第七話 最初の仲間はロリっ子
第七話です。ロリっ子が仲間に加わります。
宜しければ評価など宜しくお願い致します。
「……と、言う経路で私は紅雨神さまから『想像した料理を創造する能力』を貰いました」
シルルは弥生に三年前のことを話した。
そう、つまり前回の話はシルルの回想だったのだ。
「はへぇー、シルルの作ってくれたカレーがめっちゃヤバかったのはそういう」
「え? ヤバかったんですか? 美味しくなかったのですか? あとカレェです!」
「ああいやいや、そんな訳ないでしょ? すっごく美味しかったのよ!」
弥生の言い方が悪く、シルルが有らぬ誤解を受けてしまうがちゃんと訂正出来た様だ。
現代日本と文化の異なるこの世界で「めっちゃ」とか「マジ」とかはもう言わない方が良いだろう。また誤解を招くことになるだろうから。
「あ、そうだシルル! ちょっと料理出してみてよ!」
「良いですよ! お姉様の頼みとあれば当然です! 行きますよぉ!」
ポンッ!!
シルルが精神を集中すると、シルルの手の中に一口サイズのビスケットが現れた。
「おお! ビスケット! 美味しそー」
「ちょっとお姉様のお部屋へ行きませんか?」
「ん? いいけど」
シルルは突然弥生の泊まっている部屋へ行くと言い出した。何か企んでいるようだが弥生は全く疑う様子がない。弥生はシルルのことを本当の妹のように信用しきっているのだ。勿論逆も。
〜弥生の部屋〜
「私の部屋に来て一体何するの? 別に面白いものなんて」
「お姉様、ちょっとベッドの上に仰向けになってください!」
「……ん? 良いけど」
シルルの言動は明らかにおかしい。この娘絶対何か企んでいるに違いない!
だが相変わらず弥生はシルルのことを信用しきっている。ましてやシルルになら、何をされても別に良い、寧ろ嬉しい♡とすら思っている。
「シルルー! 寝たよお?こっからどうするのー?」
「そのままです。そこで少し待っていてください。ふふ、スグ、イキマスカラ」
サクッ!!
シルルは怪しい口調で話しながら、さっき自分で作ったクッキーを食べた。
「……弥生姉ちゃん!」
「え?」
バッ!
「好きっ! 大好きっ!」
「ええええ!!」
弥生の思考は追いついていない。何が起こったかと言うと、クッキーを食べたシルルの性格が変わり、仰向けで無防備な状態の弥生に抱きついているのだ。
「ちょ、し、シルル? どうしちゃったの?」
「ん? どうもしてないよぉ? 弥生お姉ちゃん、可愛い……」
「待って! シルルちゃん! シルルちゃん! どうしたの?? 絶対おかしいよ! シルルちゃうっ! ……んんッ!」
弥生が色々突っ込んでいるとシルルに口を塞がれた。唇で……これでもう突っ込めない、どうする弥生!
「んんんん♡!」
だが弥生は心なしか喜んでいるようだ。
「んっ♡! はぁ♡はぁ♡、愛してるよぉ? 弥生お姉ちゃん……」
「ちょっとちょっと待っ! この娘! こんな力強かったけ?」
「はぁ♡はぁ♡弥生お姉ちゃんっ! 好きっ! 愛してるっ!」
「んぁああああああああ♡♡♡!!!」
弥生はこの後更にやばい目にあうのであった。
後からシルルは自分の能力について詳しく説明した。シルルの得た能力は『想像した料理を創造する』だ。使い方によっては、食べたら色々効果のある料理を作ることも可能なのだ。シルルがさっき食べたクッキーには「性格変更」「身体強化」などの効果が含まれていたのだ。弥生が力で負けたのもそのせいだ。
〜数日後〜
「お姉様! 私も一緒にクエストに行っても良いですか?」
「いいけど、この宿は大丈夫なの?」
「大丈夫です! この変態さんたちがタダで労働してくれます」
シルルが指を指した先に居たのは変態常連客たちだ!
「イエエエエエエエエ!!!」
「シルルちゃんの頼みとあっちゃあ例え火の中水の中!」
彼らは身も心も変態なのだ……可哀想に(笑)
「……本当に大丈夫かなぁ……」
「大丈夫です! お客様方は、いや、こいつらは私の言うことは何でも聞いてくれますから! ついでにお姉様でも彼らを好きにできますよ?」
「いらないわよこんなの……」
「ふぉおおおおおおお!!!!」
弥生が変態をこんなの扱いしたら寧ろ喜んでしまった。
駄目だこいつら早く何とかしないと!
