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エルフの最強JK ~たった一言で宇宙を滅ぼす程の力を得てしまった~  作者: 紅雨神 幻想紅蓮
【一】 弥生さん好きなだけ無双編
17/91

第十六話 大正のフラグ発言によりドラゴンが現れた

第十六話です。


良ければ評価やブックマーク等宜しくお願い致します。

「お姉様ぁーーーーーーーー!!」

「弥生ちゃあああああああん!!」


 シルルと街人の声だ。弥生と大正が戦っていた草原は割と街に近かった。そのためシルルや街の皆が走って草原まで来ることが出来る。しかし戦いは既に終わっている。


「シルル? どうしてここに……」

「それは、心配だったからですよ」


 シルルは上目遣いでそういったセリフはあまりにも破壊力が強すぎた。


「きゃあああ! シルル可愛いいい!」


「お、お姉様苦しいです。い、いだいでず」


 あまりにもシルルが可愛すぎたので弥生は思わずシルルに抱き着いてしまう。ぎゅぅううううう!!! という音が鳴る程の凄い力でだ。シルルが苦しんでいるのに弥生は気付くことはなかった。


「最高だ!」

「ああ最高だ」

「和むなぁ」


 街人たちは呑気に和んでいる。


「お、お姉様そんなことより大正さんは?」

「ああ、明治くんなら街の方へ飛ばしたよ?」

「そんなとこまで!? そういえばここへ来る途中、なんかが草原の方から飛んできた気がするんですがお姉様の方が心配だったので無視してきたんです! もしかしたらあれが大正さんだったのもしれません……」


 シルルは大正のことをそれなりに心配しているようだが弥生は違う。最大の理由は大正が死ぬ前に自動的に回復するように漆黒(ジェットブラ)之炎(ックフレイム)に回復魔法を仕込んだからだ。それに加え、弥生はドSで大正はドMなのだ。日本に居た頃によく罵って遊んだりしていた。


「お姉様は大正さんのこと私と同じくらい愛してるんですよね?」

「ええそうよ♡」

「だったらなんであんなぶっ飛ばしたんですか?」

「決まってるじゃない! 私がドSで明治くんがドMだからよ」


『えええええええええ!!!!!!』


 などとシルルや街人が驚きながら、弥生たちは街へ戻っていった。


「あ、地形戻さないと! 『地形よ戻れ』!」


 スゥウウウウウーー!!


 忘れかけていたものの、弥生は自分の斬撃で滅茶滅茶になってしまった地形をちゃんと元に戻す。日本語で呪文を……と言うより願いを言うと、瞬時に元の地形へと戻る。


 ~街~


「あいだだだだ……くそ! 縄文さんめ! なんてことを……く、いたたたた? いた……くない? 痛くない!? それどころか傷一つ無い! どうなってるんだ!」


 弥生の言うとおり、大正は街まで飛ばされていた。シルルの見た飛んできたものと言うのはやはり大正だった様だ。それにしても、大正は自分が飛んだことにより地面のコンクリートをごりごり土が見えるまで削ってしまったのだ。さぞ痛かっただろう。(弥生の魔法でもう痛みはない)だが大正が飛んできたのがコンクリートで出来た道で良かった。もし家に直撃していたら大惨事となっていただろう。まあ弥生がなんとか出来るが。


「明治く~ん!」

「大正さぁ~ん!」

「「「勇者さまぁああ!」」」


 弥生やシルル、街の皆が大正のところへ駆けつける。友達の少ない大正は思わず涙を流してしまう。だがそんなみっともない姿を勇者が見せる訳にはいかないので涙は袖で拭いた。


