第三十二話 ヤンデレ飛鳥に押し倒される
第三十二話目です。
大正がヤンデレ化した飛鳥に襲われます。(いいなぁ~w)
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飛鳥は真剣な表情で息を大きく吸い、大きな声で極秘事項を叫ぶ。
「カリミア・エクタシィの本名は縄文蓋層!! あなたの血の繫がったお姉さんなんだよ!!!」
「ナンダッテェエエエエエエエエ!!!!!」
弥生は飛鳥の衝撃的過ぎる発言に只管驚くしかなかった。棒読みで叫んでしまう程に。
しかし飛鳥の表情から察するに、嘘を言っているとは到底思えないし、ずっと親友で居るのだから、本当に嘘を着いているときは本能的に分かるのだ。それはエルフと魔族になってしまった今でも変わらないだろう。
「これは極秘事項で、魔王であるヱミリアさえも知らない。元々カリミィ本人と、弥生のお母さんだけが知っていて、カリミィはずっと、一人で全部抱え込んでいたのよ」
飛鳥は既にカリミアと仲良しなのだ。お互いの悩みなどを共有する程の仲になっている。勿論弥生との方が仲が良いが。
「そう……色々受け止めきれないと言うか、でもそれがなんで私をヱミリアのところへ行かせない理由になるのよ? ヱミリア関係ないでしょ?」
弥生は難しい顔でそう言った。
「ヱミリアは、弥生のお母さんに色々と酷い目に逢わされたみたいで、その、弥生のお母さんとそっくりな弥生とカリミィの顔がトラウマになっているの。カリミィの顔は大分慣れたみたいだけど、弥生はカリミィよりも更に弥生のお母さんそっくりだから、その、弥生がヱミリアと顔を合わせたらマズいの」
顔ばかりはどうしようもない。飛鳥は申し訳なさそうに言う。
「でも、前に会った時は大丈夫そうだったわよ?」
「それは、我慢していたみたい」
お互い気まずい空気に包まれる。
「ああ、えと」
間が持たないので弥生が何か話題を振ろうとするが、この状況で何を言えば良いのかが分からない。
「……でもね、飛鳥! あなたがどう言おうと、私はヱミリアと戦いに行く。私がヱミリアに逢うことを許さないのなら……全力で阻止してみせなさい!」
そう言った途端、弥生はダッシュで城中を駆け巡る。
「あっ! ヱミリアのところへは! 行かせないんだからぁ!!」
飛鳥もダッシュで弥生を追いかける。
「炎創造! 『炎落下』!!」
ゴォオッ!!!
飛鳥は弥生の頭上に巨大な炎を創造し、弥生に落下させた。
「うわぁ!! 『水流壁』!!」
ジュォオオオオオオオ!!!
弥生は水流で出来た壁を創り、飛鳥の創造した炎を消火した。炎も水流も強力なものであった為、消火された際の水蒸気が恐ろしい程出てきてしまう。辺りは真っ白。これで水蒸気が黒かったら完全に火事と同じような状態である。
視覚が役に立たなくなったにも関わらず、二人はお互いの位置を把握しており、そのまま飛鳥は刀で弥生に斬りかかる。
キィイイイン!!
「流石ね飛鳥!」
それを弥生は軽々と受け止める。
相手の魔力を感じることで、二人はお互いの位置が把握出来ているのだ。
「あ、いいことを思いついた。魔力拡散!!」
「なっ!! しまった!! 飛鳥の魔力が数メートルに渡って広がっている。これじゃあ飛鳥の居場所が分からないじゃない!!」
飛鳥は頭を賢く使った。自分たちは相手の魔力を感じて相手の位置を把握していると言うのが弱点だ。自分の魔力をそこら中にまき散らせば、相手はその相手の魔力を感知出来なくなってしまう。正確には、同じ魔力があちこちで感じられるから本体が何処なのかが分からなくなってしまうと言うことだ。
「覚悟してね弥生!! はっあぁ!!」
「く、まだ聴覚や臭覚が!! 飛鳥の声はこっちから聞こえる! ああ飛鳥の良い匂いもあっちから! 間違いない! 飛鳥はあっちね!!」
キィイイイイイン!!!
