第五話 隕石落下させたり目からビーム出したりする
第五話です。蜘蛛みたいな魔物を倒すのに隕石を落下させるとかこの主人公何考えてるんだろう。その主人公を考えたのは自分なんだけど。人前でこんなセリフ言っても沈黙するだけか……
もし宜しければ評価など宜しくお願致します。
クエストを受けた弥生は、またこの前と同じようにスライムを見つけ次第片っ端から乾燥させている。
「喰らえ! 『乾燥砲』!!!」
ゾゴヴォオオン!!!
いちいち熱で乾燥させるのも面倒に感じた弥生は、対象を問答無用で乾燥させる魔法を開発してしまう。
これによりスライムの乾燥化が劇的に向上する。いや、向上してしまうと言うべきかもしれない。
だが弥生の目的はスライムの乾燥などではない。
「あ、ふふ、見つけたわ」
弥生の受けたクエストは、「大量発生した蜘蛛みたいな魔物を取り敢えず殺して」というものだ。そして、その蜘蛛を発見した。
「っくっく! 死になさい!!!」
ボァーゴオオオイン!!!
現れた蜘蛛十匹に対し、弥生は爆発魔法で直径百メートルのクレーターを作ってしまう。
蜘蛛十匹にはオーバーキルすぎる。
「あー、やりすぎちゃったかな☆」
弥生はやりすぎてしまったという自覚があるものの、全く反省していない。可愛く言っても許されることと許されないことと言うのがある。
「ふう、数に指定とかはないけど取り敢えずこの蜘蛛全部殺して☆って言うクエストだったわよね。あーあっちにもこっちにも、ごろごろいる……」
気付けば弥生は全方位蜘蛛みたいな魔物に囲まれていた。
「うーん、めんどーだなあ、そうだ! 折角沢山固まってるんだから一気に隕石でも落として木っ端微塵にしよう! 壊れた地形や目撃者の記憶は願いを叶える能力でどうとでもなるしね!」
弥生は右腕を天に掲げ、「来たれ!隕石!!」と叫びながら右腕を振り下ろす。
ビカッ!!
ギュォオオオオオオオオオオオ!!!
空が異常な程光り輝き、その直後直径1km程の隕石が落ち、蜘蛛の様な魔物はゴミの様に散り散りになり、眼に見えない程にまで砕かれた。
当然被害はそれだけでは済まない。ここから離れた土地にも衝撃が届くので各地で急に窓ガラスが一斉に割れると言う謎現象が発生したりもした。
だが弥生は被害を最小限にすべく、事前に衝撃を和らげる結界を張っていたのだ。その結界がなければ家が倒壊したりする程の被害になっていたかもしれない。
~宿・ラヴホ~
「え! なに……今の光……」
バリィイイイン!!!
「きゃあ! ガラスが割れ……なんで?」
宿・ラヴホでも当然被害は出ている。急に窓ガラスが割れたのでシルルも当然驚く。
~魔王城~
「なに!! 眩しッ!」
「光りましたね」
「なんなのよ! うちにあんな眩しいもの必要ないわよ!」
魔王城では飛鳥、カリミア、ヱミリアが隕石により発生した光に驚いたり文句言ったりしている。
バリィイイイイン!!!!!
「え? なんで?」
「不思議ですねえ……こんなことあるんですねえ」
「私の城が……このガラス高級なんだからね!!! 許さないわあの変な光ィ!!!」
窓ガラスが割れたことに対して、飛鳥は普通に驚き、カリミアは異常な程落ち着き、ヱミリアは自分の城が傷つけられたことにひたすら起こり続ける。
~弥生のサイド~
「……もうちょっと結界強めればよかったかな……まあいいや取り合えず破壊しちゃったもの全部元に戻れ! 但し魔族の国のものは除外する」
弥生は願いを叶える能力で壊れた窓ガラスなどを元に戻した。魔族の国のもの以外……魔族の国の破損物は永遠に壊れたままだ、ヱミリアは今も怒り続ける。いつか犯人をぶっ殺すそうだ。
「さて……もうあの蜘蛛みたいな魔物はいないからこれでクエストクリアってことでいいのかな?」
弥生は自己判断でクエスト完了したことにして街へ戻って行く。
~街~
「あ! 弥生さんだ」
「可愛いけどやってることは怖いんだよなあ……」
「何人か冒険者殺してるっていうしね……」
「あと変態ジジイの眼をカッサカサに乾かしたりしたそうだぞ……」
「ああ俺Mだからよお、興奮してきた、たってきた……ぐふふふふふふふふふふ」
弥生は既に有名人だ。それもそのはず、ギルドでは何人か殺してるしジジイをドライアイにしたのだって、男創造してヤったのもシルルとヤったのも事実なのだから。
「はあ、まあ全部事実だからいいんだけど……」
「弥生ちゃあああん!!」
「誰よあなた」
弥生に話しかけてきたのは只の市民の男だ、年齢はね二十歳くらい。
「さっきの光! あれ弥生ちゃんがやったんだろ? 俺には分かるんだ! 君のことならなんでも分かる!!」
「成程、記憶消した方が良さそうね」
「俺と結婚してくれ!!!」
「死になさい!!!」
バゴオオオオオオオン!!!!
