第四十一話 紅雨神の天罰
第四十一話目です。
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神護は床が崩れ落ちる程の攻撃を食らったものの、げんこつ程度の痛みしか感じておらず、実質無傷だ。調子に乗って高笑いをする。
カリミアたちの目は死んだ魚の様になり、彼女たちは絶望した……
「ヱミリア! 『黒炎光線』!!」
「――!!」
神護は弥生を即死させる為に強力な破壊力を誇る魔術を使わせた。
当然魔術を発射するヱミリアの掌からの距離が近すぎる弥生は避けることが出来ない。
更に相手は神が操作しているのでこれで死ねば弥生の能力は発動せず、本当に死んでしまう。絶体絶命だ。
ギュォオオオオオオオ!! 『黒炎光線』の発射時には恐怖を感じる程の爆音が鳴り響いた。
そして死ぬ寸前。弥生は目を瞑った。
――私は……死んだのね……でもまあ、元々一度死んでるしいいか……
死んでしまったと思い込んでいる弥生は、最早生きることを諦めている。
神以外の全ての生物を超越した弥生にとって、生きることなんてもう飽きてしまったのだろうか……
『下界の様子はずっと見ておった。汝には楽しませて貰ったから少し手を貸してやろう。まだ死を急ぐことはない』
紅雨神の声が聞こえてきた。
「そうか、死んだからまた此処に戻ってきたのね」
弥生は、既に自分はあの世に居ると思っている様だが、違う。
恐る恐る瞼を開いてみると、目の前には眠っているヱミリアを抱きかかえている紅雨神が居た。
「あれ? ここは……魔王城? 死んだんじゃ……ってなんで紅雨神様がこんなところに?」
弥生の思考は追いつかない。一体今何が起こっているのだろう? 何故自分が生きていて、しかも目の前に自分を転生させた神様。紅雨神が居るのだろう? そしてなんでヱミリアを抱いているの? 神様ロリコンだったの?
「な……紅雨神……」
『魔神・ジンゴ・エクタシアン。この世界は我が想像した我の世界。他の神々は我に迷惑を掛けないことをルールとしてこの世界に居させておるのだが……我が魔王の『黒炎光線』を消さなければ弥生は死んでおったぞ? そのまま無理矢理貴様の術を解いたからこの様に眠ってしまった。か、可愛いから良い等と言うことは決してない。我を面倒にするな。ゴミゴッドめ!』
紅雨神はやはり多少ロリコンの様だ。紅雨神なら今すぐにでもヱミリアの目を覚ますことも可能なのだが、あえてそれをせず、眠っているヱミリアを合法的に抱き続けている。計画的犯行だ。お前だって神護のこと言えないぞ!
『と言う訳でジンゴ・エクタシアン! 今から貴様を処刑するが、宜しいか? はい! と答えろ!』
「ふぁい!!」
ゲス顔の紅雨神に恐怖した神護はガタガタと震えながら「はい!」と返事をしようとするものの、恐怖で「ふぁい!!」となってしまった。
シュッ! という音と綺麗な紅色のダイアモンドダストの様なエフェクトを出しながら紅雨神は神護の目の前へ瞬間移動する。
「くっ! 俺じゃあ、紅雨神には勝てねぇ……だがどうせ死ぬなら足搔かせてもらおう! 適当に、そこのロリ餓鬼消えろォオ!!」
「――!! え……」
紫色の気持ちの悪いエフェクトと共に、シルルが消えてしまう。
シルルは何が起きたのか理解できぬまま消えてしまった。
「シルル!!」
「シルルちゃん!」
「シルルさん!」
紅雨神も含め、神護以外の全員が青ざめる。シルルは小さくて可愛くて皆から大人気だったのだから当然だ。
紅雨神はこれ以上の犠牲者を出さぬ為、さっさと神護を殺してしまうことにした。
『死ねぇ! 『神様ノ怒リ大爆発』!!!!」
一見ふざけた技名だが、威力は本物だ。紅雨神が技名を叫びながら神護に中指を立てると、神護はヴヴァグゥウウォオオオオオオ!! と大爆発を起こし、跡形もなく消え去った。皆笑顔で喜ぶ。一先ずシルルの敵討ちが出来て良かったと。
しかしシルルが何処へ行ったのかは紅雨神にも分からない。弥生たちの怒りと不安は増す一方だ。
「……シルル……シルルぅ……」
弥生が涙を流す。
――シルルぅーーーーーー!!!!
弥生は号泣しながらシルルの名前を叫ぶ。しかし現実は残酷だ。弥生のこの叫びがシルルに届くことは有り得ないのだから……
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神護が死んでから一週間が経った。魔王城の破損部分は既に弥生の能力で修復済みだ。今は、弥生、飛鳥、大正、ヱミリア、カリミアの五人で暮らしている。紅雨神もあの後直ぐ何処かへ消えて行ってしまった。恐らく神界という神様の住む世界だろう。きっと今も見られているのだろうが、よく考えたら紅雨神ってストーカー? 心が病んできた弥生はそんなことを考えたりもした。
「シルルちゃんが消されてから一週間かぁ……長いようで短かったなぁ……」
「……絶対あの娘私の恋のライバルだったのに……」
大正と飛鳥がは呑気にそんなことを言っているが、内心ではシルルちゃんシルルちゃんと叫び続けている。
「……シルルさん。同じ敬語キャラとしてもっと仲良くしたかったです……」
「シルルにもっと弥生のこと聞きたかったのにぃい!!」
カリミアとヱミリアも相変わらずシルルのことばかり考えている。
どうやらシルルが居ないだけで皆の精神状態は危なくなってしまう様だ。皆ロリコンなのか?
そんな中。一人の少女が超重要な決断を下す!
「皆、ちょっといいかしら?」
縄文弥生だ。大正たちは死んだ目で猫背になりながらゾンビの様にノロノロと弥生を取り囲む様に集まる。
――私、日本に行ってこようと思うの。
to be continued...
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