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おじいさんの運命

「桃太郎、ここがわしらの家じゃよ」

「ばぶ〜」

「じゃあ、とりあえずご飯でも食べるかのお。桃太郎や、そこで少し待っといてくれ」

おばあさんはご飯を作り始めた。

もうすでにおじいさんのことなど忘れてしまっているのだった。


〜おじいさんside〜

「ふうふうふう…あの二人、体力ありすぎじゃろ…」

しかし、おじいさんの目には”諦め”が少しのかけらも見えなかった。

ここまで急いで離れていくということは、何かしらの秘密がある。

だから、あそこで出会ったのも何かの縁。

二人が罪を犯そうとしているのならば、この相棒(スイカ)と一緒に止めなければならない。

そのように思っていたのだ。

「絶対に…悪の道から救い出してやるぞ!」

一つ断りを入れておくとするならば、一応あの二人が”悪の道”とやらに引きずり込まれているとは限らない。

しかし、なぜかおじいさんには確信があった。


「確か、ここで集合であっとるんよね?」

「ああ。あっているはずだ。にしてもあいつ、また遅れてんのかね?」

「多分な」


「…はぁ。なあ、じいさん。ついてきとるのはわかっとるんよ?」

「…!」

「やっぱりそうだよね。どういうつもりなの?話しかけた私にも悪いところがあるのかもしれないけど、年頃の女性を追っかけ回すとか、ストーカーだよ?」

「…すまない。そういうつもりはなかったのじゃ」

おじいさんは観念して二人の前に出てきた。


「やっぱり!あの赤ちゃんはどうしたん?!」

「置いてきた」

「はぁ!?何やってんの!?熊とかに襲われたらどうするつもりで…

「大丈夫だ」

おじいさんは顔をクッと上げて、二人の目を見ながら、強い口調ではっきりと言った。

「スイカを、残してきてある」

「…は?」

「だから、わしの相棒(スイカ)を!残してきたのじゃ!」

「…は?」

「安心してくれ。今持っているスイカは相棒3号じゃ」

「3号?1号は…」

「あいつは、いい奴じゃった」

そう言っておじいさんはそっと目頭に手をやってつぶやく。

「強敵と戦って…すでに…」

「…そうか。すまない、失礼だったな」

おじいさんは首を横に振った。

「大丈夫じゃ。奴の仇はわしがきちんと取った。奴が破れただけあって、手強い相手じゃった…。わしも危うくやられるところじゃった。命は無事じゃったが、後遺症(ふくつう)が残ってしまった…。しかし、悔いはない」


ほっと二人は息を吐き、安心している様子だった。

「最初はスイカと聞いて何を言っているのだろうかと思っていたが…。そうか、スイカさんか…。流石に人間だったか…」

「しかも、1号やら3号やら…きっと壮絶な人生を辿った人なのやろうね…」


そして、盛大な勘違いをしていた。


「さて、話を戻すとするか?んで、じいさんは何で追いかけてきたん?理由によっては…」


「実は…(あれ、ここで正直に二人が心配だからついてきたとか言ったらストーカーじゃ…)」


「実は?」


「わ、わしちょっとお主らの用事に興味があったんじゃ!おもしろそーだなとか、思ってたり、思ってなかったり…」


「…」

「…」


「は、ハハッ!なんちゃって〜…」


「…」

「…」


「ははは…(やばいやばい!どうしよ…どうすればいい!?スイカ!おい、こういう時のスイカじゃろ!スイカ…あ、スイカ!)そ、その!スイカ食べんか!?美味しいぞ!」


「「スイカ?」」


そうして、おじいさんはスイカを目の前に差し出して言った。

「わしが丹精込めて育てたスイカじゃ!美味しいぞ〜!」

「「食べる!」」


何を隠そう、二人はどうやらだいぶ食い意地が張っているようだ。

まるで私のようだが、流石の私でもスイカあるからついてきてって言われてもついていったりなんかし…し…しないに、決まっているじゃないか☆ ははっ!


「「美味しい!」」

「そうじゃろうそうじゃろう!そして、このままでも美味しいが…」

そうしておじいさんはおもむろにポケットからあるものを取り出した…!


「この、魔法の白い粉(しお)を振りかければ…」

「「ごくっ(唾を飲み込む音)」」


「なんと、さらに美味しくなるっ!」

「「…!おい…しいっ…!」」

「そうだろう!そうだろう!?」


「じいさん!」

そして、楓はキラキラとした目でおじいさんの方を見た。

「うちらの仲間にならへん?!じいさんなら喜んで雇うさかい!」

「そうだ!わたしたちの用事に興味があったのだろう!?」

「い、いいのか…?(っしゃあ!きた〜!生き残った!生き残ったぞ、スイカ!!!!!!!!!あ、たべちった…)


「わたしたちの仲間になる上で、一つ秘密がある」

「秘密?」

「そう…すぅはぁ…お前も、鬼にならないか?」

「…パクリ?」

「そういういらんこと言うなぁ!怒られてしまうやろ!」


「んで、鬼ってどういうことじゃ?」

「それは、実は、私たちは鬼なのだよ」

「へぇ…鬼なのか」

「そうや!驚かへんの?」

「うん…うん?鬼!?」

「…おそっ」


ま、そんなこんなでおじいさんは鬼の仲間となりました☆

この度は投稿が遅れてしまってすみません。テストが最近多いので、あともう少しでまたテストなので…まぁ、忙しいです。これからも暇な時の趣味程度で投稿するので、よろしくお願いします。

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