第四十四話 ヱミリア、変態おっさんを殺害する
第四十四話目です。少々グロイかもしれません。
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「「「く、こいつ力強ッ! なにもんだよ!」」」
ヱミリアの身体を触りまくっている変態三人はヱミリアの怪力に驚くものの、ヱミリアを犯すことを諦めはしない。
一方顔をベロベロと嘗め回している屑おっさんのことは以後、ゴブリンと表記する。
ゴブリンはハァハァと気持ち悪い呼吸をしながら遂にヱミリアの口の中へ舌を侵入させてきた。文字に表せない程気持ちの悪い音がする。
――!!
『魔刀!!』
ヱミリアの身体をベタベタ触りまくっていた三人の変態共が真っ二つに切り裂かれ、ザシュゥーと大量の血を噴き出した。
周りの変態共は皆唖然としている。大して弥生たちは、内心では「ざまぁ」とにやにやしているものの、本当のところは「ああ、やっちまったか」と少々まずいと感じていた。日本に来て早々人を殺してしまってはこの先、警察に追われたりなどと、色々と面倒なことになってしまうからだ。
「な、なな……」
ヱミリアの顔ををベロベロと嘗め回していたゴブリンは青ざめ、冷や汗をかき、ただ只管恐怖する。声すら出ない。そもそも何を言えばいいのかすら分からないのだ。パニックになってしまっている。
「私は、あえてこの魔刀であなただけ殺さなかったの。何故だか分かる?」
「……わ、わかりましぇん」
ゴブリンは恐怖で上手く口が回らない。
ボトッと何か重みのあるものが地面へ落下する音が聞こえた。
何だろうと思い、周りの変態共はその落ちたものを確認しに見に来た。ヱミリアに斬られないよう出来るだけ遠くから。
「……な、なぁ! そ、そそ、それ、は……お前の、手じゃ。手、手じゃねえのかぁ!!」
一人の男がその落ちたものの正体に気付く。
ヱミリアは気付かない程のスピードで自分の顔をベロベロと嘗め回してきた変態ゴブリンの右手首を切り落としたのだ。そして、恐怖で感覚が鈍くなっているゴブリンには右手首が斬られた感覚が無く、斬られた手が地面に落ちる音すら聞こえなかった。
しかし一人の男が手がどうとか叫んでいるのをゴブリンは微かに聞こえた。明らかに自分に向けて叫んでいるように見える。
ゴブリンは恐る恐る自分の足元を見てみる。
「……これは、ナンダロウ」
意識が朦朧としているゴブリンには直ぐに自分の足元に落ちているものの正体に気付くことが出来なかった。
だがゴブリンは右手の感覚が無いことに気が付く。左手の感覚はあるのに何故だろう? そして、右手首から赤い液体が噴き出している。
「この赤いの、ナンダッケ?」
ゴブリンは想像以上に重傷であった。恐怖で軽い記憶喪失にすらなっており、血というものが何なのか分からなくなっている。
しかし記憶は数秒後には戻り、直ぐに自分に何が起こっているのか理解した。
「……うわあああああああああああ!!!!!」
今起こったことを全て理解したゴブリンには叫ぶことしか出来なかった。叫んだところでどうにかなると言う訳でも無いと思いがちだが、思い切り叫ぶとスッキリすることもある。
「て、てて、手がァ!! 俺の、手がァ!!」
多少は頭がスッキリしたようだがゴブリンの置かれている状況は変わりはしない。
「……よくも、私をベロベロと嘗め回りてくれたわね! ギリギリまで耐えたけれど口の中まで嘗められちゃ流石に……いいわよね? もう、流石にいいわよね? あなたを殺してしまっても!」
「う、うわぁあああ!」
ゴブリンはやっと理解した。あえて自分だけ殺さなかったのは恐怖を与えた上でじっくりと殺す為なんだと。
「ご、ごべんなざ――」
『死になさい!!』
ヱミリアは殺意に満ちた表情でゴブリンの身体を魔刀で右半身と左半身に斬り分けた。斬った際にはスパァンと物凄いスッキリとした音がした。当然血がブシャァアーと噴き出しまくるのだが、斬れた断面は非常に綺麗であった。恐ろしい程の切れ味である。
因みに弥生の魔剣は更に数百倍切れ味が良い。
「「「「「ひ、ひええええ」」」」
「「「「ヴワァアアアアアアア!!」」」」
「「「「ギャアアアアアアアアア!!」」」」
「「「「くぁwせdrftgyふじこlp」」」」
変態共はヱミリアの足元に溜まっている大量の血を見て悲鳴を上げている。