「ありがとう皆。心配してくれて!でも俺はもう大丈夫!」

「「良かったぁ勇者様がこんなとこで死んじまったら魔族ぶっ殺せないもんなぁ。ぐっふふ」」


 大正が皆に礼を言うと、皆大喜びだ。勇者に礼を言われたのだからな。そんななか物騒なことを言う街人も居る。

 今更だが大正は始生に勇者として召喚された。元々勇者の素質を持っていた高校生だ。


「明治くん! ごめんね。ちょっとやりすぎちゃったかも……」


 弥生が素直に謝る。それを見たシルルは大正に少し嫉妬する。自分に対してお姉様はこんな一面を見せてくれなかったのだ……と。


「そんなことないよ! 縄文さんの強さは十分分かったし、しかもあの黒い炎に回復魔法仕込んでただろ! 俺には分かったよ。ありがとうなっ!」


 大正は最後、イケメン風に礼を言う。だが大正は実質イケメンなのだ。


「あ……いや、そんな……」


 そして弥生はキュンと大正に惚れなおすのであった。またまたシルルちゃんは嫉妬します。


「ぐぬぬぬぬぅうううう!」

「どうしたんだい? シルルちゃん。いやぁー君には感謝してるよ。縄文さんと仲良くしてくれてありがとうなっ! こいつ俺ともう一人親友が居るんだけど友達少なくてさー。君が居てくれて助かったよっ! ありがとうなっ!」

「ふぅえ? いや、そんな……」


 再びイケメン風に礼を今度はシルルに言い。更に頭をなでなでした。今度はそれを見た弥生が嫉妬する。


「むぅううううう!」

「ど、どうしたんだ縄文さんってもう片方の手が勝手に……縄文さんだろ! 絶対縄文さんが操って……」


 弥生の能力はその気になれば人を操ることすら可能だ。大正のシルルを撫でてない方の手を操って自分の頭を撫でさせる。


「えへへへへー」

「ええと、ちゃんと撫でてあげるから術を解いてくれるかな? 縄文さん」

「いーよ? 約束ね♡」

「うっ! あ、ああ……(ヤバい、忘れかけてたけど縄文さんって普通に可愛い)」


「か、可愛い? ってそんな」キャアアアア!

「心を読まれたァ!?」

「あっ!」テヘッ!

「てへじゃない! まあいいけど」


 そして約束通り大正は自分の意志で弥生の頭を撫でてあげる。弥生は嬉しそうだ。シルルは若干不満そうだがそれを王宮から千里眼で観ている者が居た。


 ~王宮~


「ぐぬぬぬぬぬぬ!」


 千里眼で大正たちを観ていたのは太古始生だ。彼女もまた大正のことが大好きになってしまったので、彼が王宮を出てからずっと千里眼で大正のことを観ていた。というよりこれは最早監視? いや、ストーカーである。因みに千里眼や透視による覗きやストーカー行為は重罪とされている。それを行っていること自体は魔力の流れを探知すれば魔術を悪用してストーカーをしていることがバレる。しかし始生は王女なので捕まることはないのだ。それに父にも気づかれないよう自分の魔力を一度別次元に飛ばし、そこから大正を観察するという熟練の魔術師にしか出来ないことをしているので始生がストーカーをしていることは誰にも気づかれないのだ。


「大正様! あんなに私以外の女の子といちゃいちゃいちゃいちゃ! 許しません! と言っても私が大正様のとこに行ったらストーカーしていることがばれてしまう……うぅ」


 だが弥生は気付いていた。大正から始生の話を聞いた時点で怪しいと警戒していたのだ。千里眼で大正のことを観ている始生に対して始生に見えるようにどや顔するのであった。


「ま、まさかあの縄文弥生という女! 私が大正様のことストーキングしているということに気付いたのかしら? そんな筈は! でももし本当にバレているとしたら? 相当な実力者だわ……現に私なんかより遥かにお強い大正様をいとも簡単に倒してしまわれましたし……まだまだ実力はあの程度ではないということですわね! 縄文弥生!」


 ズドォオオオオオオン!!


