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140、【怠惰】はゲーム脳

(あれはエンシェントドラゴンをフロアボス化した影響で出来た壁じゃないかしら?屋外もフロアと呼ぶのは違和感があるけど、一キロのダンジョン範囲が設定されているし納得できる仕様だと思うわ。)

(なるほど~。つまりドラゴンさんが消えればこの壁も無くなって中に入れるようになるんだね。)

(多分私たちだけなら問題なく入れると思うけど二人だけで入ったらまず怪しまれるから、出来るだけ壁を無くして入りたいわね。)



そうは言ってもエンシェントドラゴンをどうにか出来る手段が思いつかないフェゴールの顔はいまいち良くない。

このままスケルトンと戦闘になっても戦力的に冒険者側には危険は無いが、モンスターはダンジョンの資源の一つと言っても差し支えの無い要素であり、それを無為に消費するわけにもいかない。



(せめて一時的にでもエンシェントドラゴンが消える事ができれば……)



ポロっと漏れたフェゴールの無茶に答えたのは隣にいたベルであった。



(確か出来るんじゃなかったっけ?)

(何が?)

(一時的に消えるって部分だよ。)



一度言葉を区切った後エンシェントドラゴンの方に向き直り──



(ドラゴンさん、【限定ステルス】お願い!)

(グルッ!)



ベルが命令したのと同時にエンシェントドラゴンの姿が徐々に透明に近づいて行く。

エンシェントドラゴンの居場所はダンジョン入り口がある崖を上った先なので、全員の意識がダンジョンを塞ぐ壁に向いている今は誰も透明になる巨体に気が付かない。

そしてその光の壁もやがて静かに色を失い、ダンジョンに繋がる長い階段が目の前に現れた。



「壁が無くなったんだな!?」

「良く分からんが空いたならラッキーだ、元の作戦通り突っ込むぞ。」



十中八九ベルの仕業であると予想したオルスが色々誤魔化すために皆を急がせ、その声に従い全員がダンジョンの中にへと入っていった。


さて、フロアボスの扉は何故開かれたのであろうか?

ここで多くの人が忘れているであろう限定ステルスというスキルを再確認しよう。




─限定ステルス─

自身の身体を透明化する『ステルス状態』になることができる。

ステルス状態は相手より敏捷が5以上高くないと見破られる。

ステルス状態の時には移動と攻撃を行うことが出来ない。




(……いやいや、何でその効果で壁が無くなるのよ!)

(よくカードゲームとかであるヤツだよ。『このモンスターを倒さないと別の対象に攻撃できない』みたいな効果を持ったモンスターが『このモンスターは攻撃されない』みたいな効果を持った場合に前者の効果が無視されるアレ。)

(……カードゲームをやってないから例えがよく分からないんだけど。)

(うーん、じゃあどういえばいいんだろ?えーと…………()()()()?)



まだゲーム的ではあるがみという単語はフェゴールでも理解が出来るものであった。



(……あのエンシェントドラゴンなら敏捷が0だから大丈夫だけど、万が一本物のエンシェントドラゴンだったらステルス状態が誰にも見破れない可能性があると。そうなったらフロアボスを倒す手段が無くなって入り口が一生開かなくなってしまう。そんな()()が起こらないようにモンスターが攻撃できない状態になったら光の壁が無くなるような()()()()()()になっている、って事?)

(世界がどうとかは分からないけど、そうしないとクソゲーだからね。)



現実さえゲームと同列に見てしまうゲーム脳っぷりに頭が痛くなってくるが、それが正解だったことでさらに頭が痛くなるフェゴールであった。

積まないのはシャ〇ウ〇ース


積むのは遊〇王

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