第二十二話 魔界へ向かう
第二十二話目です。今回は魔界へ行くまでの過程のお話です。
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「昨日の夜、私が寝るちょっと前にお姉様が起きて私のとこへ来たんです」
「そしてどうなったんだ?」
「お姉様は『お酒が飲みたい』と言って来たので私はお姉様なら大丈夫だろうと思い、とびきり美味しいかわりに一般人なら死に至る程強いお酒を創り、お姉様に渡しました……」
「そ、それだぁああああああああああああ!!!!」
どうやら弥生はただの二日酔いの様だ。しかし一体どれほど強力な
酒なのだろうか? 一般人が死ぬレベルの酒を飲んでこの程度で済んでいる弥生は、きっとシルルたちの思っている以上に、相当凄い実力の持ち主だったということだろう。
「シルルちゃん! 酔いを醒まさせられる料理は創れないのか?」
「あ、はい! 作れます! 『創造! 酔い醒ましジュース!』」
シルルは焦ってどうすれば良いか思い付かなかったが、大正が冷静に考え、酔い醒ましの料理を創ることをシルルは採用し、飲むと酔いが醒めるジュースを創り出した。
「このジュースには、飲むと酔いが醒める効果があります!」
「よし! 良いぞシルルちゃん! 縄文さんの口にブチ込め!!」
大正とシルルは強引に酔い醒ましジュースを弥生に飲ませることにした。
「お姉様! ごめんなさい!」
「え? ちょっと何!?」
シルルは弥生に飛び掛かり、その勢いでジュースを弥生に飲ませようとしたが、弥生は予め身体能力を向上させており、軽やかにシルルの飛び掛かりを回避してしまう。
「シルル、そのジュース、なにかあるんでしょぉ? 分かるのよぉ〜? あなたと明治くんの企みは全てお見通しなのよぉ〜? だって二人共愛してるんだから♡」
「く、愛されるのは普通に顔がニヤついてしまうが、このままではまずい!!」
ガシィッ!!
大正は自分たちへの愛を語り油断している弥生の隙をつき、腕を掴んで弥生の動きを封じた!
「ひゃあ!!」
唐突に愛する男に拘束され、驚いた弥生の姿はあまりにも可愛らしいものだったが、大正もシルルもニヤケながら理性を保ち続ける。大正とシルルも実は弥生のが好きなのだ。
「し、シルルちゃん今だ! 縄文さんの酔いをさまさせろぉおお!!」
「お姉様お覚悟ぉおおお!!!」
シルルはダッシュで弥生の口にジュースをブチ込みに行く。
「え? ちょ、な、きゃあああああああ!!!」
弥生は何故大正とシルル、二人に襲われているのか、何も理解出来ぬまま、取り敢えず悲鳴をあげる。
街中の弥生loveの変態共が集まってくるが、大正が追っ払った。聖剣で。
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「う、うーん……ここは?」
弥生が目を覚ますと、何故か大正におんぶされ、シルルといつもの三人で草原を歩いてた 。
「えっ! ちょ、な、なんで私、明治くんにおぶられてるの!?」
弥生は赤面しながら大正とシルルに問う。
「お、目が覚めたか縄文さん」
「おはようございます! お姉様!」
しかし弥生に返ってきたのは元気な挨拶だけだった。
「お、おはよう……じゃなくて!! なんで私明治くんにおんぶされてるのよ! どういう状況よ?」
「ああ、覚えてないのか?」
「ごめんなさいお姉様。私が調子に乗ってとんでもなく強いお酒を出してしまって……」
弥生は半分キレ気味で再度質問するが、どうやら弥生は、自分が酔っ払っていた記憶がないらしい。
「あ、ああ……」
「ん?」
「どうかしましたか? お姉様」
弥生は急に焦り出した。二人は軽く心配する。
「あああああああ!!!! 忘れてぇえええ!!!」
「え? どうした縄文さん!!」
「お姉様!?」
突如弥生が紫色の顔になって叫び出す。勿論二人は本気で心配する。
因みに赤面しながら青ざめたので紫色の顔になる。
「わ、私が酔いながら二人に告白しちゃったこと! わわわ忘れなさい!!」
「大丈夫だ縄文さん!」
「そうですよ! 私も大正さんもお姉様に物凄い愛されてるって知ってますから! 勿論友達としての好きではなく、恋愛対象としての好きなんですよね!」
弥生は必死に酔っ払っていた時の告白を撤回しようとするが、大正とシルルは、元々弥生に恋愛対象として愛されていることを知っていると弥生に告げる。すると「あー。うぅ……」という可愛らしい鳴き声みたいな声が弥生から返ってきた。
「「え!? なにこれ可愛い!!」」
大正とシルルは恥ずかしがっている弥生を見て、ただひたすらに可愛いと思い続けるのであった。
〜数時間後〜
弥生たち三人は、魔王城へ向けて、徒歩で移動している。弥生は既に大正の背中から降りて、自分の足で歩いている。
草原から魔物で溢り返っている森まで、今はその魔物だらけの森を通っているところだ。
「シャアアアアア!!!! (ぐへへへ! 美味そうなエルフだぜ! 我が身体を触手のようにしてエロいことしてやろう!!)」
「これは蛇の魔物!?」
「お姉様! この魔物は毒を持っています! 触れれば即死です!」
「私にそんなもの効く訳ないでしょ? 『獣殺しの炎』!!」
グォオオオオオオ!!!