 始生の感情に合わせて雷が落ちる。勿論演出だ。


 ~数日後~


「ここの生活にも慣れてきた?」

「ああ! 随分慣れてきたぞ! そろそろドラゴンとか倒してみたくなってきたぜ! 居るかな? ドラゴン!」

「さあ? 居なかったとしても私が創ればいいし!」


 宿・ラヴホの弥生の部屋で会話しているのは弥生と大正だ。いつまでも大正がシルルの部屋で寝るのは宜しくないので大正が弥生の部屋の隅に空間魔術を使い新しい部屋を創ったのだ。弥生は「一緒の部屋にしよう♡」 とか 「一緒に寝よう♡」 とか言ってきたが、大正とシルルが全力で説得し、三人別々の部屋を得ることに成功した。


「そうか、縄文さんは創造魔法も使えるもんなぁ!」

「普通に創造してもいいんだけど、例えば私の種族を龍人に変更して明治くんとヤっちゃったら……ドラゴン、デキちゃうよ? ねぇ、試して、みない? ね♡」

「う、そ、それは……」


 大正は日常的に気を付けていることがある。

 弥生と二人きりになった時に襲われないように常に注意しなければいつ襲われても可笑しくないという事実だ。


「だ、駄目だ縄文さん! 俺たち付き合ってもいないのに!」

「私なら大丈夫よ? あなたのこと世界一愛してるから♡」

「し、シルルちゃんは?」

「同じくらい好きっ♡」

「(この娘とりあえずなんとかしないと! 日本に居た頃より色々ヤバくなってないか?)」

「明治くん! 私心読めるのよぉ」

「忘れてたああああああ!」


 この様なやり取りは既に日常茶飯事となってしまった。因みに何故シルルが居ないのかというと、シルルは食堂で料理を作っている。いや、料理を創造しているからだ。今は昼時なのだ。


「あ、そうだ縄文さん。俺たちも昼ご飯食べに行こうよ! 美味いだろうなぁシルルちゃんの作ってくれたご飯!」

「なんか逃げられたみたいな感じ。だけどいいわよっ!」


 大正は無理矢理弥生に腕を組まれ、食堂へ向かう。


「スンスン。ん? この気持ち良い匂いはお姉様ぁ!!」


 ダッ! シルルが弥生の元へ走ってくる。


 シルルは匂いで弥生のことが分かる。普通の人から見たら怖いくらいだ。しかし弥生も匂いでシルルと大正のことが分かってしまうのだ。匂いで人を嗅ぎ分けられないのは大正だけだが大丈夫。それが普通だ。


「シルルぅー!」

「お姉様ぁーーー! と……大正さん」

「邪魔者みたいに言うなッ! 全く失礼なロリっ子だ!」

「なぁっ! ロリっ子言わないでください!」

「いいじゃない! シルルはそれで可愛いんだしね? ああ柔らかくて可愛いぃいいい!」


 大正とシルルは口喧嘩し、弥生はシルルを抱きながらスリスリと頬擦りをする。気持ちよさそうだ。

 そして食堂の街人たちは大正を滅茶苦茶羨ましそうに見ている。「弥生ちゃんとシルルちゃんとあんな親しく!」「俺もシルルちゃんに口説かれたいッ!」など彼らは欲望の塊の発現ばかりする。これも日常茶飯事となった。因みに昼は冒険者たちはダンジョンなどでとることが多いので今冒険者はあまり居ない。


「はあ、まあ今の日常楽しいけどさ? なんかこう、魔王と戦う前にドラゴンとか襲ってきたら異世界っぽくて面白いんだけどなぁ」


 大正が冗談では済まされない様な発言をしたその時であった!


『ぐぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!』


「「「「なんだぁ!!」」」」



『貧弱な人間(カス)共よ! ()()が遊んでやろう! その軟弱っぷりを刺激したるわぁああああ!!』


 ドラゴンだ。街の上空には巨大な汚い色のドラゴンが居た……


「本当に……来てしまった……ごめん、さっきの発現フラグだったのか……ごめんみんな! フラグ立てちゃって! でもベタな展開過ぎてちょっと笑えてきた。ふふ、あはははははは」


 to be continued...


最後まで読んで頂き誠にありがとうございます。


第十七話も宜しくお願い致します。

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