男は行き成り求婚してきた。どうやらただの馬鹿で変態の様だ。弥生は呆れて男をぶん殴った、建物を貫通し、百メートル程吹っ飛んだ、当然かなり手加減しているが、これでも普通は死ぬので弥生は男が死んだ瞬間に生き返らせた、ついでにぶっ壊れた家も元道理に。
弥生はそのまま何事もなかったかのように冒険者ギルドへ入っていった。
「クエスト終わったよー」
弥生はいつの間にかタメ口で受け付けのお姉さんと話すようになっていた。
「あ、お疲れ様です。蜘蛛みたいな魔物の部位はありますか?」
「木っ端微塵にしたのでありません!」
ギルドでは討伐を証明できるものがないとクエストクリアとみなされない、だが弥生は隕石で全部消し炭にしてしまったのでそんなもの持っているハズはない 。
「じゃあクリアにはなりませんねぇ……」
「いいことを教えてあげるわ、さっき光ったり窓ガラスが割れたりしたでしょ?」
「そうですね。ですが何故街の外に出ていた筈のあなたがそのことを?」
「犯人が私だからよ」
弥生は仕方ないので隕石を落としたのは自分だと告げた。しかしその言葉はギルドに居た冒険者にも聞こえてしまう。
「てめえが町中の窓ガラス破壊した犯人だったのか!!」
「許さねえ! 俺の家族、ガラスの破片踏んで怪我したんだぞ!!」
「へえ、それで、私に何をしろと?」
「てめえ!」
冒険者たちは殺気むき出しになり、弥生に襲い掛かる。敵の数は三十人程だ。そのうち二十人がDランク以下、五人がC、三人がB、AとS一人ずついる。
「縄文弥生いいいいい!!! ふはははははは! 流石の貴様でもことだけの人数に勝てるかな?」
Sランクの調子に乗った冒険者がリーダーになって弥生を挑発する。
「……勝てるわよ、あなたたちみたいな雑魚!眼だけでね! 『眼カラ極太光線』!!!」
ギュオオオオオオオオオ!!!!!!
「「「「「ぐわあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」」」」」
弥生は両目から極太レーザーを放ち、冒険者全員を殺した。建物も全壊したが、殺した相手も建物もすぐに元に戻した、記憶はそのままで(笑)
「ひ、ひええええええ!!!」
「り、リーダーーーー!!!」
「覚えてろおおおお!!!!」
「わああああああああああ!!!」
弥生に歯向かった冒険者は全員逃げていった、その後、彼らが冒険者ギルドへ姿を見せることは、二度となかった……
「ああ、それで、私が隕石を落としたことは分かったでしょ?」
「はい……あなたは本当に蜘蛛みたいな魔物を倒してんですね」
弥生は手を広げ、受付のお姉さんに差し出す。
「報酬……頂戴?」
「……はい……」
~宿・ラヴホ~
「お姉様凄いです! 流石です!」
宿に戻るとシルルが抱き着いてきた。どうやら異常な光と窓ガラスが割れた現象は弥生の仕業だと直ぐに分かったらしい。怖いくらいの勘だ。
「よくわかったねシルル」
「はい! お姉様のことならなんでも!!」
「そう……(可愛い)」
「そろそろ……教えてくれませんか?」
「何を?」
「お姉様の正体です」
流石に男になったり隕石落としたりした弥生は普通じゃないとシルルは確信し、弥生の正体を探ることにした。
「私の正体? 私は……只の人げじゃなかったエルフよ、只のエルフ!」
「違います! 只のエルフは性転換したり隕石落としたりできません!」
「……はあ、本当のことを言うわ……神から力を貰っただけの元人間のエルフと言ったところかしら……」
「神……紅雨神さま……のことですか?」
「そう、だけどこの世界の住人は皆紅雨神様のこと知ってるの?」
「……私も、なんです」
「なにが?」
「私も紅雨神さまから能力を貰ったんですっ!」
to be continued...
最後まで呼んで頂きありがとうございます!
第六話も宜しくお願い致します。