「ジャア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!! (嫌だぁああああまだ死にたくなぃいいいい!!! あ゛づい゛! あづいよぉおお!! うぇええええん!!)」
魔物にも心はある。知能のある魔物は、喋れなくとも死ぬたびにこのような可哀想なことになっているのだ……
「今、初めて魔物の声を聞いた、思考を読むスキルを習得して聞いた……シルルたちには内緒にしておこう、モンスターたちの悲鳴のことは……モンスターの気持ちを知ってしまえば、討伐しにくくなってしまう……」
現れた魔物を片っ端から倒して行き、遂に森を抜ける。
「なあ縄文さん、そういえば今夜って何処で寝る?」
「私は明治くんとシルルの間で寝るわ!」
「お姉様、真面目に答えて下さい」
そろそろ日も暮れて夕飯の時刻だ。三人は寝床をどうするか決めていなかったので、今更? と言う感じではあるが、寝床をどうするかを相談している。
「大丈夫よ、私がなにも考えずにただ森を歩いてたと思う? この先にゴブリンの基地があるのよ」
弥生はどや顔でそう自慢げに言った。
「な!? ゴブリンと一緒に寝るつもりか?」
大正はゴブリンと一緒に寝ることを想像すると、全身が恐怖に包まれ、顔は青ざめ、ガクガクと震え出す。――悍ましいぞ! 俺は絶対にゴブリンなんかと寝たくねぇ!
「大丈夫ですよ大正さん。基地に居るゴブリンは、前にお姉様と魔王が全滅させましたので」
「そ、そうか、それは安心だ」
シルルが微笑みながら優しくそう言うと、大正は一気に恐怖から開放される。彼は割と単純なのかもしれない。
『フハハハハハハ!!! 貴様だな? 縄文弥生は!!』
三人が平和に森を抜けた先の、小さな草原になっているゴブリンの基地近くを歩いていると、突如迫力のある声が弥生名を呼ぶ。
「……全く、なんで私たちはドラゴンによく絡まれるのかしらね……まあ二回目のゾンビドラゴンの襲撃を覚えているのは私だけだけど」
二回目のゾンビドラゴンの襲撃のことは、弥生が初めから無かったことにしてしまったので、ゾンビドラゴンが二度街を襲撃したという事実は、この世で弥生しか知らない。もしかしたら神も知っているかもしれないが。
『ゾンビドラゴンだと? 聞き覚えがないな』
だがどういう訳か今回のドラゴンはゾンビドラゴンのことを全く知らないらしい。有名度が相当低いのだろうか?
「? 知らないの? まあ良いわ、見た感じあなたはレッドドラゴンってとこかしら?」
弥生はこのドラゴンがゾンビドラゴンのことを全く知らないことが気になりつつ、取り合えずドラゴンが単純に赤色をしているので「レッドドラゴン」と呼んだ。
しかし弥生の予想は即座にブチ砕かれる。
――違う、我は【スカーレットドラゴン】ダァ!!
to be continued...
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