第三十三話 揉みまくる
第三十三話目です。
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大正は飛鳥に嫌われることを決意し、とんでもないことを口走る。
「そんな小さな貧乳で、この俺を誑かせるとでも思ったかこのビッチ!!」
「……小さい貧乳?」
大正がゲス顔で飛鳥に対して貧乳と言うと、飛鳥は暗い顔になり、大正の言った貧乳と言う単語を復唱する。
「貧乳、ヒンニュウ……」
「ちょっ! ヤバい、なんかよくわからんが本能がヤバいと言っている!! はっ! しめた! なんか魔術が解けてる! これで逃げられるぞ!!」
飛鳥はショックで正気を失い、大正の両手を拘束していた魔術が解けた。元々正気等ではなかったが、取り合えず大正はこの隙に宛てもなく全力で城中を逃げまくる。
「に、逃げろぉおおおおお!!!! 次捕まったら死より恐ろしい目に遭わされそうな気がする!!」
大正がそんな恐ろしいことを思いながら必死に逃げていると、後ろから聞こえてくる声に大正は鳥肌が立つ。
「タイショウクン、ニガサナイ!! アナタハワタシノモノニナルノ!!」
「ぎゃあああああああああああああああ!!!!!!!!!」
後ろから正気を失った飛鳥が全力で追いかけてきていた。
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「やっと、見つけたわ。魔王・ヱミリア!!」
大正がとんでもなく面白い目に遭っていることを何も知らない弥生は、廊下を只管走りまくり、遂に魔王の、ヱミリアの居る魔王の間まで辿り着いてしまう。
「久しぶりね。この間の戦い。まだ決着着いてなかったでしょ? 再戦と行くわよ!!」
「ええ、望むところよ! 縄文弥生!! (大丈夫、縄文弥生はあの憎っくき鎌倉の子孫とかかもしれないけど、縄文弥生自身は、何も悪くないもの! 八つ当たりは駄目よヱミリア!)」
ヱミリアはやはり弥生の顔が怖いようだ。そう言うと弥生の顔が恐ろしいみたいな言い方だが、ヱミリアは弥生そっくりの顔に酷い目に遭わされたというだけだ。昔酷い目に遭わされた鎌倉と弥生を重ね合わせないよう、ヱミリアは自分に言い聞かせている。カリミアが成長し、鎌倉に似てきた時もそうだった。その時も自分に言い聞かせていたのだ。大丈夫、きっと最後まで冷静で居られる筈。ヱミリアはそう、自分を只管信じ続ける。
「(ヱミリア、飛鳥の言っていた通りね。それにしても私のお母さん許せないわね!! 今度、いつか逢ったらただじゃおかない!)」
弥生は自分の母が魔界でやってしまった最悪なことを絶対に許さないと心に誓う。鎌倉にはそうするしか無かったのかもしれないと言う可能性を全く考慮せずに。
「(……最低なやり方かも知れないけど、あえてお母さんの使った技をそのまま使って記憶を呼び覚まさせようかしら。いつまでも過去を引き摺るのは良くない。そろそこあなたを最悪な過去と決着着けさせるわ!!)」
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「魔王城の土地は百平方センチメートル、そして百階建て、エミリアお姉さまの居る魔王の間は最上階、詰まり百階です。更に空間操作によって魔王城は千平方センチメートルにまで拡張されております」
カリミアはシルルとスカーレットドラゴンに魔王城の偉大さを説明している。勿論自慢等では決してなく、どうやってヱミリアと弥生を止めに行くかについての話し合いの中で、一番の問題点が魔王城が広すぎるということでまずカリミアが魔王城の広大さを説明し出したのだ。
「へぇー、そんなに広いんですね。私なら音速で走れば直ぐかもしれませんが、カーブとかで勢い余って魔王城の壁を破壊したりしそうで怖いです」
「我は階段とか狭くて無理っすね。代わりに百階まで飛んで窓を破壊して侵入! と考えただ強力な結界が張ってあるので断念。シルルさん破壊して?」
「嫌です! 結界壊すと紅雨神さまのお手を煩わせることに!」
しかしシルルもドラゴンも様々な問題で一気に最上階まで行くことが出来ない。通常の方法では、普通の人間の街人なら歩けば最上階まで数日掛かる。シルルたちでも何日かは掛かってしまう。だが一日でも掛かってしまえば手遅れかもしれない。シルルたちが最上階に辿り着いたころには既に魔界がヱミリアによって滅ぼされているかもしれないのだ。
「そこで! 実は秘密なんですが魔王城にはワープポイントがありまして、それさえ見つければ一気に行きたい階までワープ出来ます!」
「え?」
「そんなご都合な!! 怪しい、でもさっさとワープしましょう!」
カリミアがワープ出来ることを告げると、シルルもドラゴンも驚く。シルルは怪しいと感じるものの、今は迷っている暇などない、放っておくと魔界が滅ぼされ、いずれは人間界も滅ぼされてしまう。今ヱミリアを止めなければ意味がないのだ。
「それで、ワープは何処で出来るの?」
