第五十九話 完全完璧に無残な遺体で見つかり、火葬もした筈のクラスメイトが人間を止めて転校してきた!
第五十九話目です。
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遂に弥生達が学校へ転校します。
本当は編入と言うことになりますが、編入だと、なんていうか夢がないというか、転校生と表記する方が親しみやすいと言うのもあり、弥生とヱミリアは転校生と言うことになっています。
それから数十分後。
「おはよーーーッ!!! お前ルらァァ!!」
狂ったかのようなハイテンションで、担任の桃山安土先生が教室に入ってきた。
「おお! せんせー今日元気だねっ!」
躊躇なく先生にタメ口を使ったこの生徒は、大正達の友人である平成戦国の双子の妹、平成令和である。
「ははっ! 安土先生大正達が居なくなってからゾンビみてぇになってたもんなぁ!!」
令和に続いて言葉を発したのはその兄、戦国であった。
しかし戦国も令和も楽しそうに言ってはいるものの、
二人共、生前、詰まり人間だった頃の弥生とはそれなりに仲が良く、昔から美人で成績も良かった弥生は二人の憧れでもあったのだ。
飛鳥と大正が無事生きて帰ってきてくれたことは素直に嬉しい。しかし、やはり弥生だけボロボロの遺体で発見され、既に彼女が亡くなってしまっているという事実が余計に認められないでいた。
「……縄文さん……」
戦国は寂しそうにそう呟いた。
「ハァーイ! ハイハイハイハイハァアアアイイイイイイイイ!!」
いきなり安土が奇声を上げた。
しかし、大正と飛鳥も含め、生徒達は今更驚きはしない。
桃山安土は元々こういう頭のネジの外れた教師なのだ。
こんな狂気じみている教師が何故他の学校へ飛ばされないのか、それには細かい事情があるのだが、それはまたいつか。
「今日はHLの前に転校生を紹介シュルぞぉっ!!」
これから再び、死んだ筈の弥生が自分の生徒になるのだと思うと興奮が抑えきれなくなり、頭可笑しんじゃねと誰もが思う程狂いながらそう言った。
「さぁあああ!! 入ルェエエエエ!!」
安土がそう叫ぶと同時に教室の扉がゆっくりと開く。
「ドキドキ。女の子かなぁ……ぐえへへへ」
「ワクワク。イケメンだったらいいなぁげぇええへえへへへHEHEHEHE♡」
クラスメイト達も転校生の容姿に期待し、中でも、男女ともに変態達は流石に引く程気持ち悪い声で笑いながらその転校生が教室に入ってくるのを待つ。
ゆっくりと転校生が教室に足を踏み入れる。まるでここの空間だけ時の流れがゆっくりになっている様にさえ感じた。
それもその筈。なんと入ってきた転校生は二人もおり、しかも相当な美少女であった。それだけでクラスの男子達は大興奮! 先程気持ち悪い声で笑っていた変態と一部の女子に至っては鼻血をギャグマンガの如く噴き出して気絶してしまっていた。
「初めまして、外国から来ました。ヤァーヨイィー・ジョモォーンと申します。良い? 縄文弥生とは無関係だからね? 弥生は死んだのよ?」
今自己紹介をしたのは勿論弥生だ。弥生なら能力で簡単に別人になりすますことも可能なのだが、面倒で素顔のまま教室に入ってきてしまったのだ。
「……お、おい……あれって!!」
「そ、そんなまさかァ!!」
「な、何言ってんの……縄文さんは、死んだ……でしょ?」
「で、でも声同じ……」
「ば、馬鹿! 似たような声の人なんて世界中に腐る程居るって!!」
「うおわぁああああああじょーもんさぁああああん!!」
「お、おい見ろ! よく見ると耳がとんがってるぞ!」
「ホントだ! この前お前に貸してもらった小説に出てきたエルフって奴か? コスプレ好きなんだなぁ……校則的にコスプレは駄目だと思うけどなぁ……」
「お? 隣の人は角生えてるぞ? 魔族のコスプレかなぁ?」
弥生が自己紹介をしただけで教室中は大騒ぎになってしまった。