弥生は聴覚と臭覚を上手く使い、飛鳥の位置を特定し、飛鳥の攻撃を剣で受け止められた、と思ったが。
「やれやれ、女の子たちがこんな危ないもの振り回しちゃあ駄目じゃあないか?」
真っ白の原因である水蒸気が消えていき、声の主が明らかになる。
「明治くん!!」「大正くん!!」
驚くことに、何時の間に二人の攻撃を、大正が聖剣で受け止めていた。
「事情は大体把握しているつもりだ! ここは俺に任せろ! 縄文さんは魔王のところへ行くんだ!!」
「あ、わ、分かったわ! ありがとう明治くん! 愛してるわ♡」
弥生は動揺しながらも、直ぐに冷静さを取り戻し、大正に礼だけでなく告白までし、更に頬にキスをし、ヱミリアの居る筈の魔王の間を探しに走り去っていった。
「なぁっ! か、軽々しく言うなよな。弥生さん……好きだ」
赤面しながらも、大正はここで、自分は弥生のことが好きなんだと気づく。なんと、信じられないことに、前に弥生を襲った時点ではまだ好きだと言う気持ちに気付いていなかったのだ! ラブコメの主人公かよ!!
「大正くん……」
飛鳥は色っぽく言う。
「な、なんだ? 言っておくが弥生さんを追わせはしないぞ?」
「好きっ♡」
飛鳥がド直球にそう告白し、そのまま大正を押して押してしまう。
「な、なななな何を!!!」
「はぁ~。弥生は後回しでいいや~」
そう言って飛鳥は大正に馬乗りになってそのままキスをしようと、大正の唇に顔を近づける。
「待て待て待て待れぇ! (やべ噛んだ)」
「待たない♡」
大正は必死に飛鳥を止めようと手で飛鳥の顔を抑えるが……
「ってかこいつ力強っ!! 勇者である俺の力で抑えきれない!! ヤ、ヤバい!!こ、このままではキスされてしまう……」
「当たり前でしょぉ? 大正くんは人間、私は魔族なんだから♡」
どうやらこの世界の魔族は、あらゆるステータスが平均で人間の数倍程優れているようだ。それに加え、飛鳥は魔族の中でも最強クラス。勇者と言えど、所詮は人間の大正が力で勝つことは不可能に等しい。
「くっ(このままでは……)」
もはや大正に成す術はなくなってしまった。こうしている今も、どんどんと大正の手は飛鳥に押し負けて唇近くまで来てしまっている。
「もぉ~その手邪魔だよぉ」
ガシィッ!!
「うわぁ!!」
飛鳥は自分の顔を押さえつけている大正の手を掴み、その手を大正の頭の上まで持っていき、拘束した。
「ま、マズい!! ちょ、待ってくれ古墳さん!!」
両手も使えなくなってしまった大正にはもうどうすることも出来なくなってしまい、絶望する。因みに足には元々飛鳥が乗っているので押し倒された時点で初めから使えない。
「私のことも飛鳥って呼んで? 弥生のこといつの間に下の名前で呼ぶようになって、随分と親しくなったんだねぇ」
「ひ、ひぃ! 飛鳥さん顔が怖い!!」
飛鳥は自分も弥生の様に下の名前で呼んで欲しいと嫉妬し、自分も下の名前で呼ぶようにお願いする。病んだ目で。いわゆるヤンデレである。しかし大正はヤンデレが怖かった様で、びくびくと震えている。
「それで、弥生とはどこまでいったの?」
「……ええと、ベ、ベッドの中まで……」
飛鳥は完全に理性を失って完全にヤンデレ化してしまっている。
大正は飛鳥の質問に、これを正直に言ったら殺されると思いながらも、しぶしぶ答える。
「……そう、それなら、私とだって♡ ヤってくれるでしょ?」
飛鳥は服を脱ぎながら誘ってくる。
因みに手は魔術で拘束してしまったので飛鳥が手で服を脱ぎ始めても大正は逃げることが出来ない。
しかし!
「い、いや、俺は弥生だけを愛してる! 二股は死んでもしない!!」
大正はここだけ格好良く格好いいセリフをビシッと言う。
「そ、そんな! でもこれでどう?」
飛鳥は二股は絶対にしないと大正に言われるも、簡単に諦めはせず、自分の小さなおっぱいを大正の顔にすりつける。
「ふぉおおおおおお!!! って (いかんいかん! あ、そうだ! いい機会だ! このまま古墳さんに嫌われれば……)」
大正は飛鳥に嫌われることを決意し、とんでもないことを口走る。
「そんな小さな貧乳で、この俺を誑かせるとでも思ったかこのビッチ!!」
to be continued...
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良ければ次回、第三十三話目も宜しくお願い致します。




