桃太郎覚醒
※今回は少し暴力的発言が多くなっています。また、蟻やショウリョウバッタなどが好きな方は気分が悪くなる可能性がございます。気をつけてください。
〜家〜
「ばっちゃん!みてみて!えんがわにきて!」
「なんじゃ?」
桃太郎はあれからご飯を食べるごとに体が成長していた。
もう一週間経ったのだが、身長は180cmに達していた…は?
そう、1日に食べる食事は3食とし、一回のご飯で増える量を x とする。そして元々の身長を一歳の赤ちゃん平均である75cmとすると…
x × 3 × 7 + 75 = 180
21x= 180 - 75 = 105
x = 5
より、一回の食事で増える身長は5cm! QED
…は?
まあ、体は完全に大人になってしまったということか!なるほど!すごい!(?)
しかし、体は大人、頭脳は子供、その名も桃太郎みたいな感じで、完全に精神年齢は子供であった。
(いや〜、今度は何を見せてくれるのかのお)
おばあさんは完全に孫を見る視線だった。
(この間見せてくれたのは確かカマキリじゃったか。この辺りは虫がいっぱいおるでの。楽しみじゃ)
「はい、これ!」
「はいはい…うん?」
目の前にあったのは大きな鉢植え。そしてその中にうじゃうじゃいたのは…。
「あり…?」
「そう!ありだよ!すごいでしょ!つかまえてふやしたんだ!」
「あり…アリ!?これ…どこでふやしてたんじゃ?!」
「うん?えんがわだよ!」
えんがわだよ…えんがわだよ…エンガワダヨ…縁側だよ…(エコー)
蟻
ハチ目アリ上科アリ科(Formicidae)に属する昆虫の総称である。体長は1 - 30 mmほどの小型昆虫で、人家や畑の近くにも多く、身近な昆虫の一つに数えられる。原則として、産卵行動を行う少数の女王アリと、育児や食料の調達などを行う多数の働きアリ、餌を得るための狩りや巣の防衛を担う兵隊アリが大きな群れを作る社会性昆虫である。
by Wikipedia
そして、蟻は家の中を食い荒らすことでも有名である。
特に木製の家などは要注意
…おばあさんの家は木製であった。
「…っ!まさか!?」
おばあさんは必死の形相で倉庫へ走り、ハンマーやノコギリなどを取り出すと縁側へ走った。
「そんな、そんなはずはない!今までなんともなかったのじゃ!そんな、そんなはずが!」
そして、縁側の床板をすごい勢いで剥がし始めた、が、時既に遅し。
剥がした先にはアリがうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃ(詳細は自主規制)
「ぎゃあああああ!!!!!!!!!○虫剤!○虫剤はどこだ!?○す!ぶち○してやる!!滅!撲滅!抹○!滅亡!!!!!」
「ばっちゃん…!?大丈夫!?」
「駆逐してやるううう!!!!!!」
「それアウトおおお!!!!!!」
その時、おばあさんのまさに鬼のような形相を見た桃太郎は思った。そう、思ってしまったのだ。
あ、これやばい人だ。すぐに止めなきゃ…。鬼…鬼退治、しなきゃ!…と。
桃太郎 + 鬼退治 = 家崩壊
ということで、爆発オチです☆ see you obasan ☆
ドゴオッ
家は、崩壊した。
おばあさんが元々床板を外していたのだ。そりゃあそうなる。そこに鬼を桃太郎が倒そうとしたのだ。結果、家は崩壊。おばあさんは瀕死となったが、ギリギリのところで病院に運ばれ、一命をとりとめた。
また、この出来事は『村はずれのおばあさん、蟻を家の中で見つけ、鬼化!?桃太郎が退治し、大事にならず』といった内容の新聞紙で報道され、桃太郎は鬼退治者として一躍有名人になったのだった。
〜おじいさんside〜
「へぇ〜、なるほどな、やっと読み込めてきたのじゃ。しかし、本当に鬼がいたとはのお」
「そうさ!あと、鬼は私たちの他にも里にたくさんいるぞ!」
「せやせや!みんな優しいからなあ、きっとじいさんも受けいられるはずや!」
