第四十七話 高級ホテルで襲われた
第四十七話目です。今回もぶっ飛んだ内容となっています。
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意識が朦朧としている。
記憶も曖昧だ。
そう思いながら大正はゆっくりと瞼を開いていく。
「……あー……ええと、ここはどこだ? 何があったんだっけ? 思い出せない……」
見慣れない天井に困惑する。
ここは先程のホテルの一室なのだが大正は気付いていない。なりより、気絶する前からホテルの部屋なんて見ていないのだから当然だろう。
「ん? なんだ、この、柔らかい感触は……俺は何を枕にしているのだ?」
意識がハッキリとしてきたことにより気付いたことがある。
自分は床で寝ている筈なのにも関わらず、何故か心地良い。
単純に床が柔らかいのだろうか? 高級ホテル故有り得なくはないかもしれないが、大正の感覚的には首が浮いている気がするのだ。何かを枕にしているのは間違いないだろう。
「……ま、まさか、な……」
何かに気付いた様な口振りで恐る恐る自分の顔を反対側に動かしてみる。
――スゥースゥー
そこにはスゥースゥーと寝息を立てながら眠っているヱミリアの姿があった。
「……やっぱりな……ヱミリアに膝枕されてる。あー。段々何があったのか思い出してきたぞ! つうかこの展開、俺は一体いつからラブコメやギャルゲーの主人公になったんだよ。どっちかというと、俺一応勇者な訳だし異世界系の主人公だよな!」
そうは言ってもお前は主人公ではない。
メタいことを言ってしまうが主人公は弥生だ。
「……ちょっとトイレへ……ん?」
大正はそう呟きながらヱミリアの膝から頭を起こそうとした。しかし少々困ったことになってしまった様だ。
「どうなってるんだ! 歩くどころか立ち上がることすら出来んぞ!!」
どういう訳か、大正の膝から下が床と一緒に氷漬けにされていたのだ。
恐らくこの凍結能力は嘗て凍結魔王・シデリアンの能力だったのを無理矢理鎌倉に与えられたものだろう。
しかし意図が不明だ。ヱミリアは何故大正を拘束したのだろう?
「あ~。起きたんだぁ~。逃げちゃだめ♡」
行き成り目が覚めたヱミリアだったが、体が火照っているし、何より物凄い性欲に飢えている。間違いなく正気ではないだろう。
「ちょっ! 何を!」
下半身の身動きが取れなくなった大正にヱミリアが馬乗りになる。
「……なにって? 言わなくてもわかるでしょ~?」
エロい顔でそう言いながらヱミリアは大正に顔を近付ける。
恐らく無理矢理ヤるつもりだろう。大正を氷で拘束したのはその為だ。
「や、め、ろぉ!!」
必死に迫って来るヱミリアの顔を手で抑えつけるが、勇者と言えど所詮は人間。力で魔族に敵いはしない。
「はぁ♡ 大人しく、しなさい♡ 魔王である私に惚れられるなんて光栄なことなのよ?」
「駄目だ! 確かにキミは可愛いし惚れられることは光栄なことだ! だがな? 俺には弥生さんが居る! 二股になっちまうだろ!! それだけは駄目だ!!」
――!!
大正は思ったことをそのまま言っただけのつもりだった。
しかし今回大正は自分が鈍感だと言うことを思い知ることとなる。
「か、可愛いだなんて……あわわわわわ」
想い人から可愛いと言われただけなのだが、純粋で可愛いツンデレなヱミリアはそれだけで動揺してしまう。
「ヱ、ヱミ……」
異常に動揺しているヱミリアを心配して声を掛けようとしたその時。
「大正ぉおおおお!!」
「うあっ!」
ヱミリアに名前を叫びながら抱き付かれた。
だがこれで終わりではない。
「好き好き好き好き好き♡」
顔を赤らめ、大正の胸に顔を埋めながらそう叫ぶのであった。
「(あー。ナニコレ。滅茶苦茶可愛い)」
魔王が欲望のまま抱き付き、顔を埋めながら叫んでいるのだ。
人間なら普通に痛い筈なのだが大正は寧ろニヤニヤしている。嬉しそうだ。恐らくマゾなのだろう。
「(弥生さんより可愛いかもしれない……)」
大正は基本善人なのだが、今回の様に美少女に襲われでもしたらマゾになったり屑になったりしてしまうことがある。
そして正気に戻った後、屑になっていた事実は大正にとって最悪な記憶となる。
「何故あんな糞みたいな思考になっちまったんだ!」
などと永延と自分を只管攻め続ける。
「(駄目だ! 屑になっちゃあ誰も幸せになれない! また、あの時みたいに……)それだけは! 絶対に駄目だ……」
大正はもう自分がマゾや屑にならない様強く心に決めた。
「大正。キス……してもいい?」
ここで拒否しなければきっとまた大正は屑になってしまう。
だから今はもうキス以上のことはしてはならない。
「ああ、良いぞ。それで、お前が幸せになれるのなら……」
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その後はヱミリアに思うがままに色々された。
何故ヱミリアに襲われることを受け入れたのかは分からない。
大正は自分自身が理解出来なかった。
だがきっと、もう大丈夫だと心の何処かで確信していたのだろう。
もう二度と興奮してマゾや屑にはならない。もう二度と、あの時の様な失敗はしない。
「ありがとう。ヱミリア……キミのお陰で俺の黒歴史が一つ浄化された……本当に、ありがとう……」
大正は自分の直ぐ隣に裸で眠っているヱミリアにそう、礼を言った……
to be continued...
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