杯の大きさで、勾玉の絵とその中に赤龍と白狐のような絵が書いているアイコンが出てきた。


アイコンを押すと更に4つのボタンが現れた。

・風神雷神

・高機能集音装置

・レーザー電磁波

・タイムリープ


風神雷神のボタンだけが輝いていて、あとの三つのボタンは輝いていなかった。

鶴姫のツインテールの髪がなびいた後逆立ったようになり、勾玉の輝きとリンクしているようだった。


「これが巫女の聖なる力を呼ぶ武器なのか。

風神雷神を押せば、前に大内軍船を追いやったような嵐がやってくるのではないか。」

経好が鶴姫の持っているスマホのような物の画面を後ろから覗き込んで言った。

鶴姫は、経好が見やすいようにスマホのような物の画面を顔の近くに持って行った。

「これは、勾玉が輝いている。

最初は勾玉だな。皆の者、浮島を目指すぞ。」

経好は家来に、船を用意し、武装の装備するよう指示をした。

鶴姫も胴回りに武具を着けられた。

頭には防具用のティアラのような兜の代わりとなるものも装着している。

「浮島に詳しい者は居るか?」

経好は家臣・家来たちに問いかけた。

家臣の一人が経好の前に出て言った。

「申し上げます。ここから陸路で徳山まで移動して、徳山の湊で船に乗り、大島の周辺に浮島という島がございます。周辺は海賊が出没しており、無法地帯になっていると聞きます。海賊が出没するので島には海賊以外の者はほとんど住んでおりません。

浮島の南の方に、江の浦というところがあり、噂では赤い大蛇が洞窟の奥に住みついていて近づく者を食い殺すという話が伝わっております。」

「わかった。全員海賊に対抗する装備を用意して、いざ浮島へ。」


経好と馬に乗れない鶴姫は徳山の湊迄、経好の父が用意してくれた馬車に乗り、港に向った。

馬車の中は、経好と鶴姫の二人きりだ。

コトコトと舗装されていない道をゆっくりと湊に向けて進んでいく。

鶴姫は、葛の葉と書いたスマホのようなものをどう使えばいいか考えた。

これだけが私のチートのような気がするわ。

私が転生する前に、巫女姿で嵐を呼んで敵軍の軍船を追い散らしたと言っていたわよね。あれは、転生前の私も風神雷神を使えたのかもしれない。

海賊が相手でもこれがあれば私の大事な経好様をお守りできると思うわ。


横の経好様を見ると緊張しているようだった。

私が守って見せる。

馬車の中で、経好は武者震いをしていた。

「鶴姫、どうも落ち着かぬ。姫の背中の赤龍の証に触れたい。良いか。」

鶴姫は頷いた。

経好がそっと鶴姫のわきの下から左手を入れて、鎧の防具の中の背中に指を這わせていった。


背中の赤龍の痣を撫でまわされると、鶴姫は甘美や妖艶な昨夜のことを思い出し、体がびくっとなった。

「この背中の赤龍の証は私たちを守ってくれる。それから昨日気づいたのだが、

鶴姫の背中の赤龍の証を愛撫することで、鶴姫の体が益々妖艶になっていく姿を見ると私も元気になる。」

経好は左手で鶴姫の背中の赤龍の証を丁寧になぞりながら、唇と近づけてきた。

「口吸いがしたくなった。」

鶴姫は目を閉じて身を任せた。

経好の舌が鶴姫の口腔に入ってきて攻めてくる。左手は背中の赤龍を撫でまわしている。

鶴姫の上半身が痙攣した。

声は依然出ないが、鶴姫の心の声が愉悦の声を漏らしている。

こんなところでだめよ。もう全身が震えてくるわ。


経好の右手が鶴姫の胴回りの防具のひもを緩め、その右手の指が鶴姫の柔らかな胸元の双丘の蕾に近づいてくる。

すっかり固く尖った蕾の先がさらなる刺激を求めて、鶴姫の両腕も経好の背中を抱きしめる。

「鶴姫、その他は私の唯一無二の女だ。この上なく美しい。愛している。」

経好の左手が背中から更に下に移動してくる。

鶴姫は背中に回していた両手を戻し、経好の左手の侵入から、茂みの奥を必死で防御した。

防御したものの、左手の人差し指と中指の侵入を防ぎきれず、ヌルっという音とともに秘芯の先に触れられた。

声は出ないが鶴姫の喘ぎが激しくなってくる。

ここではさすがに駄目よ。お願いダメ。

鶴姫は絶頂で何回か全身を痙攣させて、その後体が前のめりにぐったりとなった。

「さすがにここで出すわけにはいかないか。

昨夜出したのに私の物はもうこんなに固く膨れ上がっているぞ。」

「殿様、もうすぐ徳山の湊でございます。」

家来の声がした。

急いで鶴姫は胴回りの防具の紐を閉めなおした。

葛の葉がきっと私たちを守ってくれる。

馬車から降りた鶴姫のツインテールの髪が双頭の生き物のようになびいていた。


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