第七十二話 長かった回想も、遂に終わりを迎える
今回はあえて真夜中ではない時間に投稿してみる。
翌日、昨日の話の続きが行われた。
「それで、ルウェーナ。結局丸一日ヤっちまった訳だけど肝心の地球の面積は分かったのか?」
少し疲れた顔でルウェーナに問う。
「うん。地球の面積は510,100,000km²キロだって」
「なんと。この星と同じで御座いますね」
「は?」
今のおっさんの言葉は明らかに可笑しかった。
「可笑しくね? おっさん! この国の領土は十億平方キロメートルなんだろ!? どういうことだ? 他の星にも領土を持っているのか? いやでもよく考えたらこの星の面積が十億以上だったら重力も強いと思うし……現に体感では地球と同じ重力に感じるけどしかし女神の加護で軽く感じているだけと言う可能性も……」
脳をフル回転させるが答えは分からない。
「物理的に回転させてみるか」
そう言って、頭を物理的に回転させてみるも、やはり答えは分からない。
「そんなに難しく考える必要はありません。魔法で空間を引き伸ばしているだけに過ぎませんよ」
「おっさん。この国の魔法使いってそんな強いのか?」
「はい。ですが魔王やセンゴク様には敵いませんよ」
この国の魔法使いがそこそこ強いことを知り、センゴクはそんな人達に本当に英雄扱いされていても良いのかと不安になった。
「それで、結局貴族呼ぶのどうすれば良いんだ? おっさん」
話をパーティーのことに戻す。
「そうですね。折角やるのにショボい感じになっても勿体無いですし、三年後くらいにしたら如何です?」
「出来るのか?」
「はい。実は私、他の公爵よりも上の立場なので権力でゴリ押しすれば大抵のことは出来てしまうんですよ」
一体おっさん公爵は何者なのだろうか……
そんなことを考えつつも、もう三年間はこの異世界にいる理由もないのでルウェーナの魔法で日本へ帰ることにした。
「お世話になりました」
「それじゃあな! おっさん!」
「センゴク様、ルウェーナ様。お元気で」
おっさんに最後の挨拶をし、センゴクはルウェーナと共に日本へ帰っていった。
因みに国民達にはセンゴクが日本へ帰ることを知らない。
知らせてしまえば騒ぎになることが目に見えているからだ。
日本の、具体的にはセンゴクの自宅へ転移したのだが、どう言う訳か、目の前でシルルが仁王立ちをしてセンゴクを待ち構えていた。
「うおわああああ!!」
「え? シルル様何してるんですか!」
当然、センゴクとルウェーナは驚く。
「おかえり。早速で悪いんだけど、学校へ行きますよ?」
「何故です? 久し振りの家なんだからもうちょっと休ませてくれよ」
しかしシルルは割と真剣な眼差しを向けてくる。
「何か重要なことがあるのかもしれないね」
ルウェーナがシルルの眼差しに気付く。
「あっ! 明治に会わねえと! このままじゃアイツ自分を責めて……」
ようやく大正と喧嘩したことを思い出す。
「あれから何日経った? つか俺行方不明扱いなんじゃねえの?」
「デーア先輩の話聞いていなかったんですか? こっちの世界の時間は止めておくと」
そう言えばそんなことを言われた様な気がしたが、重要なことを思い出してしまう。
「待てよ? 俺明治のこと殺したよな?
そして俺は明治が生きてるかの様なことをさっき口走った……」
「私もそう記憶してる。と言うかお兄ちゃんのと同一の記憶だけど」
「ああ。記憶操作されていますね」
そう。本当は戦国が大正を殺めてしまったのだが、戦国には逆の記憶にすり替えられていたのだが大正が生きているという確信が何故かある。
「なんだと! 一体誰が……」
「ディアボリが死際に悪戯したのかな?」
二人はディアボリが怪しいと考えた。
元神らしいからその程度できても可笑しくはない。
「ん〜。多分デーア先輩が気を使ってくれたんだと思いますよ?」
「どう言うことだ?」
気を使って記憶をすり替えられるとか意味が分からない。迷惑だ。
「大正くんと貴方の記憶の辻褄を合わなくすることにより仲良くさせるのが目的かと……」
「なるほどな……だが殺した記憶でなく他の記憶を植え付けて欲しかったな……」
そうして戦国の通っていた中学校へとシルルの力で瞬間移動をした。
「じゃあまずは私が大正くんに逢って来ます。その間戦国君はもっと英雄っぽい格好に着替えて下さいね?」
「分かった」
そう言ってシルルは大正の眠っている保健室へと向かいながらピンク色のハートの形をしたグミを食べた。するとシルルの姿が少し成長した。控え目に言ってもかなりエロい。さっきのグミに服を大きくする様な機能は備わっていない為ピチピチだ。特に胸元が……
シルルが優しいので戦国もついタメ口で返事をしてしまう。
そうして保健室に入室した。
そして数分後、大正の目が覚めた。
「あら……目が覚めたのね大正くん」
