第十九話 刺激的な朝
第十九話です。文字通り刺激的な朝を迎えます。
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「う、う〜ん……あれ? 私……」
大正とシルルが、大正は楽しく、シルルは真剣に会話していたところ、タイミングよく弥生が丁度目を覚ました!
「お姉様!」
「縄文さん!」
大正とシルルは弥生の復活を心待ちにしていたので遂に復活した弥生を見て大はしゃぎだ。
「ああ、あのドラゴンが私を気絶させたのね……」
ザッ!
弥生は強力な殺気を出しながらゾンビドラゴンへ近づく。
『ブッコロォオオス!!!! 消えてしまえぇえええええええええええ!!』
パッ!
弥生が消えろと言った途端、文字通りゾンビドラゴンが消えた。しかも無音で。もうこの世にもあの世にも、何処にもあのゾンビドラゴンは存在しない。弥生が能力をフル活用するとこれほどまで恐ろしいことになってしまうのだ。故に弥生は普段から叶える願いがエグくならないよう注意しているのだ。しかもなんでもかんでも即死だと詰まらなくなってしまう。弥生は元々異世界に憧れていたのだ。魔物と戦うのだってずっと夢に見てきたのだ。だから即死では意味がないということだ。
「じょ……縄文さん……」
「お、お姉様……」
大正とシルルは弥生の本気を見て唖然としている。まさか存在そのものを抹消してしまうなんて。実のところ大正とシルルは目の前で急にゾンビドラゴンが消えたことが理解できていない。何故? ドラゴンは何処へ行ったのだ? 弥生は一体何をしたのだ? 二人の脳内にはクエスチョンマークで溢り返っていた。
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「ふぅ、これで大丈夫ね!」
「お姉様やっぱり凄いです!」
「ああ、ほんとマジでやべぇー 半端ないって縄文さん!!」
弥生はいつものようにゾンビドラゴンが燃やしたり汚したりした街を元に戻した。
しかし大正とシルルは未だに落ち着かない、弥生がしたこと、ドラゴンを存在ごと抹消したということはそれほどまで衝撃的なことだったのだ。今更だが今回街を襲ったゾンビドラゴンの体長は約三百メートル程だった。
~次の日~
「う、う~ん……」
大正は今日もシルルの部屋のシルルのベッドで眠っている。
「あれ、なんだ……こんな柔らかい抱き枕あったけ? ……」
むにゅっ♡
とても柔らかそうな音が鳴る。
「はぁあああん♡」
「はぁあああん!?」
大正は寝ぼけていて自分の抱いているものがてっきり抱き枕だとばかり思っていた。しかし実際は弥生の胸であった。大正が抱き枕だと思って揉んだらHな声が出てしまったというわけだ。
「縄文さん!? なんでここにぃ!! シルルちゃんと一緒に寝てたんじゃ……」
「明治くん……お返し♡」
半起きの弥生はそのまま大胆な行動に出る。なんと信じられないことに、胸を揉まれたことに対する仕返しとして弥生は大正の股に手を添え……
「な! 縄文さん何処触って! そこはっ! ら、らめぇええええ アーーーーーーーーー♂」
~弥生の部屋~
「あれ? お姉様が居ない! 私の隣にお姉様が居ません!! お姉様ぁああああ!!」
一人用のベッドで一緒に密着して寝た筈の弥生が隣に居ないことに気が付いたシルルは発狂した。本当に弥生のことがloveなんだこの娘。
~魔王城~
「ゾンビドラゴン弥生に消されたよ?」
「あの私でも殺せない、いや、正確には殺しても生き返ってしまうゾンビドラゴンを……流石私の宿敵、縄文弥生!! 次あった時こそ! 次あった時こそ私のこと名前で呼ばせるわ!!」
魔王城の、魔王ヱミリアの部屋で会話しているのは、弥生の親友である古墳飛鳥と魔王であるヱミリア・エクタシィだ。
「でもさぁ、ヱミリア。弥生だって一回ヱミリアって発音してくれたんでしょ?」
「そ、そうだけどきっとまぐれよ!ま・ぐ・れ!!」
「……と言っても弥生だって私と同じ様にこの世界に来る前までは普通の人間のJKやってたんだし、いきなりそんな高度な発音出来る方が可笑しいんだよ?」
「そ、そう……かもしれないわね……今度会ったら縄文弥生に謝ろうかしら……」
飛鳥とヱミリアはヱミリアの名前の正しい発音について楽しそうに会話をしている。このように弥生が会話の話題に出るのはしょっちゅうだ。魔王と親友が友達になっていてしかも自分が会話の話題にしょっちゅう登場しているなんていうことを弥生は知る由もない。
「はぁーあ、縄文弥生、早く私を倒しに来てくれないかなぁ?」
ヱミリアはベッドに座り、更に足をブラブラさせながらとても可愛らしい感じで言った。それを間近で見た飛鳥は普通に可愛いと思ってしまった。
魔王と言うが、ヱミリアの見た目はまだまだ少女なのだから可愛くて当然だろう。外見で言うと、弥生、飛鳥、ヱミリア、そしてカリミアは全員同じくらい。詰まりこの四人は全員、化け物じみた強さとは裏腹に見た目だけはJKなのだ。
コンコンッ!
「はいよ。入りなさい」
「失礼します。ヱミリアお姉様、明日から縄文弥生たちはこの魔王城へと向かう予知が見えたのですが……」
ノックをしてヱミリアの部屋へ入ってきたのはヱミリアの従妹のカリミア・エクタシィだ。彼女も様々な魔術を使うが、特に『未来予知』文字通り未来を予知する魔術がずば抜けて得意なのだ。ノストラダムス以上に、本当に正確に未来を予知してしまうのだ。
「弥生が!」
「縄文弥生! 遂に来たわね!! うふふ……ふふふふふふふ」
飛鳥は遂に死んでしまった筈の親友と再会できることを心待ちにしていた。声にならない程の喜びようだ。
ヱミリアもこの前、ゴブリンの基地で一度戦った時の続きが出来るので。同じく声にならない程の喜びようだ。
「……お二人とも、随分と楽しみなのですね。気が緩んで油断しないで下さいね?」
「分かってるよ!」
「分かってるわよ!」
カリミアは真面目だ。常に真剣に仕事からそれ以外のことまで真剣に取り組む。それがカリミア・エクタシィなのだ。それ故二人の気が緩んで戦闘に支障がでないかどうかが心配で仕方なかった。飛鳥とヱミリアは危機感を失いニコニコしながら「分かっている」と。カリミアの不安は余計に積もるのであった。
to be continued...
最後まで読んで頂きありがとうございます。
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