「ワープなら私の後ろにある壁ですね。一見ただ壁に見えるでしょう? 見えますよね? だってただの壁にしか見えなくしていますからねぇ、ふふふふ、ワープの存在を知っているのは私とヱミリアお姉さまだけ! 詰まり部下共は毎日魔王城の一階から最上階まで何度も往復しているのですっ!! 例えばお食事にヱミリアお姉さまを呼びに行く時、殆ど私がやっていますが稀に他のメイドとかがヱミリアお姉さまを呼びに行くことがあります。そして食堂は一階。そのメイドは全速力で一階から百階までふふふ」
カリミアは楽しそうにそう言う。彼女はやはりドSの様だ。
「はぁ。楽しそうに独り言喋っているところ悪いんですけど早くお姉さまたちのところへ行かないと!」
「うん! 私も急いだ方がいいと思う」
シルルとドラゴンは楽しそうに独り言を喋っているカリミアに対して早く行こうと急かす。そしてスカーレットドラゴンは相変わらず口調が定まらない。
しかし次の瞬間、何やら聞き覚えのある叫び声が段々とシルルたちに近づいてくる。
「ニガサナイ!! アナタワワタシノモノニナルノッ!!」
「ぎゃああああああああああああ!!! 古墳さんコエーよ!! 誰か助けてくれぇえええええ!!!!!!」
叫びながらシルルたちの居る食堂へ逃げてくる大正と、それを追いかける飛鳥だ。
「あっ! 確かあの男の人はいつも弥生さんとくっ付いてたダメなイケメン!!」
どうやらスカーレットドラゴンの口調は定まったようだ。元気な女の子タイプ……なのだが、ドラゴンがこの元気な女の子口調で話しているのはシュールすぎる。
「大正さん!?」
当然シルルは驚く。何故途中でシルルの音速について来れなくなりバテた筈の大正が、ヤンデレっぽい魔族の女の子に追われているのだ?
「だじゅげでぇええええええええ!!! おわぁあああ!!!」
必死に逃げてきた大正は、シルルとカリミアの目の前に来たところで足を滑らせ、転んでしまう。
ドサァッ!
「ひぁ!」
「んぁ♡」
「ん? なんだこれ、滅茶滅茶、やわらけぇ~、いつまでも触っていられる、はぁ、でもなんだろうなこれ。右のも相当デカいが、左のほうが若干デカい」
なんか危ない声が聞こえた気がするが、大正は無視し、そのまま転んだところにあった謎の柔らかい物体を只管揉みまくる。
「凄いなぁこれ、触ってて気持ちいいし、興奮するし、物体Xとでも名付けよう!」
「ん♡」
「らいひょうひゃん、やめ……あっ♡」
再び危ない感じの声が聞こえてくる。今度は流石の大正も聞き逃さなかった。
「え? ま、ままま、まさか俺が揉みまくってたのって……」
大正は大量の冷や汗をかき、本来なら顔が真っ青になるところだが、さっきまで興奮して血行が良くなり、顔が赤くなっていたので、なんか顔色が混ざって完全な紫。紫色の顔になってしまう。
「「私たちのおっっぱいですよぉ!!!!」」
バギャッ!!!
「うぎゃああああ!!! なんでぇ!? 事故だろうがぁっ!!」
なんと、大正は右手でシルルの左胸、左手でカリミアの右胸を夢中になって揉みまくっていたのだ。
どうやら、転ぶ際に目の前にいた二人を巻き込んで押し倒してしまったようだ。
そのまま大正はシルルとカリミアにハイキックで思いっきり蹴り飛ばされてしまう。
「あいてててて……お前らなぁ!! 実際触っちまったのは悪かった! だがあれは事故で! こんな蹴り飛ばさなくても……あれ、なんだこの硬いの……これもまた夢中になって触れる……」
大正は自分の罪を認めようとしない。必死に無罪を主張する。だが大正は目の前に触ると落ち着くものを見つけてしまう。
これはなんだろうと思った大正は、そのまま顔を上げると……
「あ、その……どうも。ん♡ そこぉ、私の、胸だから、だから! やめろぉおおお変態 ☆だめ☆ イケメンの見た目詐欺くんめぇ!!」
バシィッ!!
「グゥハァッ!! ってお前かよぉおお! ってかなんでここにいんのぉ? どうやってその巨体でこの部屋にぃいい」
大正が触っていたのはスカーレットドラゴンの胸だ。大正はシルルとカリミアに蹴り飛ばされた際、そのまま何百メートルという巨体の胸に張り付いてしまったのだ。
そのまま大正はスカーレットドラゴンの爪で床に叩きつけられた。時速百キロメートル以上で数百メートル落下したのと同じだ。
「ぐわぁあああ!!! 風魔法!! これで落下速度を和らげる!!」
大正は風魔法で落下時の衝撃を和らげ、軽く背中を打つ程度で済ませた。
「ふう助かった。便利だな風魔法!」
ポスゥッ
そんなことを考えながら前を見ずに歩いていると、また大正は何か柔らかいものにぶつかる。
「あ、あれ? なんだこれ? 柔らかい……だけどちょっと固めで小さいな……ちょっと待て! なんか嫌な予感が……こ、この流れで来たら……」
「……大正……くん……」
――あああ!!! 古墳さん!!
今度は飛鳥のおっぱいに触っていた!!!
to be continued...
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