「じゃあ行こっか! シルル」
「はい!」
「「「「「いってらっしゃあーい!!」」」」」
こうして弥生とシルルは、沢山の変態に見送られながら冒険者ギルドへ向かうのだった。
〜冒険者ギルド〜
「な! あの娘は!」
「街一番のロリ美少女シルルちゃんじゃねえか!!」
「なんで此処に!」
「見ろ! 一緒にいるのはあの怖い弥生ちゃんだ! でも俺ドMなんだぁ。ぐふ、ぐふふふふふーーー」
冒険者ギルドへ入ると当然他の冒険者たちがいる。しかし残念なことに、彼らもまた変態なのだ……そして、シルルがギルドへ来ることなどまずないので彼らはもう大興奮! そして、弥生もドM共の中では人気が高い。「この二人の組み合わせとか最強じゃねえか!」変態共は皆そんなことを思っている。
「全く。シルルは人気者ね。さっきも道端で変態共が鼻血を垂らしながらシルルのこと見てたし」
「そんな! お姉様だってかなり人気者ですよ! さっきだって道端ですれ違う人全員鼻血垂らしながらはぁ♡はぁ♡言ってました!」
要するに、あれだ……この街の人間全員変態なのかもしれないのだ。全員じゃあないにせよ、変態で溢れかえっていることに間違いはないだろう……
「!! きゃっ!」
「ぐふふふふ! 油断大敵だぜぇ? ロリっ娘! ぐふふふふふふ」
シルルが弥生と楽しく会話していると、後ろから冒険者の一人が抱きついてきて、無い胸(笑)をゲスい顔で揉んでいる。
「やぁ! やめてっ!」
「はぁはぁ! そんな萌える顔と声で言われちゃあ余計やめたくなくなっちまうぜ?」
シルルの嫌がり方は本当に可愛くて、まるで常人をロリコンに変える力を持っているようだ。
「おい……私の妹(自称)から離れろ。今すぐにひゃっ!」
弥生は相当頭にきていた。自分の女を目の前で遅いやがったのだから。
しかしそんな怖い顔で変態に言っていたが、油断していたので弥生も後ろからもう二人の変態に捕まれてしまう。何故二人かと言うと、変態共の中では弥生は凶暴と言う認識らしいので、一人だと殺されてしまうとでも思ったのかもしれない。
だが二人でも三人でも殺されるであろう。
「弥生ちゃん! 人の心配してる場合じゃあなかったねぇ? ぐffffffff」
「おお! こいつ! でかい! 揉み心地サイコー! イェええええええい!!!」
「離しなさい!! 離せ! この変態っ!」
「ぶふぉおおおおお!!!」
「サイコー! だがこれで終わらん!」
弥生の「変態っ!」で変態共は大興奮だ! もうやべぇ、流石に引くぞこいつら!
『離しなさいっつってるでしょ!!!!』
バッ!!
ゴッ!!
弥生は身体強化で変態の腕を引き離し、更に殴りつけた!
「ぐは!」
「気持ちいいいいいい!!!」
「あんたたちは殺すだけじゃ済まさない! スライムにでもなれ!」
弥生は願いを叶える能力を使い、変態二人は汚い色のスライムにした。
「#%^**^^)*__++!?」
「くぁwせdrftgyふじこlp;「‘」\」
変態は、二度と喋ることが出来なくなった(笑)
そして、なにか喋っているが誰にもその言葉は伝わらない。永遠に、ね?
「ふう! 一件落着!」
『いやああああああ! んっ♡! あっ♡ ぃや、もうやめて!』
弥生は完全に忘れていた。
「シルル!! シルルも襲われてたの忘れてた! そもそも、シルル連れてきてたの忘れてた!!」
「うーれほれほれほれほれぇーーぐふぁふぁふぁっふぁふぅーふっふふふふふふふ」
「あっ♡ あっ♡」
「おい……変態!」
「ひっ! あれ? 同胞は? どうほぉおおおおおおおおおお!!!」
弥生は殺気に満ちた顔と声で、シルルを襲っている変態を脅す。
変態はいとも簡単に弥生に恐怖し、ガクガクと震えながらいつの間にか弥生を襲っていた筈の二人の同胞の名を叫ぶ。尚、変態自身、同胞の本名は知らないので「どうほぉおおおおおおおおおお!!!」と叫ぶしかなかった。彼らのやっていることは性犯罪だ。名が知られれば色々と面倒なので変態同士強力する際は名を名乗らないようにしているのだ。
「お前の仲間なら、スライムにした」
「は?」
弥生の言葉を、ただ女の子を只管犯すことしか能のない変態が理解出来る筈もない。
「次はお前の番だ!」
「ま、待て! 話を!」
弥生の顔は更に怖くなり、変態は首から上に血が全く届いていないのではないか? と思う程青ざめる。
『死ね!』
全ての生命には「魂」が宿っている。肉体が死んでも魂だけは不滅なのだ。普通はな。しかし弥生の能力では魂すら殺せてしまう。
今回弥生は、この変態の魂そのものを消し去ってしまったのだ。もう変態があの世へ、天国にも地獄にも行くことはない。どの次元からも存在を抹消してしまった。なんとも、残酷なことだ。「弥生ちゃん鬼畜すぎ!」皆はそう思ったのだった……
to be continued...
最後まで読んで頂きありがとうございます!
第八話も宜しくお願い致します。