しかしまあ、死んだ筈のクラスメイトが転校生としてやってきて騒ぐなと言う方が無理な話だ。
「……弥生、能力で顔とか変えてる訳じゃないし、流石に無理あると思うわよ?」
隣に居たもう一人の転校生、ヱミリアが呆れながらそう言った。
「って! 言ったアアアア!! 隣の人今弥生って言ったよなぁ!! 皆聞いてたよなあ!!」
ヱミリアがハッキリ弥生と言ってしまったせいで更に教室が騒がしくなり、遂に気になって周りの教室の教師や生徒達がこの大正達の教室を覗きに来てしまうまでに。
「あーあ。どうするんだよこれ。俺しーらね」
「ほんとにどうするのこれ……」
この騒ぎに大正と飛鳥は完全に呆れていた。
『ゴルゥウウァアアアアアアア!!!! テメェら黙りやがれぇええええ!! こいつらの自己紹介まだ終わってねぇぞぉおおおおお!!』
遂に安土がキレた。それはもうキチガイかと思う程の怒り様であった。
そして廊下から覗いていた他のクラスの教師や生徒全員が安土の怒りに恐怖し、足がガクガク震え動けなくなっている。
「おい! テメェらもさっさと自分達の教室戻りやがれ。ったく教師が何やってんだ」
今度は呆れながら廊下から覗いている教師や生徒達に教室に戻るよう言った。
「す、すみませんすみませんすみません」
「殺さないで殺さないで」
「許して許して」
先程のキレた安土がトラウマになったのか、教師も生徒も皆安土恐怖症となってしまい、情けない台詞しか吐けなくなってしまっていた。
「あー。ええと、先生。あの人達先生のこと怖くて動けない様なので私が送ってきます」
「あ、ああ。助かる。すまないな平成の妹の方……」
「いえいえ」
このままではマズいと思い、平成の妹の方の令和が廊下で動けなくなっている教師や生徒達を各教室へ送っていった。
「……」
それから数秒間沈黙が続いた。
因みに令和はまだ教室に戻ってきていない。
「……あ、そうだ。弥生さんの隣の……」
このままではずっとこのままでマズいと思った戦国は、妹も積極的に、動けなくなってしまった教師や生徒達を助けてたんだから、兄である俺も何かしなければと思い、ヱミリアに話しかけてみた。
「あ、私?」
「そ、そうです。お名前伺っても?」
「だから私は外国から来たヤァーヨイィー・ジョモォーンだって言ってるじゃない! 弥生じゃないわよ! や、弥生って誰よ?」
弥生を無視してヱミリアが話し始める。
「ごめんなさい、まだ名乗っていなかったわね。私の名前はヱミリア・エクタシィ。ヱミリィで良いわ。最近は誰もそう呼んでくれないけれど……」
「「「「「「「おおおおおおおおおおおお!!」」」」」」」
ヱミリアが自己紹介をしたと同時にクラスで歓声が上がった。
その歓声は廊下まで聞こえ、周りのクラスの教師や生徒達は気になりつつも、安土が怖いので行けない。
「ええ、詳しい事情は話せないけど、私も弥生も凄い遠くから来たわ。一応、外国ってことになるわね」
流石に異世界から来ました等とは言えないので適当に誤魔化した。
生徒達はヱミリアが何か誤魔化したんじゃないかと怪しんでいるが、生徒達も馬鹿ではない。ちゃんと話せない事情があるのだと察せられる。
しかし一人だけ、事情があることは察せられるがヱミリアと弥生が何処から来たのか気付いてしまった者が居た。
「なあ、エミリィさん。で良いか?」
「ええ」
戦国がヱミリアのことを仇名で呼ぶと、ヱミリアはずっと名前でしか呼ばれていなかったので物凄い嬉しそうに返事をした。
「エミリィさんと縄文さん。それから大正と古墳さんもだ。お前らは、異世界から来た。違うか?」
「「「「なっ!」」」」
最後まで読んで頂きありがとうございます!
※今回カリミアが出てこないのは忘れている訳ではありません。今後ちゃんと出てきます。
次回、戦国が何者なのかが明らかに……なる『予定』です。
もしかしたらストーリー的に明らかにならない可能性もあるかもしれませんが……
良ければ次回、六十話目も宜しくお願い致します!




