表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
180/264

180、新米戦:忘却するネコ

元々の数でも圧倒的だったスケルトンキングだが召喚も使用し始めたことによってポップコーンが膨れ上がるかのように爆発的な人口密度の上昇を引き起こした。

簡単には乗り越えられないように高くそびえ立っていた防壁から簡単に溢れてしまうほどの骨の山。



「これが()()()ってヤツじゃな。」

「意味が違うニャ。」

「細かい事は気にするな!「細かくないニャ!」ともかく折角の補給を急いで受け取らねばな、ゴーレム!!」



ケットシーのツッコミを一切意に介さずに【鋼鉄】が叫ぶと、それに呼応するかのようにスケルトンの山がどんどんと削れていく。

スケルトンに覆われて見えないが、どうやらゴーレムたちが大きく腕を振り回して攻撃しているようだ。

ベルの生み出した低耐久のモンスターと巨体を乱暴に振り回せるゴーレムだからこそ成せる驚異の処理効率をたたき出しつつ、増えたDPで更なるゴーレムを生み出してさらに効率を引き上げていく。


増えては減り、また増えては減り、波のように揺れ動く骨の様子はまるで地獄が波打っているかの如く。

あまりにも迫力が強いので、この場にベルが居れば一瞬で気絶していたであろう。


【鋼鉄】の戦力が増えればベルの勝利は当然遠のくのだが、そもそもベルが目指しているのは二位なのでそのあたりの問題もないであろう。

ベルのダンジョンに向かったゴーレムも現在は崖に引っかかっているので、今のうちに【鋼鉄】がモロハを打ち倒せば全てはベルの、そしてケットシーの思惑通りなのだ。



「…うん、何も問題は無いハズなのニャ。」

「どうしたネコよ。」

「いや、なんだか一つ忘れているよ~な気がしてるよ~ニャ?」

「…ふむ?よう分からんが、忘れるような事であれば大したことでは無いんじゃろ?」

「そうかニャ?なんだかそんな気がしてきたニャ。」



二つのダンジョンが協力してモロハを倒す。

その共通の勝利条件を果たすためならば確かに何も問題は無い。

しかしこの新米戦における勝利条件はダンジョンコアを倒す事一つではないのだ。


どこかには存在していなければならないモロハのダンジョン、その存在が二人の頭からうっかり抜け落ちていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