第五十話 隣の部屋からイケナイ声が……
遂に第五十話目です。
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「早くノックしてください」
ゲス顔でカリミアが言う。
「嫌ですよ面倒臭い……」
少女は面倒くさがりそのままカリミアに近づいて行く。
「私は弥生ちゃんをあなたに渡しに来ただけですので! あなたの下らない遊びに付き合ってあげる義理なんてこれっぽちもありませんわ」
少女は少々怒り気味でなんと気絶している弥生をカリミアに投げつけた。
「な、弥生!!」
当然カリミアは弥生をキャッチする。
反射神経も働いて割と簡単にキャッチ出来た。
しかしキャッチ出来たから良いというものではない。
「何故、こんなことを……弥生をここまで連れてきてくださったことに関しては礼を言いましょう。ですが! 別に弥生を投げる必要はないでしょう!」
この得体のしれない少女は、気絶しているカリミアの妹を投げつけてきたのだ。
怒りは頂点に達した。
「……お怒りのご様子ですわね……では、単刀直入にお聞き致しますが、あなたの望みは?」
カリミアの怒りを静める方法として、少女は一つ望みを叶えてやろうと考えた。
少女は遠回しに穏便に和解出来る方法をカリミアに提案してきたのだ。
ここで喧嘩を始めてしまえば弥生と飛鳥が暴れたこの街を更に破壊しつくしてしまうことになってしまう。
カリミア自身、それは望まなかった。穏便に解決出来るのならそっちの方が余程良い。
と言う訳でカリミアは少女の提案に乗った。
「私の望みは――」
その瞬間、部屋全体が神妙な空気に包まれた。
「あなたの名は?」
「私の名は!――」
――んぁ♡
「「――!!」」
少女が自分の名前を答えようとしたその時だった。
隣の部屋からイケナイ声が漏れて来たのだ。
「ここって……ラブホだったの? いや、でもあなたたち以外は全員避難している筈……どういうこと?」
少女が戸惑いながらカリミアに問う。
口調も大分砕けて可愛い。
「……と、隣に居るのは……ヱミリア様と、明治大正……あ! アイツまさかヱミリア様を!! いや、しかしヱミリア様はあの変態様に対してツンデレでおられた。詰まりヱミリア様にとって望んだ状況……
「では私はこれで」
カリミアが隣の部屋でヱミリアと大正がヤっているという事実を知り困惑していると、隙を見て少女が退出していった。
「……と、取り合えずあなたの名前を教えて頂きます! この件に関しては後で変態さまを問い詰めれば良いですからね」
しかし既に少女の姿はなかった。
あったのは開きっぱなしのドアと、その奥で壊れたドアに当たって気絶している哀れな飛鳥の姿だけだ。
――に――!!
――ニゲヤガッテェエエエエエ!!
隙を見て逃げ出されたのが悔しかったらしく、敬語を保てなくなり、珍しく荒々しい言葉遣いをしてしまう。
~~~~~~~~~~~~~~
翌日、目を覚ました弥生は願いを叶える能力を使い、弥生たち五人の記憶を除き、昨日、街が滅んだという事実をなかったことにした。
詰まり分かりやすく言うと、破壊された街は元に戻り、一般人たちの記憶からも昨日の出来事を消し去ったと言う訳だ。
しかし弥生の能力は万能ではない。これまでも神や能力を無効化する能力者には弥生の能力が通用しなかった故、昨日の街を破壊したという事実をなかったことにしても、なかったことになったと言う事実を知る者が存在する可能性がゼロではない。
よって、弥生たちは朝食も食べずに一刻も早くこのホテルを立ち去ろうと考えた。
思いもよらぬ敵が来るかもしれない。
「皆良い? 一刻も早くこのホテルを去るから! 大丈夫、空腹なら私の能力で胃を食料で満たしてあげれるから!」
「健康に害がありそうだから普通に食べ物を作ってくれ! いや、いっそこのホテルで普通に朝食食べてしまわないか? 弥生さんの言い分も分かるが折角高級なとこに来たのに勿体ねえだろ?」
弥生が一刻も早くこのホテルを去ることを必死に提案するが、大正は折角だから朝食食べて行きたいと呑気なことを抜かしている。
「……う~ん、まあ確かに弥生の言い分も大正の言い分も分かるわね……」
ヱミリアはどちらの意見も納得が行く故、寧ろどちらが良いのか判断に困る。
「でも弥生の言う通り今後とんでもない敵が現れるとしたら、寧ろ美味しいご飯を食べておいた方が良いんじゃない?」
「私は飛鳥の意見が最も良いかと」
飛鳥の意見は最も説得力のある内容であった。
カリミアも賛成した。
「……そうね。飛鳥の言う通りかもしれないわ。朝食を食べてからこのホテルを去ることにしましょう。でも気を付けてね? 私の能力を無効化する存在なら何が起こっても可笑しくない。あらゆる可能性を考慮し警戒を怠らないように!」
「なんか朝食美味しく食べれなさそうだな……」
弥生の注意に大正が反論する。
だが大正の言い分も最もだ。常に警戒なんてしていたら折角の高級ホテルでの朝食が美味しく食べられない。
「大正くん! それが出来ないなら残念ながら朝食抜きでここを立ち去るわよ?」
「ひ、酷くねえ!?」
弥生は厳しいことを言うが、実際いつ何者かに狙われるか分からない以上、命がけの朝食と言っても過言ではないのかもしれない……
to be continued...
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