見た目を大人の姿に変えたので口調も大人っぽくしてみる。
「ふぁっ! だっ誰!?」
目の前に見知らぬエロい女が居れば当然驚く。
「ああそうだ。あ、あのあの、お姉さん。俺は何でここに?」
「(中学生の大正くん……可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い)」
心の声が漏れてしまったり手が出てしまわない様気を付けている。
「ああ!! 平成! エロいお姉さん! 平成は!!」
「ふふ」
真剣過ぎる大正に、思わず笑みが溢れてしまう。
そうして場面は変わり、廊下で待機している戦国は、ルウェーナの魔法で英雄っぽい鎧を創ってもらい、それを着ていた。
「どうかな?」
「凄い似合ってるよ! 格好良い」
戦国の鎧姿にルウェーナはメロメロだ。
「よし。じゃあ剣になってくれ」
そして数分後。
「行くぞルウェーナ!」
『うん!』
令和剣がテレパシーで返事をする。
「……そうか、これは夢だ! そうに違いない」
保健室の中からそう聞こえて来た。
今が入るチャンスだと思い、保健室に入室し、「夢じゃないんだ明治」と言う。
「ふぁっ!」
そう驚きながら大正が恐る恐る戦国の方を向く。
「フォワァアアアアアアアアアアアアアア!! ななななな!! おまっその恰好……ま、マジ……かよ……」
思わず奇声を上げる。鎧を全身に纏った男が居たのだから無理も無い。
「さあて明治。今度は俺が君を殺してあげるから覚悟してくれよ?」
そう言いながら掌にルウェーナの光魔法で魔法陣を作り、空間魔法で魔法陣の中から令和剣を出す。
勿論この魔法陣にはなんの効果もない。ただの演出、飾りである。
「ヤバイヤバイタバイ! あの装備だけならまだギリギリコスプレでしたてへ☆ で済むがそこに魔方陣が現れてそこからなんかヤバイ剣が出てきたんだ……俺が戦国を殺しちまったこともエロいお姉さんも全部……現実……だ……」
大正が本当に今起こっていることが現実であると理解し、動揺している。
戦国はそこにつけ込んだ。
「ルウェーナ。やってくれ」
「うん! と言うか私のことヤバイ剣って失礼しちゃうね!」
そうして、大正から戦国と喧嘩した記憶。殺した記憶が消去された。
そして翌日から戦国と大正は仲の良い友人となったのであった。
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「そうしてルウェーナは日本では平成令和と名乗る様にし、表向きは俺の双子の妹と言うことにした。令和の戸籍とか両親への説明とかは魔法で誤魔化してある。記憶を操作したりとかでな」
長かった回想が終わった。
「俺と平成が仲良くなった裏にこんな壮絶な物語があったなんて……」
「じゃあそのパーティーって今年やるのよね?」
弥生が如何にもパーティーに参加したそうな顔で質問する。
「ああ。みんなも招待するよ。令和の魔法でこの世界と俺の行った世界の行き来は簡単だからな。シルル様も来るかな?」
「そう。そこが分からないのよ」
「俺もだ」
弥生と大正が戦国の発したシルルという名に対してそう言う。
「ん? 分からない?」
シルルと弥生達の関係を知らない戦国は弥生の言うことの意味が分からない。
「シルルちゃんは俺達がディープレッドワールドって言う異世界に行ってた時の仲間だったんだ」
大正が答える。
そして弥生や飛鳥達も難しい表情をしている。
当初はこれ程までに理解不能な奇妙なことが発生すると思っていなかったからだ。
「シ、シルル様にちゃん付け? 神様だぞ? おい」
戦国も戦国で理解不能であった。
「弥生さん。能力でこのシルルちゃんの謎解明出来ないか? 思えば、この間泊まったホテルでも料理がシルルちゃんの創ったももっぽかったんだよな……マジで謎すぎるぜシルルちゃん!」
これまで黙っていた飛鳥も「ミステリーガールだね」と言ってみる。
「ダメだわ。シルルのこととなると能力が発動しない」
弥生がシルルの秘密を知りたいと願ったが、何故かその願いは叶わなかった。
「弥生の能力は神には効かないじゃない? シルルが平成君の話通り無限神とやらになったのなら能力が発動しないのも当然よ」
そう言いながらヱミリアが近づいて来る。
「そうね。多分ヱミリアの言う通りシルルが神になったのが原因だと思う」
弥生もヱミリアと同じ意見だった。
そして。
「戻ったよ〜」
笑顔でそう言いながら令和が教室に戻って来る。
「お前ルラァアアアアアアアアア!! そろそろ授業始めっぞおおおおお!」
言うまでもなく奇声を発したのは安土だ。
安土を怒らすと怖いので皆その一言で大人しく席に着く。
「じゃあこの話は一旦お預けだな」
戦国のその一言で弥生達も席に着く。
なんか何処か誤字とかあった気がするけど気のせいかな? きっと気のせいだな!
良ければ評価等宜しくお願いします。




