第二十六話 元人間が人肉を食す
第二十六話目です。元人間のエルフが人肉を美味しく頂きます!
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気が付くと、弥生とシルルは魔王城の食堂にいた。
「何処!?」「何が起こったんですか?」
流石の弥生も多少パニックになる程、訳の分からない状況だ。いきなり召喚され、気付いたら何処かの食堂にいたのだから。
二人はここが魔王城であることは知らない。ただ、何処かの食堂であるという認識だ。
「どうも。強制的に召喚してしまい申し訳ございません。私の名はカリミア・エクタシィ。お詫びと言ってはなんですが、一緒にお食事でも如何ですか? 魔王であるヱミリアお姉様が普段口にする超高級なお食事ですよ?」
二人を魔王城の食堂へ召喚した張本人であるカリミアが弥生とシルルの元へ歩いて近づいてくる。
「え? そ、そんな、似てる……私に、そっくり……」
「え? お姉様!?」
カリミア・エクタシィ。魔王の従妹である彼女は、長い赤混じりの黒髪に、前髪もそこそこ長く、身長170.1センチ、体重とスリーサイズは不明、おっぱいはKカップの超美人で超爆乳の化け物。元日本人であるエルフのJK、縄文弥生そっくりであった。(弥生はGカップ)当然、飛鳥はこのことを知っている。
「あなた。何者?」
弥生は真剣な眼で問う。
「私は魔王・ヱミリア・エクタシィの従妹です。縄文弥生さん?」
カリミアは不敵な笑みを浮かべながらそう答える。
「魔王の、あいつの従妹!? でもそれでは私にそっくりな説明がつかないわ! 何故あなたは私のそっくりなの?」
「それはまだ、秘密と言うことで。ヱミリアお姉様はあなたと再び戦うことを心待ちにしております。ここで食事をし、体力万全の状態でヱミリアお姉様と戦ってくださいね?」
カリミアはニヤリとしながらそう言う。弥生とシルルは怪しいと思いながらも食事を頂くことにした。
「ん!! なにこれ! なんの肉!? すっごい美味しんだけど!」
「お口にお合いして良かったです。それは人肉でございます。エルフも人間の肉を食べるのですね」
カリミアはクスリと笑いながら弥生の質問に答えるが。
「ブフゥーー!!!」
人肉という衝撃的な肉名に反応して口の中の食べ物を吐き出してしまう。向かいにはカリミアが立っており、カリミアの服に直撃する。因みにカリミアは今だけメイド服を着ていた。家事をするときはメイド服なんだそうだ。
「じじじ人肉ですってぇえええ!!!」
「なるほど、道理で人間の私は本能的にこのお肉を拒否して食べられなかった訳ですね」
弥生は元人間と言うこともあり、思わずパニックになってしまう。一方シルルは落ち着いている。この世界の肉には魔力が残っている場合があり、同族の肉を食べようとすると肉に残っている魔力と自分の魔力が拒否反応を起こし、食べられなくなってしまう。逆に言えば、エルフとなった弥生はエルフの肉を食べることが出来ない。魔族も同様。
この世界の創造主である紅雨神が共食いの出来ない世界に設定してしまったのだ。
「縄文、弥生さん」
「ん? カリミア、だったわね。どうしたのかしら?」
「どうしたもこうしたも、お食事のマナーが死んでいますねぇ! 私はあなたの従者じゃあないのですよ! よくも私のメイド服にあなたの汚らわしい唾液を付着させてくれましたね!!! 許しません。この服はヱミリアお姉様にプレゼントしてもらった大事な服なんですよ!!!」
カリミアの怒りは頂点に達し、完全に戦闘モードだ。食事どころではなくなってしまった。
「く、仕方ないわね! 創造! 『魔剣』」
弥生も魔剣を創造し、戦う気になる。
「私は縄文弥生さんをメッタメタのギッタンギッタンにしてやりたいですが、ヱミリアお姉様を裏切ることになってしまいます。ヱミリアお姉様は何が何でも縄文弥生さんと戦いたいのです。なので魔王の椅子があるっぽいところまで行ってください」
