59、【怠惰】と最後の食事会
書いている途中で頭痛がひどくなってきたので、今までで一番短いです。
すみません。
魔術師ギルドに向かった冒険者ギルドのギルドマスターの言いつけ通りに、町はずれである今の場所で待つことになった六人は現在、それぞれ近くに点在していた切り株に腰をかけてくつろいでいた。
町の人々が斧で切ったと思われる切り株は腰よりも高く、全員が足をブラブラと自由にさせている。
逆光気味で見えにくかった正面の景色は日が高くなったことによって先ほどよりもはっきりと見えるようにはなったが、ベルの視力ではまだまだ町の防壁を目に収めることはできなかった。
それでも不思議と町の存在を遠くに感じることは無く、ベルの顔にも自然な笑顔が戻りつつあった。
「それじゃあギルドマスターが帰ってくるまでに軽く食事でもとりましょうか。この旅最後の、この六人で食べる最後に相応しい位に楽しい食事を。」
「テムジンさん、ナイスアイデア!」
「そうかぁ、ベルの出してくれる美味しいパンもこれで最後なんだな…」
「『最後』じゃねーよ、また会えばいつでも食べさせてくれるさ。な、ベル?」
「もちろん、いつでも待ってるんだからね!」
別れるのは寂しいけど、決してこれが『最後』ではない。
お互いにどんな場所に居たって探せばまた会えるとジャンは笑う。
その笑顔に負けないようにベルも顔を上げる。
再び会えることを確信しているから涙の別れは必要無いのである。
一通り笑いあった後に食事の準備に取り掛かるが、今回はそこまで準備することがない。
ベルの出すパンは袋から出せばそのまま食べれるため焚火は必要無いし、寝る訳でも無いのでテントも要らない。
強いて用意する必要がある物といえばギルドマスターが帰ってくるまでの時間をつぶせる道具くらいだろう。
「ところでギルドマスターが帰ってくるのって時間がかかるのかな?」
「冒険者ギルドと魔術師ギルドの位置は近いので交渉は既に始まっている頃だと思います。でも違う組織の人手を借りることになりますから時間がかかると思いますよ。」
「いくら魔術師ギルドの人材に魔法の得意な人が多いと言っても鑑定は珍しい魔法だから、人集めには結構苦労すると思うんだな。」
「運搬もするハズだから人頭も揃えてるんじゃないか?そうなるとますます時間がかかると思うぜ。」
「んー、そっかー。なら久しぶりにのんびりしておこうかなー。」
「ベルはいつでものんびりしてるだろうに。」
呆れたようにツッコミを入れるジャンの姿を特に気にした様子もなく、ベルは軽く体を伸ばす。
それらの様子をさらに気にすることもなく、トントンは勢いよくジャムパンが入ったビニール包装を破り開けた。
食事の必要のないフェゴールは適当に周辺をうろつき、タージャはベルの代わりにマーブルウルフにジャーキーを差し出している。
何だかんだで自由人の多い6人組と一匹であった。




