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190、新米戦:最低限はドラゴンバスター

腹が痛いのでこの程度でご勘弁をば

「さてと、そろそろ現実を見ようかしらね。」

「ええと…ま、まだ心の準備が…」

「バニラの心はいつ聞いても準備中だから問題ないわね?ほら、行くわよ!」

「うわぁぁぁん!?」



頑なにそっぽを向こうとするバニラの顔を押さえながら、ミント自身も正面方向に広がる魔境を直視した。


ダンジョンまで伸びる舗装されたその道は、生きた骸の群れで覆いつくされていた。

さらに奥には圧倒的な巨体に七色の光を反射させる白銀の鱗を持つ災厄、エンシェントドラゴンが挑戦者をその目でじっくりと品定めするかのようにそのまなこを『ラビリンスハート』の面々に固定している。



「取り巻きの量も随分と過剰なものだけれど、あのデカいのがサントのギルドマスターにすらヤバいと言わせる程のモンスターなのよね?」

「確かエンシェントドラゴンっスよ。ギルドで見た鱗も大きいと思っていたっスけど本物はやっぱり迫力が全然違うっスね。」

「ほ、本物というより本体というか…」

「…ん、大きい。」



先ほどまで戦っていたゴーレムも人間のサイズと比べれば巨体と言っても差し支えが無い大きさであっただろう。

だがエンシェントドラゴンの大きさはゴーレムですら踏みつぶせてしまうと思わせるほどの規格外、常識外の体格であり並び立つ生物など存在しないのではないかと直感させられる。


若干影が薄くなっているがスケルトンキングたちの存在も十分な脅威である。

その名の示す通りスケルトンの王であり百のスケルトンを召喚すると言われるモンスターだ。

彼女たちは今だにただのスケルトンだと思っているようだが、たとえこの場に居るスケルトンキングが全てスケルトンであったとしても新米冒険者の彼女たちには荷が重いだろう。


ここまで『ラビリンスハート』の面々が善戦出来ているのは数多くの運と、モロハのワンマンパワーによるものでしかないのだ。



「それで、作戦はどうするんっスか?」

「あー、それなんだけどさ…」



いつもリーダーとしてハキハキとしているミントにしてはやけに自身無さげな弱弱しい声で呟く。



「ほら、前に…ていうかこの変な場所に来てからまだ一日も経ってないからアレは今日の出来事なんだけど、あのダンジョンって入り口に変な壁があったわよね?」

「あ、あったね。」

「それでモロハ。なんだか嫌な予感がするんだけど、あの壁を通れるようにするにはどうすればいいのかしら?」

「…ドラゴン、倒す。」

「やっぱりかッ!?」



ベルのダンジョンを探索するためには最低でもドラゴンバスターになる必要があるようだ。

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