口裂け女だ!
口裂け女だ!
「わたし綺麗?」
と俺の10メートルほど前を歩いていた奴に聞いている。
ちょうどいい、曲がり角がすぐそこにあるからやり過ごそう
口裂け女の一連のやりとりは知っている。そしてまだ目もあっていない。
曲がり角を曲がってすぐに大きな道路に出る。タクシーがきた。
所持金4000円、十分だ。
タクシーに乗る。家まで迂回しよう。
家まで1キロ、バスに乗り換えた。
そして家を通り過ぎる。
人の多いレンタルビデオショップによる。もし追跡されてたらごまかすためだ。
悪霊や妖怪はこうして「気を分散させる」ことで追いかけられるのを防ぐことができると、死んだおばあちゃんに聞いていた。
案の定、奴はおってこない、もう一度バスに乗る。
さっきの通りの近くを通りかかる、いた
別なやつに話しかけている…よし、成功だ、話しかけられたやつのことはこの際、知らないことにする。
家に着いた、風呂に入る、酒を飲む、今日も無事に過ぎ去った。
今日も穏やかな良い日だった。