第五十八話 謎の男。紅雨神幻想紅蓮
第五十八話目です!
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時は静止している。
故に女の子を襲い放題? いいや違うね。何故ならば、今この止まった時の中で動ける者は五人も居る。
既に大正は先程ヱミリアの胸を揉みまくってしまってい訳だが、これ以上はマズイ。流石にここから先は事故だという言い訳も通用しなくなってしまう。
「く、名残惜しいが、今は緊急時。しかも弥生さんや、古墳さん、そして何よりも、怖い怖いカリミアさんが見ているのだ。もう一度ヱミリアの胸を揉みまくってしまったら確実に皆に殺されてしまうだろう。更にカリミアにはオーバーキルされ、分子レベルまで分解されてしまいそうだ」
もう一度ヱミリアの胸を揉みたいと思う大正であったが、気持ち悪い顔で名残惜しいと呟きながら大正はヱミリアの再度揉みまくることを断念した。
「いつか必ず!」
そして最後に意味深なことを言って……
「それで、本題に戻るけど、この試験内容についてよ」
そう言いながら弥生は机の上にあった理科のテスト用紙を勢いよく掴み上げ、一ミリも理解出来なかった宇宙の問題を指差す。
「ああ、異常だよな。俺たちがこの学校に通っていた数ヶ月前まではこんな異常な問題が授業で出ていたなんてこともないし、俺たちの知らないところでこういう異常な問題が出ていたことがあったとしても噂になっていた筈だ。ところがそう言った噂なんて聞いたことがない。詰まりこう言った異常な問題が出てくる様になったのは俺たちが異世界に行っていた間で割と最近だと言うことだだな」
大正は自信満々にそう言った。
「詰まり、何者かがこの学校に影響を及ぼしている……ということかしら?」
「ヱミリア様の言った通りでしょう。恐らく、ですが、魔術か特殊能力の使える者の仕業と考えて良いと私は思います。ただの一般人がこんな難易度の高すぎる理科の問題を編入試験に出させる等無理でしょうからね」
ヱミリアとカリミアが意見を言った直後――
『その通り。この混沌学園を少しだけ変えてやったのは俺であり、この止まった時の中で喋ったり等している時点でこの俺がただの人間ではないことは察せられるだろう』
何処からともなく高校生くらいの男の声が聞こえてきた。
姿は見当たらない。しかし声は聞こえてきたのだ。何処かに潜んでいるらしい。
「だ、誰だ! 何処に居る! 出てこい! 何故止まった時の中で動くことが出来るのだ!! 何者だァ!」
焦った大正は思わず頭の中にあった疑問全てを質問してしまう。
「まあそう焦るな明治大正。俺の名は【紅雨神 幻想紅蓮】お前と縄文弥生ともう一人がディープレッドワールドへ行っている間に転校してきたんだ。まあ明日以降、嫌でも平日は毎日会うことになるんだ。宜しく」
紅雨神幻想紅蓮と名乗った男は楽しそうであると同時に、少し不気味な口調で大正自己紹介をした。
「紅雨神!? あいつの、ディープレッドワールドの神の名じゃない……」
「ちょっともう一人って何! 弥生と大正くんの名前は覚えてるのに私は名前覚えられてないの!?」
「落ち着きなさい。こんな怪しい奴に名前を知られてる方が異常だわ。寧ろ名前を覚えられていない貴女は安全と言えるわね。恐らく貴女は眼中にないのよ。弥生と大正くんを警戒してるってことよ。きっと。多分」
三人が色々突っ込みまくっていたが、気付いたら幻想紅蓮の声は一切聞こえなくなっていた。
どうやらもう弥生達に用はないらしい。
「……逃げられた……く、あの紅雨神と言う異世界の神と同じ苗字を持つ男。絶対に何者なのか暴いてやるわ!」
弥生は握り拳を作り、そう宣言した。
そして迎えた翌日。五人は無事試験に合格。異常な問題は弥生の能力でズルをしたが。いや、そもそも死んでしまった弥生と元々異世界から来たヱミリアとカリミアはともかくとし、ただ異世界に召喚され行方不明だっただけの大正と飛鳥はずっと欠席していただけなので、編入試験なんて受ける意味はなかったのだ。
だが受けてしまったものは仕方ないし、結局合格したのだ。取り合えず大正と飛鳥は普通に今まで通り登校。元々この混沌学園の生徒であった弥生だが、今ここに居る縄文弥生は、死んで転生した者だ。まあ結局縄文弥生な訳だが、世間では死んだこととなっており、しっかりと爆死した無残な遺体も見つかっており、弥生のクラスメイト達も葬式に来てくれていたのだ。そんなクラスメイト達の前に、普通に「久し振り~。あ、私転生して生き返ったんだ~。皆前世の私の葬式来てくれたんだって~? ありがとう。でも折角なら火葬にも来てくれれば良かったのに~☆」と言えるはずもない。よって。取り合えず弥生は別人となってヱミリアとカリミアと一緒に編入生と言うことになる。
因みに今更だが、この高校の名は「私立混沌高等学園」だ。
「やあ皆久し振り! 元気だったか~」
「ひ、久し振り~。元気だった~?」
大正と飛鳥が作り笑顔で教室に入ってくる。数か月振りの登校だ。しかも無断欠席の理由が異世界に召喚されていたからである。流石に普通に笑顔で教室に入って行くことは出来なかったが、真顔で入ってくるのもアレなので、取り合えず笑顔を作ることにしたのだ。
「え! 明治と古墳さんが来た!?」
「うぉっマジ?」
「もぉ心配したんだよ! 飛鳥!」
「警察にも捜索は入ってたけど結局見つかんなかったけど今まで何してたんだ? ま、まさか最近のラノベとかでよくあるテンプレの……」
「おい明治何処行ってたんだよぉおおおおお!!」
二人が教室に入ると、クラスメイト達が一斉に駆け寄ってくる。
中には涙を流す者も少なくなかった。
二人は元々容姿も良いし、クラスの中でも割と人気の高かった方なのだ。
「……これで、桃山先生も元気に。く、二人が帰ってきた。これは奇跡だ! ならもっと奇跡が起こって、実は縄文さんも生きてたことが今分かったり……」
一人のクラスメイトがそんなことを口にした。
途端に笑顔だったクラスメイト達の空気は一気に重くなる。直ぐにそのクラスメイトは失言だと気付く。
「おい平成。縄文さんは、縄文さんはもう!!」
「やめろ平安! それ以上言うなァ!!」
「ご、ごめん皆……こんなこと口走った俺が悪いんだ……」
クラスメイト。平成戦国の失言により、クラス全体が悲しい空気に包まれる。
しかし大正と飛鳥は複雑な気持ちであった。何故なら縄文弥生が生きていて、今までずっと一緒だったからである。
「今日俺達が帰ってきただろ? でもな? それだけじゃあないんだ! 編入生が来るんだぜ? このクラスに! 絶対楽しい奴だから! な? だから元気だしてくれよ?」
大正はそう言って皆を励ました。
弥生だってクラスでは人気だったのだから絶対楽しい奴だと、絶対と保証することが出来る。
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