しかし大正を襲っている女共はそれでも大正を襲うことを諦めなかった。
「どうせ死ぬならせめてあなたを逆レイプしてから死ぬわ!」
「ちょっとぉ! 私が先だって!」
「私よ!!」
「「「私私私私私私私私私私私私私私私」」」
女共は死を覚悟の上で大正を逆レイプするつもりの様だ。
現場にいる誰しもがクレイジーだと思うのであった。
「(こいつらはもう駄目だ!)仕方ない! 『出でよ我が聖剣!!』」
実は大正は聖剣を自分の手の中に瞬間移動させ、取り寄せることが出来るのだ。例え聖剣と自分が別々の世界に居ようと。
大正は裸の状態で聖剣で自分を襲っていた三人の女共を斬った。だが血は出ない。大正の能力は何でも切り裂くというものだ。大正は聖剣で女三人の意識を斬り裂き気絶させたのだ。故に出血等物理的外傷は何一つ無いのだ。
「改心しろよ? 二度とこんなことするんじゃねえ」
大正は本気で怒りながら気絶している女共に注意する。
こんなことをされたのにも関わらず、わざわざ注意してやったのだ。随分とお人好しである。
「わざわざお前らに注意したのは俺がお人好しだからだ。だが勘違いすんじゃねーぞ? お前らをわざわざ注意してやったのはもう俺の様に襲われる人が現れない様に。未来の被害者となるかもしれない者たちの為だ」
大正は若干ツンデレでもある。本当はこの自分を襲ってきた三人の女性たちを純粋に改心させたいという気持ちもあったのだ。
周りの変態共は全員恐怖で居なくなった。弥生たちは急いでこの場から離れそうとする。
「皆! さっさとこの場から離れよう。弥生さん、また瞬間移動頼む!」
「ええ、そうね。ここにいる人たち全員の記憶を消そうかとも思ったけど余計面倒なことになりそうだから、取り合えず飛鳥。全員分の下着と服を創造して?」
「わ、分かった!」
理由は定かではないが、今は全員服も下着も身に着けていない。完全に全裸だ。このまま別なところへ瞬間移動したところで、人に会ってしまえば同じことの繰り返しだ。
その為飛鳥のあらゆる物を創造する能力を使い、全員分の服と下着を創ってもらうことにしたのだ。
『創造! パンツとブラジャーと服!』
飛鳥は頼まれた通り全員分の下着と服を一人一人に着た状態で創造した。ただ、そのまま日本語で「創造! パンツとブラジャーと服!」と言うのはあまり格好良くないと思った飛鳥はラテン語に訳し、呪文の様に想像する物を唱えた。
唱えたと同時に、白い光が五人の身体を覆う。
「「「「おおおおおお!!」」」」
飛鳥を除く四人は自分たちの身体を包む白い光に歓声を上げる。
そしてその白い光は、徐々に下着と服という実態へと化してゆく。
「こ、これは……私たちが通っていた高校の制服? でも方とかお腹が露出してる……」
「これが弥生と飛鳥が着ていた服なの?」
飛鳥が創った服は、弥生たちが数か月前まで通っていた高校の制服であった。その高校の制服は男子も女子もブレザーだ。しかし今回飛鳥が創造した制服は方と腹部が露出したエロいデザインとなっていた。
「な! これは、エ、エロくないでしょうか? 変態様が興奮してしまいます、いや、もしかするとずっと裸だったのでこの程度ではもう何も感じないのかもしれませんね」
「ちょと待てぇええええ!! 何で俺に女子の制服着せんだよ! しかもなんでこんな露出多いんだよ! 興奮すんじゃねえか!」
カリミアがエロい制服を見て大正が興奮するんじゃないかと予想したところ、大正は本当に興奮していた様だ。
久しぶりに見た制服がこんな過激だとは、しかしどういう訳か大正も弥生たちと同じ女子の制服を着せられていた。勿論スカートを履いている。
「ご、ごめんね! 焦って全員同じ服と下着にしちゃった……」
「……待って、俺今もしかしてパンティーとブラジャー着けてんの?」
「……うん。だからごめん」
飛鳥は赤面しながら申し訳なさそうに謝る。
大正は勿論許すが物凄い焦っている。女子の制服を着ているだけならただ女装しているだけで済むものの、女性用の下着まで着けているとなると話は別だ。事情があるにしろ、ただの変態である。しかも弥生たちと同じ下着なのだ。ますます変態だと思われてしまう。
弥生とヱミリアはちゃんと大正は変態じゃないと理解してくれているが、カリミアはますます大正が変態だと思い込み、大正のあだ名を「変態様」から「超絶ドスケベ様」にグレードアップさせてしまった。