「でも、私たちの仲間になる、ということは人を襲う手伝いもしてもらうことになるが、それでもいいのか?」
「…そうじゃのお。それに関してはわしはもう鬼だということで割り切るしかないのお。ところで、なんで鬼は人を襲うのじゃ?みんな仲良くすればいいのじゃ」
「…みんながみんなじいさんのように考えられれば、ええんやけどなあ。うちらは人とは違って力が強いねん。それが君悪いんとちゃう?人は自分と違うものを滅しようとするからな。迫害されてしまってん。でもうちらの里は土地が痩せてるから、どうしても人を襲わなあかんねん」
「へぇ〜そういうものなんじゃね」
「そうそう」
「そういえば、なにをここで待っとるんじゃ?」
「…あ。忘れとった。仲間やねん。という話をしてたらちょうど来よったようやな」
ガサガサガサg「おまたせだべさ!!!!」
またなんかキャラ濃いやつ出てきたなあ…
「おら、遅れちまっただよお!」
「いつものことだな」
「せやな」
「観念してだあ!おら、途中で腹減っちまったもんで。途中で寄り道して食っとったら遅くなっでしまっただ。…ところでそいつは誰だべさ?」
「わしは桃太郎という、スイカと桃好きのただのじいさんじゃ」
「仲間になってくれるんやって!いいやつや!うちが保証したる!」
「ああ。そうだ」
「そっがそっが。二人が言うならそうなんだなあ。よろしくだ!おらはポコ助。よろしぐなあ」
「改めて。うちは楓!よろしくな!」
「うん。私はエリカ。よろしくな」
「よろしくお願いしますなのじゃ」
「今回はこの3人で一ヶ月後の村襲撃についての計画を練るために集まったのだ。これにじいさんも協力してもらう」
「わしもか!?」
「せやせや。うちらは大丈夫やけど、里には人に嫌悪感を持つ物もいる。せやから、じいさんに協力してもらうことで、あんたも鬼の一員となったことを証明するんや」
「でもわし、何もできないのじゃ。力も弱いし…」
「それは大丈夫だべさ。人から後天的に鬼になるのは難しくないがらなあ」
「そうなのか!?」
「せやせや」
「どうすればなれるんじゃ?」
「何かしらの特定なものに○意を抱けばなれるらしいよ?」
「ふむ…○意、か」
その時おじいさんの頭の中に蘇ったのは過去の記憶。
おじいさんは子供の頃、周りの友達と一緒に虫取りをしていた。
『おい、桃太郎!今日はショウリョウバッタを捕まえようぜ!』
『ショウリョウバッタ?』
『そうさ!いいか?腰あたりまである草の中で腕をガサガサと回すんだ。すると勝手にそいつが腕や指に噛み付いてくる。そうやって捕まえるのさ!』
『へえ〜、やってみようぜ!』
おじいさんはその時、友達に言われた通りのことをやった。
…今思えば、それが一番いけないことだったのだろう。やめとけばよかったのだ。
おじいさんは腕を引き上げると、指に虫が噛み付いていた。
二匹。
一匹がおじいさんの指に噛み付いて、もう一匹が、片方の頭に噛み付いて。
それはまるで共食いで。
おじいさんはめちゃくちゃ叫んで腕を振り回した。
すると、頭だけが残ってしまった。
正直、めちゃくちゃ気味が悪いし、怖い。
結果、トラウマとなった。
また、この事件がきっかけでおじいさんは周りの友達から「バッタに負ける弱いやつ」として馬鹿にされることとなった。
「ショウリョウバッタ…」
「どうしたんや?」
「ショウリョウバッタあああ!!!ぶっ○す!抹○!撲滅!消えてなくなれええええ!!!!!!!」
「「「…!」」」
「鬼に…なった、やと?!」
「ショウリョウバッタへの殺意、どんだけなんだよ…」
こうして、おじいさんは鬼になりましたとさ☆
どうも、やっとテスト終わりました。遅れてしまってすみません。
前回に引き続き、著作権的に危ない橋を渡っている気がする。
なぜ普通のバッタじゃなくてショウリョウバッタ限定かって?…察してください。