「へえ、カリミア、あなた相当、あの魔王に忠義があるのね。いいわ、お望み通り魔王と戦ってやるわ! 行くわよシルル!」
「はい!」
しかしカリミアは魔王からの命令を完璧にこなす。用のない者をヱミリアの元へは行かせない。
「但し、シルル・デヴォンさん! あなたは駄目ですよ? ヱミリアお姉様がお呼びなのは縄文弥生さんだけ」
カリミアはゲス顔で弥生とシルルを引き離そうとする。
「ちょ、ちょっと! なんで私は良くてシルルは駄目なのよ!」
「言ったでしょう? ヱミリアお姉様がお呼びなのはあなただけ。シルル・デヴォンさんは無許可で城に侵入した不法侵入者なのです」
「不法侵入を前提に魔王城へやってきました! しかもここに召喚したのはあなたですよね? 理不尽じゃないですか?」
二対一の口喧嘩が始まる。しかも只の口喧嘩ではない。染み出る殺気や魔力で近くに一般人が紛れ込めば恐怖で即死してしまうのだ。
「お姉様は取り合えず魔王を倒してきてください!」
「……分かったわ。シルルも油断しないのよ?」
喧嘩が長引きそうなので、シルルは弥生を先に魔王の元へ行かせた。元々の喧嘩の原因はシルルがここにいるということなのだから、弥生には先に行ってもらった方が良かったのだ。
「さて? 良かったのですか? 人間の癖に、しかもそんな幼い体で、どう出来るっていうのでしょうか?」
カリミアは割りとゲスな性格なのかもしれない。ゲス顔でシルルを罵倒しながら楽しんでいる。
「私、強いですよ? お姉様程ではないですが、人間の勇者さんなんかよりずっと強いです」
シルルはどや顔で自分強いぞ! とさり気無く大正をディスりながらアピールする。
バテて道で倒れている大正は、シルルにディスられると同時にくしゃみを三回連続でする。噂されるとくしゃみをすると言うのは本当なのかもしれない。三回くしゃみ連続ですると、悪口を言われていると言うことになるという解釈がある。まさにその通りであった。
「あなたには二つの選択肢を授けましょう。一、土下座して謝る。そうしたら見逃してあげます。二、私に無謀な戦いを挑む。勇気と無謀が違うのはご存知でしょうか? ふふふ」
カリミアは調子に乗ってシルルを嘗めまくりっているが、このあと見事にザマァ(笑)と思わせる展開になる。
「お姉様そっくりな顔と声で、そんな狂ったこと言うんじゃないわよ!!!」
シルルが敬語を保てなくなるのは精神が限界に達した時だ。大好きな弥生とそっくりな顔と声で悪口を言われたのがショックで、許せなかったのだ。
予め身体強化をしており、そのまま音速で蹴りを入れる。
ドォオオオオグゥウウオオオオオオ!!!!!
「ぐぅわぁっ!!」
カリミアは食堂の壁を突き抜け、吹っ飛んで行く、当然壁はボロボロだ。
あまりに速過ぎる速度故に、魔王城から30キロ吹っ飛んだ地点でカリミアは吹っ飛びながら爆発をする。
ドカァアアアアアアアン!!!
「ふう、偉そうなこと言っていた割りに、大したことありませんでしたね」
「甘いですよ? ふふ」
シルルはカリミアを倒し、良い気分になっているところ、背後から爆死した筈のカリミアが現れる。
「え!? なんで、私の『爆裂音速蹴り』を喰らってなんで生きて……(物理は詳しくないから爆発したのは嬉しい誤算だったけど)」
あんな爆発を喰らう、いや、正確にはカリミア自身が爆発したのだが、それで死なないのは絶対に可笑しい。自分が爆発しても死なないのは弥生と神様くらいだと言うことを、シルルはよく分かっている。そう、シルルの考えは正しいのだ。爆発を喰らうだけではシルルや大正程度でも生き延びられるが、自分自身が爆発しても尚、生き続けることが可能な存在と言えば、現在この世界には弥生と紅雨神を含む、あらゆる神様だけなのだ。
そして、シルルの疑問に対するカリミアの回答は衝撃的なものであった。
――だってあれ、人形ですから(笑)
to be continued...
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