その後、飛鳥は大正に男性用下着と弥生と同じ高校の男子の制服を創ってあげた。
そしてその制服だが、女子の制服同様何故か改造されており、ブレザーのボタンは二つなのだが、一番下(二つ目)のボタンから下が異常に長い。大体冬に着るロングコートくらいだろうか。
だが大物感は物凄い出ていた。今の大正の背景にはまるで「ゴゴゴゴ」とでも書いてあるかの様だ。恐らく強い不良でも睨むだけで土下座するだろう。
「……とりあえず、長居するのも良くない。面倒なことになる前に何処かへ転移しないか?」
「そうね。適当に北海道でいいかしら?」
「ホッカイドウって美味しいの? 食べてみたいわ!」
大正の提案でこの場を離れることにした。弥生が北海道へ行くことを提案したが、異世界から来たヱミリアは北海道なんて単語を知るはずもない。この世界の美味しいお菓子と思った様だ。可愛らしい発想である。
この北海道をお菓子だと思ったヱミリアを見ていた弥生たちは全員ニヤニヤと笑う。と言っても当然馬鹿にしている訳ではない。可愛すぎて思わずニヤけてしまったのだ。因みにカリミアは鎌倉の影響により、日本のことは結構知っていた。
「な、何よ! 笑うなぁ!!」
「ご、ごめんね。お菓子と勘違いしたヱミリアが可愛くてつい……北海道って言うのはこれから行く地方の名前なんだよ?」
訳も分からず笑われることにヱミリアは怒ってしまう。そんなヱミリアに優しく北海道を教えてあげたのは飛鳥だ。自分の勘違いを知ったヱミリアは赤面し、顔を隠してしまう。魔王である自分が、まさか地名をお菓子と勘違いするなんて思いもしなかった故、想像以上の羞恥心だったのだ。
『私と私に掴まっている者と身に着けている物全てを北海道に転移させよ!!』
ヱミリアが落ち着くまで待った後、弥生がそう願うと、再び一瞬にして視界が白い光に包まれた。
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白い光が消え、目を開けると弥生たち五人は北海道のド真ん中に居た。
「……ん? つ、ついたようね……」
今回はとんでもないミスが発覚するということは無かった。
「ここは、森か? そういえばなんで今回は服を着たまま転移出来たんだ?」
大正は重要な質問をする。そう、重要な質問だ。転移する度に服と下着が消えていたら毎回飛鳥に下着と服を創ってももらう必要がある。そして人気のあるところへは転移出来ないことになってしまう。何故今回服と下着を身に着けたまま転移出来たのかをしっかり理解しておくことは大変重要なことなのだ。
「一回目は「私と私に掴まっている者全てを日本に転移させよ!!」と願ったのよ。詰まり私の願い通り身に着けている服とか武器は一緒に転移しないと言うことになったんだと思うわ。今回はちゃんと身に着けている物も転移させるよう願ったらちゃんと服を着ていたから私の考えは正しいと思うわ」
「……なんか良く分からんというか、弥生さんの能力は万能だと思っていたが意外と面倒なんだな」
東京へ転移した際に服と下着が無くなったのは弥生が明白に願いを伝えなかったからだった。しかし弥生は過去に明白に願わずとも服も下着も身に着けたまま転移したことがある。正直なところ、弥生もこの服と下着を一緒に転移出来なかった問題については良く分かっていないのだ。
「わぁ、ここがホッカイドウ?」
「日高山脈ですね。本当に北海道のド真ん中に転移したのですね。何故札幌や釧路にしなかったのですか?」
ヱミリアが無邪気に北海道の景色、と言ってもここは山のド真ん中なのだが景色を楽しんでいる中、カリミアが何故都会に転移しなかったのか質問する。
「……知らないわ。北海道って願ったらここに転移させられたんだもの。本当に北海道のほぼド真ん中に転移させられるとは思わなかったけれど……それに、また裸になる恐れもあったし、良かったんじゃない? おねぇーちゃん!」
「お、おね……」
弥生がカリミアのことをおねぇーちゃんと呼ぶと、カリミアは嬉しかったものの、恥ずかしくて顔を隠してしまう。
「そっか……弥生は、ヱミリアとは義理の従姉妹、カリミアは実の姉。なんだか羨ましいな……」
飛鳥が弥生を羨ましがっている中、黒い影が五人に近付いてきた。
to be continued...
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