第三十八話 邪竜を焼く ~熱い熱い熱い熱い熱い熱い~
第三十ハ話目です。
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「フォラァアアアアアアア!!」
大正の聖剣とドラゴナの足の爪が、キィイインと音を立て、衝突し合う。
『ギャォオオオオオオオオオ!!』
「チッ! 斬ろうにもガードされまくって全然ダメージが通らん!」
聖剣でドラゴナを切ろうとしても、ダイヤモンドと同等の強度と日本刀以上の切れ味を誇る手足の爪でガードされてしまう。
流石の聖剣も、刃の部分がガタガタになってしまっているが、実は大正の聖剣には自動修復機能が備わっている故気付いたら傷は無くなっている。
傷付く。修復する。これの繰り返しだ。まるで死にたくても死ねない不老不死の様。
『グゥウァアアアアア!』
ドラゴナは叫びながら口から炎の球を発射する。
炎の球の速度は時速五百キロメートル程。流石に速すぎて大正は避けきれない。仮に避けられたとしても、魔王城に巨大な大穴が空くことになる。
「大正さん!」
「大正くん!」
「変態さま!」
炎の球が直撃しそうになった大正を三人共心配する。カリミアの変態さま呼ばわりはどうかと思うが(笑)
しかし三人もの女の子たちに心配させるなんて大正は憎い程の幸せ者であると同時に男たちの嫉みの対象だ。
「ふっ! その程度の炎で俺を焼くことが出来るとでも思ったかァ!」
「「「「ええええええええええ!?」」」」
『グゥ、グゥガァアアアアアアアアアアア!? ギャハァアアアアア! クァwセdrftgyフジコlp;(な、何故我の炎の球が斬られたのだ!? 意味わかんねぇぇええ! 何者だよこいつ!)』
大正は挑発的な口調でそう言いながら聖剣で炎の球を両断する。シルルたちとドラゴナは漫画の様に目を丸くし驚く。
邪竜へと覚醒したてのドラゴナは人間の言葉を話せない故、人間の言葉を話したつもりでも怪物の叫び声にしかならない。
「そういえばこの能力を使ったのは弥生さんと戦った時以来だったな。改めて、俺の能力は何でも斬ることだ。今回の様に形の無い炎すら斬ることも可能だ!」
大正はドヤ顔で自分の能力を語る。
「だが俺一人では勝つのは厳しいかもしれんな、あんなとんでもないドラゴンの体力は底知れないし。仕方ない。女の子に命懸けの戦いをさせたくはないのだが、お前ら強力頼む!」
「当然ですよ!」
「シルルちゃんの言う通りだよ!」
「流石の変態さまも戦闘中に痴漢することはないでしょうし、良いでしょう!」
大正が女の子たちにドラゴナを倒すのを強力して欲しいと頼んだところ、三人共簡単に同意してくれる。
「ありがとう!」
大正は律儀に礼を言う。
「行くぞ! シルルちゃん! 奴の動きを止めろォ!」
「はい! 『金縛りジュース』!!」
シルルは秒で金縛りジュースを創造し、飲み、ドラゴナに金縛りを掛けた。
「グ、グヴォァアアアア!! (な、なんだ! 体の動きが、鈍いぞ!)」
ドラゴナは巨体過ぎたが故に、完全に動きを封じることは出来なかったものの、動きを鈍らせることなら出来た。今のドラゴナは亀と同等か若しくはそれ以下の速度でしか動くことが出来ない。
「あ、ごめんなさい。動きを封じることは出来ませんでした……」
「十分だ! ありがとうシルルちゃん」
シルルが動きを完全に封じることが出来なかったと申し訳なさそうに言ってくるが、実際、ここまで動きが鈍れば十分なのだ。大正の「ありがとう」と言う台詞に不本意ながらシルルはドキッとしてしまう。
「飛鳥! カリミィさん! 取り敢えず焼けぇええ!!」
「分かった! 任せて!」
「承知致しました。お任せ下さい」
