社長と部下と休憩室と
飲み会の予定が潰れたらしい片想い中の部下を誘い休憩室で立ち飲みを開始する。
「そうだ、折角ですし王様ゲームしませんか?」
そう言って割り箸を二本用意し卓上ペンで印をつける。
「良いけど社長と俺の二人でですか?」
ネクタイを緩めクツクツと笑う部下の色香をグッと堪え、箸の片方を隠し引いてもらう。
「「王様だーれだ!」」
「おや?私ですね!」
では失礼して……とするりと腕を部下の首に巻き耳元に唇を寄せると掠れた声で囁く。
「では王様からキスをしても?」
ひぇっと飛び上がる肩を引く手で撫でそのまま首から顎へと手を掛ける。
「ししししゃ社長!?」
真っ赤な顔に脈アリと見てゆっくりと近付く。
「悟と…呼んで下さい。」
そう言いながら互いの息が掛かりそうな距離まで近づくと部下の雰囲気が変わり後頭部に手を回され強く口付けられる。
「これで満足かよ悟さん。」
口元を隠しながらもギラついたその瞳にゾクリと身を震わせついコチラの瞳にも熱が入る。
「いや、もっともっと出来るでしょう?」
その夜、声にならない声が休憩室に響いた。