飛鳥とカリミアは空中に飛び、それぞれ飛鳥はドラゴナの右側から、カリミアは左側から攻撃を繰り出す。
「創造! 『極炎落下』!!」
「召喚! 『多重炎弾』!!」
飛鳥の『極炎落下』はその名の通り極炎を想像してそのまま落下させると言うもの。
カリミアの『多重炎弾』もその名の通り沢山の炎の弾を召喚し、放つと言うものだ。
「グ、ギャヴォワァアアアア!! (熱い熱い熱い熱い熱い!!)」
「いいぞ! 効いている! そして、ここで俺が!!」
大正は聖剣を構えながら炎や金縛りでリンチされているドラゴナに向かって走って行く。
「ぶった斬れろぉおおおお!! 『極炎斬り』!!」
ザンッ! と言う音と共に、炎ごとドラゴナの体は両断されてしまう。
「……勝った、のか……」
大正がそう言った直後、ドラゴナの遺体が異常な程発光し出す。
「え? なに、この光」
「変態さま! 下を向いて下さい。こんな強い光を直視したら目が死んでしまいます」
「ま、眩しい……です」
異常な程の発光は、次第に消えていき、気が付いた時には、ドラゴナの遺体は跡形もなく消えていた……
「……」
「俺たちは確かに勝った。あのドラゴンに勝利したんだ。なのに……この罪悪感はなんだ……本当に、あのドラゴンを殺して良かったのだろうか……」
そんなことを考えている大正に、シルルが声を掛ける。
「大丈夫。私たちがあのドラゴンを倒さなければ、魔界も人間界も滅んでいました。絶対に、間違ってなどいなかった筈です」
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魔王城の廊下の端の方で弥生とヱミリアが戦っていた。
「食らえ! 『多重黒炎弾』!!」
ヱミリアが黒い炎の弾を乱射しまくるが、弥生は腕を組みながら瞬間移動で避けてしまい、一発も当たらない。
「そんなんじゃ私には勝てないわよ」
「く、他の攻撃を仕掛けても同じように避けられるだけでしょうね……それに、動きを先読みしたりしても、弥生なら私の思考を読んだり未来を見たりなんでもするわよね……あ、詰んだ。私に……勝算さんて初めから無かったのね……」
ヱミリアはとうとう自分ではどうやっても弥生に勝つことが出来ないと悟った。
「……やっと、あなたでは私に勝つことが出来ないことに気づいたのね……自分で言うのもなんだけど、私は宇宙すら破壊出来る、【エルフの最強JK】私に勝てるのは能力を無効化することの出来る者と神様くらいなのよ」
そう言いながら弥生はヱミリアに近づいて行く。
「……私には思い出があるの。十歳くらいの頃。紅色の髪に魔族の様な角の生えた少女と仲良く遊んでいたの。その子と遊んだのはたったひと時だったと思うんだけど、ずっと一緒に居たような気がしてね……その子の名前も顔も覚えていないんだけど、ヱミリア、あなたを見て何故か思いだしたわ」
弥生は懐かしそうな顔で昔の思い出を語る。
「奇遇ね。私にも、そういう思い出あるのよ。私は昔、カリミィと一緒によく日本へ遊びに行っていたの。そこで出会ったのが弥生。あなたよ。当時のあなたは苗字を名乗らなかったから普通に仲良く遊んでいたの。でも、ゴブリンの基地で偶然会ってしまったあの時、知ってしまった。あなたが私の宿敵の娘だったということを……」
ヱミリアは途中、少し涙を流しながら思い出を語っていたも、笑顔になり、弥生に問う。
「また、あの時みたいに、仲良くしてくれる?」
――勿論よ。本当は、一緒に遊んでいたと言う事実しか、記憶にはないんだけど、あなたは私の幼馴染で、義理の従姉妹なんだから。仲良くして当然なのよ……
to be continued...
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